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著者は中学2年生!私の中学生時代は読書感想文を書くのもヒーヒー言ってたのに…。
5篇の連作短編集。母子家庭の小学6年生の女の子が主人公。貧乏だけれど底抜けに明るくパワフルな母親との日常が描かれている。どの場面も生き生きとしていてテンポよく、クスっと笑いハラハラして、ツボにはまり、ちょっとほろりとする…。冷静に大人社会を見ているみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章に驚く。並みの小説家の本よりずっとおもしろい。続編が読みたくなります。
末恐ろしい「スーパー中学生」です。
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読む前は、勝手に「女の子が田中さんと言うオトナに出会う話」と思い込んでいた。
が実際は主人公の花実ちゃん(小学生)が田中さんだった。
しかし田中花実ちゃん、カッコいい。お母さんも大家さんも、ついでにそのひきこもり息子賢人もいい味出てる
三上信也にも、頑張れ!いい男になれよ!と伝えたくなる。
さらにひきこもり解消のヒントは、花実ちゃんみたいな存在かもと思う。
話のテンポもいいし、言い回しやたとえが絶妙。
すごいな鈴木るりかさん。これから目が離せなくなりそう。
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小学4年生6年生とかで書いた小説とは思えないほど引き込まれた
その若さでいろんな言葉を知ってることにあっぱれです
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小学館「12歳の文学賞」大賞を4・5・6年生と3年連続受賞とはあっぱれ
ちょっと面白半分に(どれどれ どんなもんかしら)と手に取ったのだが・・・
いやぁ 凄い!! 侮ることなかれ
素直な文章は10代の子らしく伸び伸びとしているが、
状況を伝える言葉や情景に合わせた固辞やことわの使い方が秀逸で面白い。
そして主人公の花実ちゃん親子が実に生き生きと逞しく生きている。
読みながら
ある時は自分の子どものころに戻って、
ある時はお母さんの立場になって
胸がきゅんとしたり、(だめよ そんなことしちゃ)なんて突っ込みたくなったり・・・
ラストの章「さよなら、田中さん」は読んでてつらかった。
私は個人的にちょっと変わった担任の木戸先生が好き
「英国には 食器棚の奥の骸骨 という言い回しがあります」なんて 授業を受けたくなった。
きっと作者の周りには ステキな言葉を使っている人達がたくさんいるんだろうな。
ぜひ 読んでみてください。
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20180115予約
田中花実という女の子が主人公。
かなり悲惨な生活だけど、そんなふうに感じさせない、淡々と日常を過ごしている。お母さんが、元気に、自分の生活を卑下することもなく、そのままでいることが、とても清々しく素敵だと思う。
主人公はいいお母さんに育てられ、幸せだと思う。
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中学生が書いた本だなんて全く思えない。小学生の視点だけでなく、大人の視点も兼ね備えており、非常に読みながら引きつけられた。力強く、繊細に描かれた筆致に誰もが引きつけられる作品だろう。
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とても子供が書いたとは思えないしっかりとした文章。
(この時点で子供という言葉が相応しくないのかもしれない)
最終章だけは視点を変えるあたりは大したもの。
ホント凄い。
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中学生2年生の衝撃のデビュー作。
しかも第1話は小6、第3話は小4で書いた「12歳の文学賞」大賞受賞作。そのほかは書き下ろし。
小学校6年生の田中花実は母子家庭で父親の顔を知らないが、建築現場で働く明るい母に育てられしっかりした子に育っている。
第1話は声をかけられた不審者が、となりのクラスの子の別れた父親で、外国へ行く前に会いたいと頼まれて、休日に3人で会って遊園地に行く。
第2話はお母さんがスーパーのオーナーと見合いして断られ、花実は自分のせいだと思う。
第3話は仲良しの友達が中学受験前にドリームランドに行く計画を立てるが、お金がない花実は自販機の釣銭の残りを探し始める。
第4話は母子の恒例行事で銀杏の実を拾っていると、神社から七五三のお祓いをした友達が出て来る。
ここまでは花実の一人称で語られ、境遇に負けないけな気な思考にホッとさせられる。
第5話は隣の席の三上信也の一人称で、中学受験に失敗したため母親に憎まれて山梨の山奥のミッションスクールに追いやられることになるが、花実親子の温かさに触れる。
同じ女子中学生で大人びた創作を書く人を知っているが、この作者ともどもこれからどんなものを書くか実に楽しみだ。
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西原理恵子さんが表紙のイラストを描いて絶賛!という中学生作家の本。半信半疑で読んでみたけど、ホントに中学生がコレを書いたのかーと感心しきり。
しかも自分を書いたわけではないという。
工事現場で男の人に混じって真っ黒になりながら働くシングルマザーの母と、しっかり者の娘、花実ちゃんの話。
才能ってやっぱ有るんだなぁ。
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おもしろく一日で一気読みした。母親のキャラクターと、クールな娘の感じが西加奈子の漁港の肉子ちゃんと似ている。
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面白かったです。
しかし、ただただ驚きました。
体験談ではないとのこと。この執筆に本当に大人は絡んでいないのかと思ってしまうほど、驚きです。
才能豊かで、今後楽しみです。
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「さよなら、田中さん」鈴木るりか著、小学館、2017.10.17
254p ¥1,296 C0093 (2018.02.13読了)(2018.02.08借入)(2017.11.01/2刷)
小学生が書いた小説ということで、話題になっています。読んでみたいと思っていたところ、丁度図書館で見つけたので借りてきました。
現在は、中学2年ということですが、小学4年、5年、6年のときに3年連続で「12歳の文学賞」大賞を受賞している、とのことです。
5つの連作短編集の体裁になっています。主人公は、田中花実さん、小学校の6年生です。母親との二人で、アパートに住んでいます。親戚とか身寄りはないようです。母親は力仕事?で男たちに交じって働いています。収入はあまりないので、いろいろ節約しながら暮らしています。口癖は、「元が取れる」「買えば高い」「一山当てる」などです。
花実さんも明るく元気に暮らしています。お友達も二人いますけど、お金持ちなので、中学受験のために塾通いをしているので、なかなか一緒に遊ぶ時間は取れないようです。
大家さんのおばさんが親切で、親身になって付き合ってくれています。大家さんの息子さんは、引きこもりのようですが、たまに花実さんの相手をしてくれています。
母親の見合い話やお友達との話など、とても、小中学生の書いた小説とは思えないしっかりした文章であり、内容も生きることに前向きなものとなっており、恐れ入ります。
中学二年ぐらいで、生きることについてしっかり考えているのには驚きです。僕の場合は、高校三年ぐらいだったと思います。
死にたいとか言っている若者たちに読んでもらいたいけど、「死にたい」とか言っている人に本を読む余裕はないだろうね。
「さよなら、田中さん」だけは、語り手が、花実さんではなく、三上信也君になっています。花実さんはその同級生として登場します。
【目次】
いつかどこかで・・・・・・・・・・5
花も実もある・・・・・・・・・・・58
Dランドは遠い・・・・・・・・・・152
銀杏拾い・・・・・・・・・・・・・163
さよなら、田中さん・・・・・・・・182
●教養(70頁)
「学歴は今さらつかないけど、教養は後からでも身につきますからね」
●生きている(135頁)
他人から見たら、どんなに絶望的で最悪の状況でも、その人なりの希望があるから生きているんじゃないかな。たとえ針の先ほどのわずかな希望でも、微かな光でも、幻でも、それがあれば、何とかすがって生きていける
●でも生きている(174頁)
『でも生きている』、お母さんのボーダーラインはいつでもそこなのだった。大失敗したけど生きている、大恥かいたけど生きている、死にそうな目にあったけど生きている、とか。
(2018年2月猪20日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るくたくましいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで生きている。この母娘を中心とした日常の事件を時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で鮮やかに描ききる。「12歳の文学賞」史上初3年連続大賞受賞。5編からなる連作短編集。圧倒的小説デビュー作。
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いやぁ、るりかちゃん、すごい子だよ。
よく描けてる。
このオカン、私か?と思ってしまうくらい
共感しまくり。
それがこんな子どもっちが書いてるなんて。
まいったまいった。
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16歳までは普通作家にはなれないものだが、例外が出た…。
というより、ここも三年早くなったのか?
すんばらしくうまい!
はじめから完成されてる。
でも、主人公は確かに子どもだけど、うーん、これは児童文学なんだろうか、大人の小説なんだろうか。
でもなんでかあんまり取り沙汰されてないね。
うますぎる子どもはお嫌いですか?
って感じ?
でもって、小学生や中学生がこれを読むかっていったら、それもうーん、だな。
なので
ぜひ!!
次の芥川賞を彼女にあげて欲しい。
2018/02/23 更新
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田中花実は小学6年生。ビンボーな母子家庭だけれど、底抜けに明るいお母さんと、毎日大笑い、大食らいで過ごしている。そんな花実とお母さんを中心とした日常の大事件やささいな出来事を、時に可笑しく、時にはホロッと泣かせる筆致で描ききる。今までにないみずみずしい目線と鮮やかな感性で綴られた文章には、新鮮な驚きが