こんな読み方が・・・
2018/05/01 12:13
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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
辞書編集者の一風変わった小説の読み方を追体験する感覚でした。本の読み方は人それぞれですが、こんな読み方もあるのかと驚くやら、ある意味あきれるやら。物語の展開とハム県警に、文字通り文中の片言隻句にふと引っかかるというか、躓くというか。よくこの言葉の前で足を止めましたという思いの連続でした。また、気になった言葉の用法を確認する中から、時代時代で移ろう用法や解釈の変化に興味を引かれました。国語事典は、編纂事典での言葉の有り様を書きとどめますが、そんなことにお構いなく生きた言語は日々生々流転。辞書編纂に終わりはないのですね。
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「小説の言葉尻をとらえてみた」は現代の小説十数作品から、現代的な使い方の単語を抜き出し、単語の成り立ちや歴史を紹介する本です。
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(2018/4/14読了)
タイトルから軽い感じの本なのかなと思ってたけど、かなり真面目な本でした。たしかに、作者が言葉の専門家だからね。
読んだ本も何冊かある。流し読みしてるのか、そのまま受け入れているのでしょう。私はそこには引っかからなかった。改めて、根源や成り立ち、変化を知るとなかなか面白いね。
本として成立させるために、作品の中に入り込む形をとっているのが、私にはウザく感じた。この、ウザくも作者に聞かれたら何か言われそう。
(内容)
筋を追っていくだけが小説の楽しみ方ではない。そこで語られた日本語に注目すると、作者が必ずしも意図しない部分で、読者は、ことばの思いがけない面白さに気づくだろう。『三省堂国語辞典』編集委員である著者のガイドによって、物語の世界を旅し、そこに隠れている珍しい日本語、興味深い日本語を「用例採集」してみよう。エンタメ、ホラー、時代物、ライトノベル…。「旅先」となる物語のジャンルはさまざまだ。それらの物語世界に暮らす登場人物や、語り手の何気ない一言を味わいながら、辞書編纂者の目で謎を見出し、解き明かしていく。ことば尻を捉えているようでありながら、次第に読者をことばの魅力の中へと引き込む、異色の小説探検。
(目次)
プロローグ
第1章 桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ)
第2章 風が強く吹いている(三浦しをん)
第3章 残穢(小野不由美)
第4章 オレたちバブル入行組(池井戸潤)
第5章 チッチと子(石田衣良)
第6章 桜ほうさら(宮部みゆき)
第7章 横道世之介(吉田修一)
第8章 猫を抱いて象と泳ぐ(小川洋子)
第9章 マチネの終わりに(平野啓一郎)
第10章 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(伏見つかさ)
第11章 八日目の蟬(角田光代)
第12章 阪急電車(有川浩)
第13章 グラスホッパー(伊坂幸太郎)
第14章 ギケイキ 千年の流転(町田康)
第15章 チョコレートコスモス(恩田陸)
エピローグ
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んもうっ、飯間さん、好きっ。
プロローグ
第1章 桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ)
第2章 風が強く吹いている(三浦しをん)
第3章 残穢(小野不由美)
第4章 オレたちバブル入行組(池井戸潤)
第5章 チッチと子(石田衣良)
第6章 桜ほうさら(宮部みゆき)
第7章 横道世之介(吉田修一)
第8章 猫を抱いて象と泳ぐ(小川洋子)
第9章 マチネの終わりに(平野啓一郎)
第10章 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(伏見つかさ)
第11章 八日目の蟬(角田光代)
第12章 阪急電車(有川浩)
第13章 グラスホッパー(伊坂幸太郎)
第14章 ギケイキ 千年の流転(町田康)
第15章 チョコレートコスモス(恩田陸)
エピローグ
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2017.11.7読了。
読んだことある作品は再読したくなり、未読の作品は読みたくなる。
ただ、本筋から離れるから、作品の世界に入り込むのとは違った読み方になりそう。
再読で違う目線で読むのも面白いと思わせる。
自分は読書をする時、辞書をひかない。
読めない漢字、知らない単語に遭遇しても、前後の流れでなんとなく意味を分かった気になってるだけ。
調べることで、語彙を増やすという感覚は今まで持ったことがなく、読むリズムを止める考えには至らなかった。
ただ、少ないながらも時間をかかて読書をしているのだから、物語を楽しむプラス語彙を増やす読み方ができるといいなーと感じた。
通勤中が読書タイムだから、辞書アプリを入れてみようかなと検討中。
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面白かった!気になることばをとことん解説する。
誤用だなんだではなく、どうしてそのことばになったのかに注目。
ことばは生き物だって納得する。
小説の世界に飛び込んで、登場人物の言葉に聞き耳たてたり、さらに登場人物と会話までしちゃったり、新書だけど物語っぽくってとても読みやすかった。
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「ことばは生きている」を実感させてくれる一冊。どーでもいいような言葉をしっかりと見つめる姿勢に感心した。言葉に徹底してこだわった労作。好きな人にしか受け入れられない一冊です。
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ふだん何気なく読み飛ばしている小説の言葉づかいの面白さを感じさせてくれる。それにしてもさりげなく用例の確認をしているが、膨大な資料に当たっているわけで、感嘆する。それが苦ではない方がこういう仕事をされるのだなと思うと、ちょっと羨ましい。
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使われている言葉に焦点を当てるという視点がとても面白い。また、ひとつひとつの言葉について過去にどの小説で使われていたかが引用されていて、サラッと書かれていて読みやすいが相当な調査を元に書かれていることが伺える。
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面白かった。
言葉の採集という意味では
なんか変な使い方、と思うものも
興味深い使用例になっちゃって。
合わせて様々な用例が出てくるのも
感心したし、興味深かった。
三分の一は読んだことあったけど、
そんなこと全く意識して読まなかった。
言葉オタ的愛情にほっこり。
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言葉は生き物で、小説は時代を写す鏡。
国語辞典編纂者の著書が小説、しかも最近の本の中から、移りゆく言葉の用例採集をいていく。後書きに曰く、『物語を楽しむための小説の中で「ことばを発見する」という楽しみ』が伝わってくる。
よく「誤用」とされる語句があるが、著書は単に誤用と決めつけることなく、これは言葉の変化であると、古い小説や新聞などと併用して調べ、解説していく。作家の愛用句や斬新な表現が今後辞書に載っていく可能性など、考察の方向も様々。
言葉好き、辞書好きならワクワクできると思う。
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辞書編集者が小説の中から気になる言葉を拾う。この言葉は他でも使われているのか、いつの時代から使われているのか、この地方でこの言い方をするのかなど、言われなければ気にも止めずに流していることを深堀りしている本。面白かった!
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辞書編纂者による、「言葉探し」という視点からの、新しくて面白い「小説」の読み方。
言語感覚を磨きたい人に、うってつけの方法。
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言葉とは変化するものであり、辞書その他にないからと言って、単純に誤りとしない筆者の立場は正しい。とはいうものの、おれ妹では文庫版で修正が入ったようですが…
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本を読むときに知らない言葉や読めない言葉があったらどうしますか?
辞書を引く?ネットで調べる?それとも読み飛ばす?
私は辞書アプリ(新明解国語辞典)で必ず調べるようにしていますが、以前は漢字と前後の文脈でなんとなく意味を分かったつもりで読み進めていました。
この本は純文学からライトノベルまで15の小説の中に出てくる様々な言葉に注目し、言葉の面白さを紹介してくれます。
著者は国語辞典の編纂者ですが、言葉は時代とともに変わっていくものというスタンスであり、聞き慣れない言葉であっても決して誤用と断定はしません。
言葉を読み飛ばすことがどんなに勿体ないことか、言葉の奥深さ、魅力を垣間見ることができるそんな一冊です。