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集中治療室の病人の物語by浅田次郎と言う訳で、面白く無いはずがないのです。
臨死体験中の主人公がしばしば地下鉄を利用するところなどは、名作と言ってよい『地下鉄に乗って』を思い出させます。ノスタルジックで薄暗く、でもその中に一条の光を当てて見せるような全体の雰囲気も似ています。浅田さんの原点回帰という言い方も見かけました。ファンタジー感があってちょっと意表を突く話の進め方(時制的に遡って行く)、主人公を取り巻く人々の描き方(幸遠かったり、叩き上げで頑張ってきた人生)、最後に来る得意の"泣かせ"、流石です。ただ一方で「余りに手慣れた」という印象さえ持ってしまいます。新聞の連載小説だからでしょうか、やや冗長な感じもします。
とは言え、やっぱり「良い話」なのです。
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生と死の狭間で、不思議な時間を彷徨う主人公。
人生を振り返り、また生への執着を取り戻す。
男性の人生観というか、主人公と同世代の男性が読んだ方が共感するのかも…
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孤児院で育った竹脇正一。
苦学の後、大学を出て、大手商社に入社。
65歳の退職パーティーの帰り、地下鉄の車両で脳梗塞で倒れる。
意識不明のベッドの中で、過去を振り返る。
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死の間際に見る夢か幻覚か不思議な体験、現実にありそうに思いながら面白く、考えながら読んだ。新聞連載小説であるが、全体構想が良くできている思う。
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出だしは期待できる本だなあ と感じながら読み進んだけど、やはりリアリティーに欠ける展開なので少し冗長な印象を受けてしまった。もちろん浅田さんお得意の昭和色がたくさん色濃く描けていて昭和世代には等身大に懐かしく読める。しかも終末間近な主人公の 様々な思いや周辺の人々との関わり等が繰り出されていて興味深い。
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ちょっとファンタジックな話。天涯孤独の孤児院育ちの主人公が、決して順風なだけではなかった半生を乗り越え、妻と娘を持ち、家を構え、孫も生まれて、退職の日を迎え、その日に倒れてしまう。重篤な状態で病院のベッドに寝ているはずが、次々と不思議な幽体離脱?体験が、、
ラストはちょっと希望を持たせる表現だから、命がつながったと思っていいのかなあ。
ファンタジックでウルっとする場面もあったけれど、全体的にはなんというか、男性目線の身勝手感の残るかんじ。不思議体験のナビゲーターが“魅力的な”女性ばっかりだったり、唯一の男性であるかっちゃんも、峰子を導くための鍵の役割だったんだろうし。
この時代の男性像らしいといえばそうだけど、妻のこともこどものこともわかってないんだろうなあという、そこはそれでリアルだったけれど。節子、トオル、武志、堀田、周囲の人物の半生ももうちょっと語られるとよかったな。
たぶん5-60代男性リーマンにいちばんウケよさそうな一冊。でした。
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浅田次郎流ファンタジー。
果たして、ファンタジーにする必要があったのか。
自分的には、正一と節子の生い立ちにスポットライトを当てて、話を進めた方が良かったのではないかと思う。
だが、最後にすべての謎が明かされた時は、切なかった。
母と子。
この関係に勝る絆は、ちょっとやそっとでは、思い浮かばない。
それが、確認できた。
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とてもよかった。泣けた。
昭和感満載の地下鉄。「メトロに乗って」ももちろん、昭和の地下鉄を描かせたら著者の右に出る者はいない。
その地下鉄を駆使しての、一人の男性の人生描写。現実と幻想が入り混じり、不思議な雰囲気をかもしだす。
ラストは「そうだったのか!」とすべての謎が一気に解ける。「少女が花籠を流れに押し出すように」という比喩に涙が止まらない。
難点といえば、「80歳」と言っているマダム・ネージュより「いくつか年下」のはずのかっちゃんが、同じ80歳で死んでいること。最後で明かされる母の干支も、マダム・ネージュの言ったものとは異なる。
母は80歳で死んだということ? でも「僕が65になればあなたは80」と繰り返し言っているということは、かっちゃんの年齢設定が間違っているとしか思えない。
こんな単純なことを編集段階で見逃すはずはないし、あるいは深い意図があってのことかもしれないけれど、最後まで疑問が残った。
「あれ以来会っていない」と言っていたはずのかっちゃんが、峰子に「おいらがおとうちゃんじゃだめか」と言っているのも不自然。
それから、ラストで息子が「幼稚園の玄関でそうしたように」行ってしまった、との描写があるけれど、家庭を振り返れないくらい忙しかった上に妻が専業主婦ならば、幼稚園の送り迎えはしなかったと思う。泣けるけれど、ここも不自然。
なので、☆は4つ。
もしも編集者が「大御所の浅田先生の原稿にツッコミなんか入れられない」と思ってのことだとしたら、それは職務怠慢以外の何物でもない。
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田次郎だから外れはないと思ってはいたが・・期待以上でした。まぁ、年代が近いから・・共感する部分多し。ラストも文句なし。幾つかの部分で、少し違うと感じたのはあれって思ったのは地域差かな?
分類では「地下鉄に乗って」に近い。いろいろと昔を思い出したが、登場人物も優しくていい。初恋の相手の場面は抵抗あったが、仕方ないんだろうなぁ~それも時代の1ページ。時代遅れの存在になった身には嬉しい作品でした、
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今までの「生」に関する価値観が少し変わったように思います。
母は、ともに幸せになるたった1つの方法をとった、それが最善策だったんだと、ボロボロ涙がでてきました。
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2019/10/17
そうきたか❗️
なるほど、年齢的にも合っている。
でもカッちゃんと一緒の病室っていうのは、都合よすぎ。作られすぎ。
自分の力だけで築いた人間関係は素晴らしく温かい。
人徳といえる。
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浅田次郎氏の昭和の地下鉄。
「地下鉄に乗って」「鉄道員」も好きな作品であった。
定年の日に倒れて、花束を持ったまま 病院に担ぎ込まれた主人公 正一(かずまさ)。
臨死体験のような話なのだが、、、、
最初は、同僚で、同じ社宅から、常務取締役になった男が、定年の送別会の帰りに倒れ 意識の戻らない竹脇正一を見舞うシーンから、始まる。
勝ち負けは、無いと思うのだが、人生って、神様の悪戯で、最後に、幸せを掴めて、全うできるか?、、、、と、思う時がある。
不幸の中の不幸と、幸せの中の不幸の違いは・・・
親の顔も見ずに、置き去りにされた男の赤ちゃんが、苦学をし、商社マンへとなる。
そして、彼は、両親の離婚後、縁の切れた娘と結婚するのだが、、、、2人は、どちらも、過去の話をしないで、彼の定年で、倒れる迄、何も知らないで過ごしてきたことに気付く。
2人の娘は、3人目を懐妊しており、義理の息子は、学歴も無く、年下であるが、優しい気持ちを 色んな所で、表れており、素敵な家族が、目の前に、出来上がりそうなのに・・・と、読み進んでいく。
主人公の正一が、昔に戻って、15歳の母親を見た時、20歳の時母が、35歳! 自分が40歳になれば、55歳! 65歳になれば、80歳に・・・・の意味が、読んでいて、理解出来た。
そして、幼くして亡くなった長男の春哉が、父親が、100歳になったら、地下鉄に乗りたい!と、、、
目を覚まして欲しいと、願いつつ、、、、、苦労のつり銭が残っていると、最後に描いているけど、幸せのつり銭であろうと、思う。
昨日、金田正一氏のお別れ会が、あった。
ず~と、「しょういち」、と、思っていたのだが、116ページで、「まさいち」さんであると、書かれていた。
親は、子供の名を、命名するのに、生まれる前から、思案するが、この小説では、大事な長男を亡くしている親を主人校にしている。
親は、子供より先に亡くなることを前提に考えているが、そうで、無い場合もあり、亡くした子の年齢も数える事だろう。
この作品では、臨死体験で、自分の母親と自分の年齢を数えている。
地下鉄で、置き去りになったけど、又、地下鉄から、生を受けて欲しい!と、思いながら、同僚、看護婦、幼友達、妻、娘、義理の息子、、、、、の一人づつの思いが、胸を熱くした1冊である。
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「椿山課長の7日間」がとても良かったので
似たような感じを想像していました。
椿山課長~の方は話がどういう方向に進むのか
流れがよく分かったのですが
こちらのは、どこへ行くのか分からない感じで。
途中は昭和感も強いし、もうちょっと上の世代の人が
読んだ方が共感できるんだろうなと思える内容でした。
が、最後は感動的に終わったので良かったです。
暗い話は嫌いなので。
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2020.02.28
なんていう本なんだ!最終章が良かったなあ、やっと繋がった。
自分の経験でも耳は聞こえている、間違いなく。呼吸が止まっても心臓は暫く動いている。それでも耳は聞こえている。やっとみんなが間に合って「もう良いよ、安心して。おとうさんありがとう。」そして義父は家族に看取られながら、今まで見せたことのない涙を一筋流して逝った。声を掛けてあげたいと思いがこの本でまた強くなった。
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『忘れざる人々のおもかげを胸いっぱいに抱えて、僕はもういちど地下鉄から生まれた』竹脇正一65歳、12月25日に定年退職、その日に丸ノ内線で脳内出血で倒れる。正一は父母に捨てられ、養護施設で育つが、持ち前の努力で一流企業で勤め、妻、娘と暮らす(息子は他界)。死の淵で彼は多くの人と話すことで過去を想い出し浄化する。その想い出の想起は最初は辛いものであったが、徐々に過去を受け入れる。母を受け入れ、妻を受け入れ、娘も、息子も、自分も。その傍には丸ノ内線が走っている、彼の想い出とともに。久しぶりに泣いた。