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ノーベル賞を客観的に概括的に知るとなんだか日本人は「ありがたがりすぎる」よノーベル賞…という感想です。
2017/11/23 03:03
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル賞の授賞式が12月10日行われる。ダイナマイトを発明したノーベル遺言で、その遺産で創設されたノーベル賞は、その人の命日にスェ―デンで授賞式が執り行われる。日本もここ数年物理学や化学、医学の分野で受賞者を出し、日本国内でそのたびに熱狂的に、なんだか日本国民が受賞の栄誉に輝いたように喜び合っている。「ノーベル賞」誰もが知っている「言葉」だが、本当に知っているのかと言えば心もとない。
本書は共同通信でノーベル賞を取材し続けた記者が、その舞台裏を表している。ノーベル賞そのものを知る上で、目から鱗が落ちるように、ノーベル賞の権威や威光に?マークがつくものである。特に、「平和賞」。私はアメリカのオバマ大統領が平和賞を受賞した時に「度肝を抜かれた」。たった一度のプラハでの「核のない世界の実現」を演説しただけでの受賞だ。一方で、アフガニスタンで軍事行動をしているのに。平和賞は極めて政治利用されている。今平和賞の候補として下馬評が高いのはスノーデンらしいが、アメリカに嫌われたくないノルウエ―は二の足を踏んでいるのだとか。そもそも国際的な賞なのにノルウエ―の政治家が受賞者を選んでいるんだから、さもありなん。自国に都合の悪い選択はしないだろう。しかも政治利用もされている。日本でも佐藤栄作元首相が平和賞を受賞した過去がある。非核3原則等の功績に拠るらしいが、受賞工作がまたすさまじい。結局米国との核密約で国内にアメリカの核の持ち込みを許していたというのは、アメリカの公文書公開で、最近公になった。
文学賞は、今まで割と受賞者に納得してきたが、しかし、選考委員は十数人に満たない人数で、どうやって選んでいるかと言えば様々な団体による推薦によるものらしい。しかも翻訳されていないものは読めないから、受賞国も偏る。世界的な賞だと思っていたら、スェ―デン人が選んでいるにすぎないのだ。
本書では、授賞式のセオリーや周辺の事象まで含めてノーベル賞を客観的に概括的に知るのに優れている。「へー」という「トリビアネタ」も満載です。なんだか日本人は「ありがたがりすぎる」よノーベル賞…という感想です。
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