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本書は子供の頃の話から始まり、家庭教師をしながら通った女学校・大学時代、劇団時代、そして女優になってからの話に続きます。お料理の話や着物の話にはそれぞれ一章ずつ割き、最後に、年齢相応の生き方の話で締めくくられます。
明治の生まれでありながら、大学で学んだせいか、とても先進的な女性だと思いました。それでありながら、女優の仕事をしながら家事もしっかりこなし、愛する旦那様のお世話を甲斐甲斐しく焼いておられました。
「子供の頃から家事を仕込まれた」らしく、お手伝いさんはいたものの、家にいるときは家事はしっかりこなしたようです。特に食へのこだわりは強く、お料理の腕前はかなりなものだったよう。毎日の献立を記録していて、その「献立日記」も出版されています。
お料理や着物についての話は、丁寧に暮らしたい、日常に和服を取り入れたいという方には十分参考になると思います。
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ご本人は「自分には華がない」、脇役人生と仰ってますが、なかなかどうしてと思いますw。沢村貞子さん(1908~1996)「わたしのおせっかい談義」、1986年刊行、2017年新装版文庫。読みやすくて小気味よいエッセイ、もうお亡くなりになりましたが、ファンになりました!野次馬根性(何にでも興味を持つ)は大事。そして、クモの巣など何にでも感心してしまう感心魔。惚れ惚れします(^-^) 台所の後始末をするのは、次に美味しいもの作るための準備、着物もちゃんと後始末して手入れしてこそ着物を着る楽しみがある。出船の精神、大切ですね! なお、弟さんは加東大介氏(1911~1975、享年64)早逝でした。
沢村貞子さん(1908~1996)のお人柄がわかるとても楽しいエッセイ。「わたしのおせっかい談義」、2017.9発行。野次馬根性、感心魔、時間厳守だそうです。献立日記は昭和41年から、今26冊。台所に包丁15本、まな板4枚。
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往年の脇役女優だった沢村貞子さんによるエッセイ集。リアルタイムで見た記憶がないのだが、ドラマで姑役といえばこの女優さんという感じだったらしい。
戦前生まれで厳しい時代を生き抜いてきた人。本書には書かれていないが、3回結婚しており、戦後には左翼活動で投獄されたこともあるようだ。
本書のテーマは、今風に言うと「丁寧に暮らす」ということだろうか。彼女の女優としての心構え、それ以上に日常生活をいかに自分が納得できるように作っていくかということが書かれている。女優だからと浮ついたところが全くないのがすごい。日常に着物を着ることについても書かれていて、そういえば私の祖母もそうだったな、と思い出した。着物はきつくて苦しいというイメージだが、彼女に言わせると着物の方が楽なのだという。
3人目の夫との質素な結婚生活についても書いてあり、本書は彼女が77歳ごろに書かれた(講演で話した内容を書き起こした)もので、お互いに老夫婦になってからいたわり合って暮らす日常が見えて、ほのぼのとした。
彼女は夫を見送って2年後に自宅で心不全で亡くなったそうで、当時珍しかった海への散骨の希望がかなえられ、それも理想の終わり方だなと思った。