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はじめから終わりまで圧倒的な面白さ。読む前から予想した通り、ユニクロはワンマン経営で貧乏人を搾取してぼろ儲けし続けるブラック企業でした!という内容だったが、筆者と社長の遠距離バトルのような形で描かれているので、単なる事実の羅列に終わっておらず、オチもついていて素晴らしい。インタビューを拒絶していても、「部長会議ニュース」でちょくちょく出てくる柳井社長の存在感や、ラストの株主総会での直接対決も良かった。
第7章ビックロ・ブルースはブラックユーモアに満ちていた。さんざん人件費をケチってバイトをこき使っておきながら「感謝祭では文化祭や体育祭のように取り組んでいただきたい。お客様にはディズニーランドに来たように受け止めてもらいたい」と語る総店長に、頭の中でではあるが、マスオさんがちゃんと「正気か?!」と怒りのツッコミを入れていて頼もしさ100倍であった。自分だったら虚無感に襲われて無表情で聴き流しそうだが、これがまともな感覚だと思う。
この手の宗教じみた上っ面だけの言葉はユニクロだけでなく、ブラック体質の集団では見慣れた風景だ。夢の実現とか、経営者マインドを持てとかマルチの勧誘でもよく聞くフレーズでうさんくささが半端ない。そんな、側から見れば正気を疑う文言でも、洗脳されると普通になるから怖い。バイトの男子学生がミニ柳井正になってる場面は一種のホラーだった。
「やりがい搾取」とは搾取どころか従業員に対する詐欺行為なのではなかろうか?なんでオレオレ詐欺は逮捕するのに、ブラック企業の経営者は放置なんだろうと思う。巡り巡って損するのは国なのに。ユニクロ社長の途方もなく膨れ上がった総資産額は社会的に見てもバランスを欠いているとしか思えない。何のためにそこまで「個人」が溜め込む必要があるのだ?さっぱり分からない。月に私設宇宙基地でも作るつもりならまだしもである。
人の人生を犠牲にしても、環境を破壊しても、金さえ儲けていれば絶対に正しいかのように誉めそやされるこの風潮は一体いつまで続くのか。
ファストファッションが東南アジア近辺の人たちを24時間こき使って成立している事実に改めて思いを致す。産業革命初期の炭鉱労働者は過去の亡霊ではないのだなと読みながら思った。
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正直、読んでいて辛くなる本でしたが、現実を見なくてはと思い、最後まで読みました。
ユニクロに限らず、世の中にはひどい会社が相当あるんだろうなぁと思わされます。
潜入取材までした著者の熱さも伝わってきました。
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中途半端なとこで読み終えちゃったから再読。
日系企業で、このような経営体制を取っているのは業界トップならでは。セブンイレブンもこのようなイメージ。読んでいて辛くなるところもあった。
最初から最後までとても興味深かった。
強いて言うなら国際的な労働問題のくだりのところは少し退屈だったけど‥
文化祭のノリで感謝祭やれって話は少し鳥肌たった。
ユニクロ絶対買わねえ、って思ったけど、買ってしまう現状に何もできない自分の無力さに悲しくなった。
外資系ってどうなんだろう、、と思っていたところに、アマゾン潜入が出ていることを知ったのでそちらを読んでみたい