紙の本
どんな仕事でも工夫の余地がある
2018/03/14 13:58
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投稿者:ジル - この投稿者のレビュー一覧を見る
「書店員向けのマニアックな指南書。本好きが読んでもタメにならないし、精読する気にもならない。」と思ったが、読み始めたら、意外に真面目な本でビックリ。「どんな仕事でも工夫の余地があるものだと」感心した。「『まとめ買い』の客の購入図書からの分析」とあるが、『まとめ買い』客というのは多数を占めるとは思えないが...
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2017年53冊目。
1枚のスリップからの想像力・発想力に触れ、読んでいてとてもワクワクした。
枠にとらわれずにもっと自由に発想していったら、面白いことはもっとできる、と励まされる。
驚いたのが、スリップを状況把握のためだけでに使うのではなく、スリップそのものを現場に埋め込まれた店内のコミュニケーションのツールとして使っていること。
タイムリーな現場では、「次会った時に共有しよう」ではなく、見た人がまさにその場で把握できる、というのは大事だと思った。
棚の作り方もとても参考になった。
特に、お客さんの「うっかり買い」を促す手法。
・「テーマ」や「ジャンル」で複数の本をまとめるのではなく、「シーン」や「ムード」で提案する(例:リビングルームで聴きたいBGMを紹介した本を、芸術棚ではなくインテリア書籍と一緒に置く、など)
・「何でこの本が一緒に置かれているんだろう?」という「違和感」まで武器にする。「わかりやすすぎる平台は立ち止まってもらえない」「違和感はフックになる」
自分も「うっかり」買ってしまったおかげで「この本に出会えてよかった!」と思えたことは多い。
本屋さんに行く大きな楽しみの一つは、幅広く色々な本と出会うことで、自分でもまだ気づけていなかった潜在的な関心に気づかせてもらうこと。
いい意味での「飛躍」や「脱線」の演出の仕方のヒントがもらえた。
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書店のパートの仕事が楽しい。
レジでお客様が買われていく本たちへの愛情や、本当は「その本、私も持っているよ!○○が面白いよね!」的な会話をしたいが、黙ってレジ作業に徹する。
書店には多くの新刊などの書籍が届く。各ジャンルの担当者が、ただ並べるだけでなく、いかに売れるか試行錯誤して並べてゆく。
この本はスリップから本を売るため「棚づくり」の思考が事細かく実例で紹介されている。
現在、多くの書店がPOSで管理している中、スリップで売れる為の発想がでてくるなんて目から鱗である。
スリップとしての役割以上に、スリップに細かく筆者が書かれたメモが役に立つ。
例えば、「コロコロを大人に売る」は、
「文具王」と書かれたメモで、文具マニアが高じて文具ライターとなり、現在では実際に文具メーカーで開発者となった、文具王の愛称で知られる高畑正幸さんのことで、彼の著書に「究極の文房具カタログ」や「100%ムックシリーズ文房具完全ガイド」といったカタログムックが売れていた。
その売り場に小学六年生の男の子が書いた「文房具図鑑その文具のいい所から悪い所まで最強解説」を積んだところ予想以上に売れた。
とりあえずこの場所のテーマを「文房具」にしたところに、しょうどよく「ケシカスくん」の売上スリップが現れた。
そのスリップに「ヨシタケシンスケか大人のツボなのと近い?」とメモしてある。
大人の男性にとっては、くすぐられる心のツボが近そうだと感じた。ヨシタケシンスケまでいかなくても、ケシカスくんにももっと売れる可能性がある。
などといった実例が60も載っているのだ!
優しい店長が新人社員に「棚づくり」を丁寧に指導している何回も読み直したい教科書のような本だ。
実際の書店は忙しく、「棚づくり」の指導なんてしてもらえない(笑)
また、書店員ではなくても書店の内部の事がわかり、そそられる興味深い一冊である。
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書店の方がいかにして本を陳列されているのかよく分かりました。今度書店に行ったら陳列をもっとよく見ようと思います。
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本をどう関連付けて、ソリティアするのか。
図書館員の特集棚の作り方と通じるものを
感じた。
幅広い分野の本に対するアンテナがいるし
日頃から情報収集する気で、こことここは
絶対に見て回るというツールも持っていなければ
やっていけない。
ただ、この本は、目でだけ見ていても活用は出来ない。
一般の読書人にも使えるけれど、
手を動かさなきゃダメ。
例えば、ブクログのご自身の本棚を見てみよう。
アトランダムに並んだかのような本だけど
あなたの中で、この辺の本読んでた時は、こんな
ものに興味があったとか、この本とこの本は、いつも
チェックする分野だとか、ノートに署名で分布図を
書いてみる。思いついたことや、読了時に
気が付かなかったけど、今の自分にホットな
今話題の言葉や、類書のタイトルも書き足す。
もう読まないと思ったジャンルや作者も
理由のキーワードを添えて分布図にしてみる。
分布図見てて、まるっきり関係ないジャンルや
作者、話題の言葉やブク友さんの棚にあった本が
思い浮かんだら、それも書き込む。
さぁ、この時点で、あなたや私がぱっと思い浮かぶ
読書の傾向や関連タイトル、ワードは俯瞰できた。
(はず)
じゃあ、それを持って本屋さんに行こう。
ネット書店も見よう。勿論ブクログや、他の
読書サイト、はたまた新聞の図書広告、本の
紹介雑誌。お好きなジャンルの専門雑誌もいい。
TVやラジオも参考になる。
こんなのが今読みたい、ってわかってるから
気になる書名が飛び込んでくるだろう。
書店の皆さんが苦労して推してくれてるものも
好きなものがわかってるから飛び込んでくるだろう。
全然手に取らなかった本も、そこで一緒に紹介して
あるだろうから、試すのもすごく楽しいだろう。
面白くなかったジャンルも、強烈に残っている
だろうから、時に、その中で面白いとか
名著と言われてるのを、易しい言葉で書かれてる
ものから探して、再トライしてみよう。
案外、嵌まる可能性もあるのだ。
これ、ゆめゆめ美しく書こうなんて思わないでいい。
細かく、ラインマーカー上等。殴り書きでいい。
ノートをいたずらっこの気分でいろいろしてみよう。
時間がたつの、あっという間だから。
私、この本見ながら、大学病院の待ち時間で
これやって、朝8時から午後2時まで、飽きないで
楽しく過ごせた。
ただ読んでるだけじゃ、専門的すぎて
本屋さん以外は、ふーんってなっちゃうけど
こうしたら、本好きのバイブルみたいになる。
著者さま、感謝である。
実際に本屋さんに行く時、そのノートは持っていこう。
見開きで、左に分布図。右にいろんな、自分なりの
好き放題な呟きを書くと、あらよっ!
自前のお宝読書ツールの出来上がりってわけ。
さあ、本棚へその地図を持って、冒険に出よう。
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点を線でつなぎ、面で魅せていく仕事、なのかな。幅広い本への関心と知識が必要で、自分の興味関心の狭さを思い知らされた。
新聞の求人欄をチェックするという記述には驚いた。書店員は稼げるわけでも、世間からの評価が高いわけでもない。そういった仕事を誇り高くやっていくことの難しさ。プロフェッショナル仕事の流儀を持っているのに、誰も見向きもしてくれないもどかしさと虚しさ、悔しさ。それは、書店員でなくても、共感する職種、立場の人がたくさんいそう。
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期待したよりも専門的な(本屋さんで働いてる人向けな)内容が多くて、第3章はまるっと飛ばしました。
大半読んでないやんというツッコミが来そうだ…
本屋さんに行くことは良くあっても、レジと品出しと発注…とかしか仕事内容が思い付かなかったので、スリップの事も初めて知ったし、ましてやそれが色々な場面で使われている事も。
また本屋さんに行くときは、今日知ったことを思い出したりしそうです。
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書店員でもないのだけれど、スリップがどのように使われているのかたくさんの実例でその一端が分かります。棚づくりも工夫や仕掛け次第なのですね。勉強になりました。
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スリップをご存知ですか?スリップとは新刊本に挟まっている細い短冊のような紙のあれです。
長年書店に務めてきた著者によるスリップの活用方法が紹介されています。
現代では「POS」(販売時点情報管理)の普及によって、商品の販売時にレジでバーコードをスキャンする事で販売状況が集計されます。その統計を見ることで、どのような商品がどれだけ売れたのかの事実が容易に確認できるのです。
本書ではPOSのデータのみにとらわれず、スリップに書いてある情報をいかにして読み取るのか。そして、棚作りにどう活かすのかについて、100枚以上に及ぶ著者によるスリップへの書き込みをもとに解説されています。
本の内容としては書店員向けの実践法だが、売る側の思考が知れるので、本を手に取る側としての視点が広がりました。
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書店員がスリップ(本に挟まってる用紙)の意味や使い方について書いている本。
序盤は自身の体験談に基づいてスリップの活用にありつくまでの道のりが書かれている。その後は実務的な内容になるが、実際の書店員である著者の棚作りに対する考え方が見て取れるのが興味深かった。並べるの本の組み合わせ・発注のタイミング・客層の分析等々…。実在する書籍も紹介させるので、本屋を眺めているような気分も味わえた。知らない本も何冊か登場したので横展開したい。
一見して書店員向けの実務的な本だけど、本屋・出版に単に興味がある方が読んでも十分楽しめるだと思った。
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元書店員で、棚作りコンサル?のような仕事をしてしている著者の、スリップ読み解き術。スリップを活用して、本の陳列から売れ方までの流れを見たり、客がどのような思考の流れで合わせ買いしているのかを推測したりと、なんだか書店行動経済学的というか、エスノグラフィー的というか。
書店員ではないけど本に関わる仕事をしているので、確かに、データとして、よく利用されている本とそうでない本は見るけど、本同士の組み合わせとかはあまり意識してしたことがなかったなと自分を振り返るきっかけになりました。そのまま使えるワザではないとしても、応用できそうだななんて感じたり。
それにしても、書店で棚を見るときに、その棚の意図を色々考えてしまいそうだなー。そういう点でも面白かったです。書店員さんは実際、これをどう読むのかな?