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順調だった歩君の人生が一転。弱い自分に葛藤する。誰でも経験のあることだ。
どうあることが幸せなのか、何を信じるのか、それは自分次第。どん底から這い上がるのも自分次第。がんばれ歩君、がんばれあたし。
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面白かった!けどあんなめちゃくちゃだった家族と歩の立場が逆転してて切なくなった。
歪んだ劣等感は言動やその根底にある人間を変えてしまうんだなと感じた。
自分自身、劣等感の塊やけど前向いて進んで行くしかないよな
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予想とは違ったストーリーではあったが、大変読みやすく、楽しめた。作者の経験が活かされた自伝的小説と思う。エジプトが主人公にとって重要な地であり、最終的にはこの地に戻ることにより自分を取り戻し始める
兄弟間の競争と連帯感の間で揺れる心境がよく描かれており、共感できる。
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西加奈子の自叙伝の要素を多分に含んだ物書きの物語。海外の文化などの他の小説ではあまり見られない観点が含まれており興味深く読めた。自分の信じることは自分で決める、そうすれば怖いものはない。
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10月の3連休の朝、ふと「3連休だから1日1冊、上中下を読もう」と思い立ち、連休初日に購入しひたすら家で没頭した。
人によってはそれを「せっかくの3連休なのに」と言ったりするだろうが、僕は有意義な3連休であったと信じている。
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魂を揺さぶられる小説だ。この本は作者の実体験に基づいた渾身の一作なんだろう。何だか自分がくよくよ悩んでいる事がバカバカしくなる、勇気を貰える傑作だ。直木賞の選考委員も悩まなかったのではないだろうか。
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私の語彙・表現力では面白さが伝えきれない。私が書けば自己啓発本でよく見る文になるだろう。私にとっては心で感じる本、間違いなく人生で大切な本。途中で主人公に「引っ張られ」ていた自分にハッとした。姉が言ったあの一文…。ちょうど神とは何か考察していたのだが、その答えのヒントがもらえた。『i』にも通ずる所があり心に響いた。出てきた本や音楽まったくわからなかったが、聞きながら調べながら読んでみた。この表紙の絵の意味もわかってビックリ!伝えたいメッセージが込められてたんやなぁ!(本人が書いてるし当たり前か。。)又吉さんの後書きもよかった。
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サラバというタイトルの意味が、ようやく理解できた。とにかく、一気に、泣きながら読み終えた。私の芯ってなんだろう。それを、しばらく考えたいと思う。
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そして最後に下巻を買ったのだが『こちら上中下なのですけど、下だけで宜しかったですか?』と聞かれた。
『下で宜しいですか?』と『下だけで宜しかったですか?』は似ているようで、聞かれた方としてはニュアンスが異なる。
前者は念のための確認という感じなので、「しっかりしてるな、店員さん」と思ったが、後者は3巻で一揃いなのに表紙が似ていて分からずに下だけ間違えて買ってませんか、と聞かれた感じ。
最後に残念だったぞ、紀伊国屋の店員さん。
ともあれ、残り1/3に突入。
上昇志向の嫌らしさ、ネットで匿名の人から叩かれること、「すくいぬし」、自意識過剰の男の憐れ、外見で人を判断する男の哀れ、禿げたらあかんのかい、遺産で暮らす気楽な人生、お金がなくても豊かな人生、自分より下の人を見つけて安心している人生、いつまでそうやっているつもりなの?、「アラブの春」が残したもの、東日本大震災が残したもの、信仰について、悠久に流れる時間について、奇跡のような出会いはあるか…。
歩のキャラクターが、特に頭が薄くなってきてから落ち込んでいく姿が好きになれず、父と母が別れた理由が明らかになり、姉や自分の名前の由来が明らかになるが、だけども、最早どうでもいいような…。
物語のテンポは凄く良く、エネルギッシュにサクサクと、倦まずにどんどん読み進められたものの、ラストには何とはなしに座りの悪さを感じたところ。
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歩が貴子のことをずっと「病的なまでに人の注目を浴びたいやつ」として認識していることに違和感があった。なぜなら、私からは(というか第三者的に見ると?)歩のほうが人(他人というより自分を「愛してくれるべき」人)からの注目に対する飢餓感が強いように見えたからだ。
貴子は、子供のころはきっと母にまっすぐに見てもらえないことに対して飢えていたのだと思うけれど、父から離婚の真相を聞かされたことなどを経て「他者は自分に幸せを『与えて』くれるために存在しているのではない」と思うようになったのだと思う。それはきっと、他者と自分の「交じり合わなさ」を決定的に知ったことで行き着いた境地なのだろう。(歩に言った「あのふたり(両親)はふたりなりの生き方を追求しただけだ」という趣旨の言葉がそれを物語っていると思う)
歩はずっと、大人になっても、他者を「幸せを与えてくれる」存在だと思っていた。だから、自分が最悪の精神状態のとき、須玖と鴻上に臆することなく「付き合うことになった」と宣言されて狼狽えたのだろう。
貴子の言う「信じるもの」は「幸せ」と置き換えても良いかもしれない。
あなたの幸せを誰かに決めさせてはいけない。
そして、翻ってそれは、私にも向けられている。
他人の幸せをあなたが決めてはいけない。
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歩と名づけられた一人の男の子が生まれ、そして37歳になるまでの自叙伝。彼の家族、そして出会う多くの友人達との貴重な時間が細かく描かれていた。
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姉と母に悩まされながらも、少なくとも恋愛や仕事の面では充実していた主人公。
しかし30を過ぎたあたりから薄毛になり、これまで自意識を支えてくれた容姿が崩壊する。それに伴い恋人も去り、仕事も減っいく…
さらに、これまで自分の足を引っ張り続けてきた姉にまで心配される始末。
やっと物語らしくなってきた。あのままだったら、胸糞悪くて読んでられなかった。
一瞬でも著者である西さんを疑ってしまったのを申し訳なく思った。
これは、生きる意味を見出せなくなった人達へ送る、
信じるものを見つけ、力強く生きていくためのエールなんだと思った。
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いや~、面白かった。序盤~中盤で感じた”面白さ”と、終盤の”面白さ”は、ちょっとニュアンスが違ってくるんだけど、それにしても徹頭徹尾優れたエンタメ作品でした。直木賞が然るべく授賞されたパターンだと思います。プロットとしては、よくある「調子こいた男の凋落物語」でもあるんだけど、リアリティある描写で、身につまされるものがある。そしてやはり物語中最大のポイントとなった、両親の離婚理由。なるほど、そういうことでしたか。女絡みには違いなかったけど、もっと深い事情があったのでした。個性的な姉が”見つけた”ものを、最終的には家族皆それぞれに”見つけられた”ように思える、クライマックスもとても秀逸。いやいや、長編が全く苦にならない、素晴らしい読書体験でした。
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初めての西加奈子作品。上〜下巻を通して、主人公圷歩の私小説の形を取っている。無駄が一つもなく、3冊通して一気に読了してしまうほど面白い。特に、下巻で歩がヤコブと再会し、改めて「サラバ!」に心を揺さぶられる瞬間は感動的。他の西加奈子作品も読んでみたいと、強く感じた。
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サラバ!とは信じること、とはどういうことか、考える本だと思う。人生の前半は、自分ではどうすることもできないことが多くある。環境、家族、いろんなものは選べない。そこを経て、大人になるなかで、自分の信じるものはなんなのか、探して、探して、自分で決める。
そのなかで、一緒にいるひとを決めたりとか、自分の居場所を決めたりとかする。
文字にするとありきたりなことになっちゃうけど、壮大な文章、物語で伝えることで、表面的じゃなくて、こう、心に、ずーーーーーん、と伝えてくれる本。
これは読まないとわからん。