紙の本
ヒトが感じる「時間」と、科学が観察により導き出す「時間」にはズレがある。
2017/11/20 02:52
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒトが感じる「時間」と、科学が観察により導きだす「時間」にはズレ(それも相当大きなズレ)があると本書は言う。 本書のポイントは、始めの所にある。ーーーヒトは、空間に「時間」が「足されて」存在をするから、その空間の中を動けるんだと感じてるし、時間が止まれば、スチール写真のように、全てが止まって見えると感じてたりする。ーーーーーしかし、数百年間に及ぶ科学的観察によれば、それは違うと言う。 その科学的観察によれば「物が動ける」事と、「時間が存在する」とは表裏一体で切り離せないのだと言う。 もし時間が止まれば、光子も動けず、神経伝達物質も動けないから「何も見えないし、感じない」無の世界になると科学は言う。 そして、その先には、この宇宙の根源的なシステムが深く、強く関わっているという。 その宇宙のシステムを、科学的「時間」とからめつつ解説してる。
電子書籍
時間とは何か
2021/12/04 22:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
時間と空間を合わせた概念、時空について光速度が不変であることから光速度を基準にして1秒経過したことを時間方向に30万キロメートル移動したと表現していたことがわかりやすかった
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時間について書かれている書籍は多いが、内容も易しいものから難解な物まで様々かと思います。こちらは、どちらかと言えば「難解」な部類ではないでしょうか。
「専門性が高い」この一言に尽きます。何度か読んで理解出来れば面白い内容なのかもしれません。
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「時間とは何だろう」
Amazonのお勧めリストで面白そうなタイトルだったのでついつい買ってしまった。
慶応大学・松浦教授の面白い物理学の本である。商学部勤務となっているのがちょっとびっくり。ミスプリントかと思った。
内容は時間の概念を巡って、ガリレオ、ニュートンの古典的な時間観からアインシュタインの相対論、マックスウェルの電磁場理論から量子としての光、量子場、量子重力まで物理学の歴史概説である。大変楽しくわかりやすい。
著者は自然現象を抽象化によって原理を考えることの重要性を指摘しており、共感できる。それは、物体が時空を曲げて重力場を発生することが場と言う概念につながり、存在する場の構造を解き明かそうということにつながっていく。
時間の話をきっかけに量子の話までにたどり着く、面白い物理学の本だ。
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「実感はあるのに実体がない」。
不思議な「時間」の本質を捉える旅へ!
誰にでも同じように流れて、逆回しにできないもの
――普段思い描く時間の姿は、実はごく限られた一面。
最先端の物理学では、時間は、
〈空間・物質・力を含む巨大な構造の一部〉
と考えられはじめています。
ニュートン力学、カオス、特殊相対性理論、
一般相対性理論、電磁気学、場の量子論、超弦理論……
物理学の歴史を辿っていくと、
美しく壮大な、時間の真の姿が見えてくる!
なぜ「時間」が存在するのか?
時間はいつ生まれたのか?
時間は逆方向に進まないのか?
本当に時間は「流れて」いるのか?
――科学が示す驚きの“時間観”とは!?
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一般読者向けに書かれたかなり易しい書籍だとは思うが、第7章あたりから理解が怪しくなり、最後の第8章は完全についていけなくなった。
「時間とは何か」という謎解きを期待して読み進めると、時間でも空間でもない「何か」の構造の話になり、こちらの脳のスケールを超えてしまう(;´Д`)
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もちろん完全に理解できたわけではないが、ニュートン力学から始まり超紐理論まで要所が上手く表現されていてわかった気になれるし、純粋に面白い
後半にいくにつれ説明が端折り気味で理解が追いつかなかったのがちょっと残念
関連書籍も機会があれば読んでみたい
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中学生のころから、特殊相対性理論ってなんだろうって興味があったのですが、
ようやく、なんとなく言いたいことがわかってきたような気がします(笑)
時間って、そんな考え方があるのかという、かなり衝撃的な経験だったのに加え、世界にはまだまだ分からないことがあるのだということを知ることができました。
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タイトルからして魅力的。
「時間とは」という問いかけから物理学の話に広がっていきます。
ニュートン力学から相対性理論、そして弦理論迄…。
面白くてページを開く手が止まりません。
いやー、読んでいてとても興奮しました。
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哲学的な時間論の物理版かと思って読み始めたが、実際は、ニュートン力学、相対性理論、量子論と続く物理学の進歩を「時間」を軸にして書いた本だった。その意味で、類書は多いが、4次元の時空と重力の関係や、4次元時空における距離の概念などは一番分かりやすかったように思う。
時間の一方向性については、エントロピーの法則と同じような視点で説明されているが、これが物理学的な標準的考え方なのだろうか。ここは詳しく知りたいポイントなのだが、何となく肩透かしを食らったような感じがする。
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この手の本の特徴として、読んでいるうちは「ふむふむ、なるほど」と理解できたフリができる、というのがある。
まぁ、僕だけかも知れないけれど。
そして本を読み終えて3歩ほど歩いたらすべて忘れてしまう、というのもある。
まぁ、僕だけかも知れないけれど。
ところが、本書は上記の特徴には当てはまらなかった。
読んでいても、ちっとも「ふむふむ、なるほど」とはならなかったのだ。
理解できたフリすらも出来なかった……。
なんか難しくって。
まぁ、僕だけかも知れないけれど……ブツブツ。
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年末(2017)の大掃除で部屋の片隅から発掘された本です、いつかは興味を持ってしっかりと勉強してみたい分野ですが、今のところ読みたい本が山積みで、途中までとなってしまっていました。
一部ですが、気になったポイントです。
・宇宙船の中から見ても地球から見ても、光時間の中を飛ぶ光の速さは秒速30万キロである、地上から見た光の1往復は、地上から見るとこの光の1往復には1ナノ秒の時間がかかる。つまり、地上で1ナノ秒が経過したとき、宇宙船の中ではまだ1ナノ秒が経過していない、宇宙船の中の時の流れが、地上の時の流れよりも遅くなっている(p97)
・原理的には3機の人工衛星と距離が分かれば地上の場所は特定できるが、スマホ時計は人工衛星に積まれた原子時計ほどの精度がないので、時刻の情報を補正するために、もう1機の情報を加えて、最低4機の人工衛星からのシグナルを受信することで自身の場所を特定するのがGPSである(p100)
・地球が時空を曲げた、というのは、地球がAさんに重力を及ぼしたということ。万有引力の法則として知られている(p134)
2018年1月14日作成
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相当分かりやすく書いてくれてるんだろうけど、それでも十分難しい。。
ID論には与しないが、世界は美しく出来てるみたいだなあ、と改めて思った。
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時空に関する本は好きなのだが、なにぶん自分の理解が追いついていかないため、こういった手軽な本を読んで頭の中を再整理する必要がある。しかし何故だかこの本は扱う領域が広く浅すぎて、読後に残るものがあまりなかった。駆け足の量子論も未消化で終わってしまった。
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このところ続けて宇宙論の書籍を読み進めていましたが、流れは同じものの、一度、物理学の視点からの書籍ということで、松浦壮氏の「時間とはなんだろう」を読んでみました。”はじめに”のところで「最先端の物理学は、人類史上初めて、時間の真の正体を捉えつつあるという静かな興奮の中にいます」とあり、古来から自分を含めて世界中の老若男女が一度は思ったであろうこの問いかけに答えが見えつつあるというのは、静かな興奮どころか大興奮ではないでしょうか!?
と言う事で、本文を読む前から物凄い期待をしつつも、数ある宇宙論書籍で読み尽くした感のある古典物理学から量子力学のおさらいで終わるのかなと(もちろんそれはそれで何度読んでも飽きないので、何冊も宇宙論の入門書を読んでいる訳なのですが)思いつつ読み始めました。
最初に時間の観念をわかりやすくおさらいした後に、時間が空間の構造の一部である(と言われても最初の時点ではなんのことかさっぱりでしたが)ことを示唆した上で、時間を読み解くために物体の運動である物理学をニュートン力学からおさらいしていきます。ここら辺は他の宇宙論の書籍と大差無いように思われますが、さすが物理学者?であくまで物理の視点での解説なので、宇宙論にありがちな飛躍的な論調ではなく、時間との関連を示唆しながらわかりやすく進んでいきます。象徴的だったのが、量子論をマクロ的な運動にあてはめても現実的ではない対象とするスケールの違いによる「有効理論」と言う物理学の考え方は、私が記憶している限りでは初めての内容で、ここら辺は宇宙論の書籍ではあまり読んだ記憶がない知識でした。宇宙の始まりは量子論が避けて通れないことは理解できても、それをマクロ的に適用して統一理論にしようとすると違和感がある多世界解釈なども(本当は違うのでしょうけども素人にはこのように感じなくもないのです。。。)、このような説明なら納得できます。また古典物理学のニュートン力学から相対性理論までが と言う検証手法でひとつながりになると言う話も新鮮で、物理学はやはり蓄積なのだと納得しました。
本書の中に何度か出てきた例えで、仮に時間が止まれば光子も運動しないので止まっていることの認識すらできないと言う例えも、ともすればSFを通り越した非現実的な高次元・多次元世界の理論も、イメージできる世界に多少は近づきます。自分の解釈でかみ砕くと、もし時間を超えた次元を認識できる存在からは、しょっちゅう時間が止まっているのかもしれない世界を、我々が認識出来ていないだけなのかも知れません。
時間が物体の運動と切っても切れない存在であれば、時間の矢(過去から未来への一方通行)と言う概念も理解出来なくもありません。いずれにしても時間の正体が物理学の一つの事象・法則として明らかになりつつあると言うのが分かる読後は、静かな興奮どころか物凄い興奮を覚えざるを得ません。SFでありそうなネタですが、この世界自体が高次元の別の世界の物理現象の表れである(ホログラフィック理論)事が真剣に研究されていたり、かのアインシュタインも大統一理論を考える前提としてこの世界の物理現象が高次元の現象が現れている結果だという切り口を考えていたと言うトピックスも新鮮です。宇宙論の書籍と似ているようで、やはり物理学の視点での書籍と言う事で、同じ物理学のおさらいも新鮮でより理解が深まった本書でした。ある意味、子供の頃から誰もが感じている「時間とはなんだろう」という人類普遍の謎に現代物理学が肉薄しているのが、観客席から眺められる?ような本書でした。引っ越し続きの海外駐在なので、大概の読後の本は売ってしまうのが常なのですが、この書籍はしばらくは手元に残りそうな書籍です!