紙の本
よーく考えよう
2018/02/22 10:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
尖閣諸島問題を大学生にディベートさせたらこんな風になるんだろうな、といった感じ。『空母いぶき』と併せて読むと、様々な立場の人たちに自分を重ね合わせて考えながら読めるエンターテインメントもの。エリートはその他の人々を統率していればよいのか、それとも理解させる責任をも有するのかも一つのテーマか?
紙の本
【大衆を意図した戦略で、特定の思想へと誘導せよ】
2022/12/17 17:09
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投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
就活生を集めた思考実験が幕を開ける物語。
喧伝と戦争は本質的に似通っている。
如何に自分達が正義だと認識させるか?
官邸で行われる広告代理店の就職試験に勝利した大学生を集めた、仮想国家を戦争に導くゲーム。
醜聞とデマによる情報操作。
嘘とスパイによる本質の歪曲。
このゲームの本質が垣間見える時、ある種の異変に気付く。
そして、それは波風の様に心に波紋を齎す。
最終投票による暴かれた真実は残酷で、市井の人々は傍観者と化す。
物事には表裏があり、固執した思想だと本質を見失うのだ。
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‹内容紹介より›
「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」大手広告代理店・電央堂の就職試験を勝ち上がった大学生8名。彼らに課された最終選考の課題は、宣伝によって仮想国家の国民を戦争に導けるかどうかを争うゲームだった。勝敗の行方はいかに、そしてこの最終選考の真の目的とは?電子書籍で話題の問題作を全面改稿して文庫化!
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タイトルがとても印象的で、思わず購入しました。
就職活動の一環として、領土をめぐって戦争を起こそうとする「政府」と、戦争を避けようとする「レジスタンス」に分かれて大学生が争います。
2時間強のわずかな時間が舞台ですが、人狼ゲームのようなハラハラ感があり、しかも「人死に」が出ないので、読んでいて気分が悪くなることもありません。
そして、領土問題や戦争についての認識など、現在の日本で暮らす者として、考えるべきことがらのヒントが多く込められている作品であるようにも感じました。
政府とレジスタンス、どちらの主張が「正しい」のでしょうか。
そして、「正しい」主張が本当に国の行く末を決める(世論を形成する)のでしょうか。
情報の出され方で、仮想国家の国民たちの意見が二転三転するさまを見て、自分で積極的に情報を収集すること(政府やメディアなどの情報を鵜呑みにしないこと)の大切さを改めて感じました。
サスペンス小説としても楽しむことができましたし、選挙も近いこの時期、オススメです。
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ある島の領有権をめぐる戦争を起こすか、起こさないかを巡るプロパガンダ戦。学生の就職選考という設定ですが、少し物足りないかな。最期もちょっと理想を追いすぎな感じがしました。
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情報戦争
なんか今の日本の近未来的な話だった気がする
広報などの知識も得られたし勉強にもなった
内容も面白く、一気に読める
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広告代理店の入社試験で行われたゲームは、政府チームとレジスタンスチームに分かれての宣伝合戦だった。
テンポもいいし、読みやすい。映像化されても楽しめる気がする。入社試験ということを忘れ、夢中で読んでしまった。社会実験に参加している気分になって面白い。でも試験後の展開はあまり好きではない。都合がよすぎたなという印象。
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読みやすく面白かった。ストーリー展開、スピード感がいいのでサクサク読める。
面白い本だからこそ、気になる点が多くでてくる
・登場人物が立ち過ぎてマンガを文庫化したみたい
・スパイの仕掛けが甘い
・ゲーム終了後の流れがまとめに入っているが、どうせならもっと深掘りしてほしかった
・「もっと深掘りしてくれたら」は作品全体にあった
・ゲーム実施の背景が、作中の言葉を使って言うならリアリティーがない
・「学生が担うべき」「リアルが…」っていう文章が出てくると、作者が「自分たち世代万歳」って思っているんだろうなと感じておもしろくない
・作者がこの作品を書いた意図が読めない。「面白そうなネタ思い付いたから、書きました」でも良いのだけれど、これだけ社会性を持って書くなら、そういう込められたメッセージというものが読める小説になっていればよかった
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珍しく小説である。
大手広告代理店の就職試験の最終選考に残った8人の大学生。彼ら・
彼女らにはとある課題が課せられる。宣伝戦略を利用して、仮想
国家の国民を戦争に導けるか。
学生たちは戦争に導きたい政府側、戦争をさせたくないレジスタンス
側の2チームに分かれ、広告代理店が集めた100人の国民を相手に
SNS上でそれそれがいかに国民の支持を得るかを競い合う。
戦争の原因となる領土問題などの設定もそうだが、先に『電通巨大
利権』(本間龍 サイゾー)を読んでいたので現実とシンクロする
部分があってストーリー展開に引き込まれる反面、背筋が寒くなる
感じもあった。
小説ではあるけれど、現実とそれほど乖離していないのではないか
と思う。勿論、このようなゲームが就職試験の最終選考になるはずは
ないが、両チームが自分たちこそ正しいと思い、それぞれが繰り出す
プロパガンダは本当にありそうなのだもの。
国民感情は広告戦略でどうにでもなる。例えそれが非常に危険なこと
であってもだ。本当にこんなこと、考えていそうだよね。実際、ネット
上の異常な自民党支持は電通経由で雇われた人たちが行っているなんて
話もあるくらいだしね。
本書のラストは「続編があるか」と思わせる感じだが、このラストに
行く前の学生たちの後日談も興味深かった。
いや~、電通関連緒の作品と本書を立て続けに読んだせいかも知れない
が、なんか怖いわ。人の感情を煽る戦略って、今の政府は本当に考え
そうだもの。
「これは小説なんだ」って自分に言い聞かせないとね。でも…。
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テンポが良くて、一気読み。これは映画化確定かな。面白いゲームだった。最後の終わり方だけはもう一捻りほしかったけど。
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自身の採用とチームの勝敗、本当の善悪の間で揺れ動く学生がいきいきと描かれていてとても面白かった。
些細なことで一喜一憂する姿は学生と社会人の間、本当の悪とは何なのか、それは本当に悪なのか、政治の上では、事実に基づいたら、正義によれば、それは誰から見ても正しいのか、という葛藤がちょうどある年頃だろう。
大人ではこうはいかない。
政治と巨悪、就活生という組み合わせが絶妙だった。
就活を経験したからこそ理解できるような葛藤につい感情的に読んでしまった箇所があるので、冷静になってもう一度読んでみたいと思っている。
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おもしろかった!
「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」
大手広告代理店・電央堂の就職試験を勝ちあがった大学生8名。
彼らに課された最終選考の課題は、宣伝によって仮想国家の国民を戦争に導けるかどうかを争うゲームだった!
ちょっとコワイけど。
それに、デキ過ぎ感もあるけどーw
学生たちが、みんなそれぞれに、いいコ達で良かった♪
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国民に「戦争を正しいものと思わせる」ことが勝利のカギとなる就職採用試験の話。
不気味なテーマに惹かれて購入、案外スルッと読めた。
内容もワクワクするものだったんだけど、ラストが雑な印象。
もったいない~~。。
試行錯誤する学生達の戦略合戦がリアルで、中盤までとってもおもしろかっただけに残念。
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面白い本だった。
何が正しくて、何が間違っているのか。
そして、どこに視点を合わせるのか。
いろんなことがこの本の中に含まれていて、勉強にもなった。
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面白いしこわさもある。
本当に深く思慮し、論理的に展開すれば矛盾もなく人を動かせる。そうなった時に何が正義で何が悪かすら分からなくなる。それが現代メディアのこわさであり、この社会のこわさ。
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一部実話なんじゃないの?て思うくらいリアルな設定。
締めがうーんて感じだったけどスラスラ読めて面白かった。