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◎以下引用
★★いわゆる解読できない言葉ではあるのだけれど、そこからことばになる前の言葉、または詩のようなものを読み取れる
前近代的な遺制により枯渇しがちであった書の言葉の生命を自然に取材した鮮やかな文字の姿勢により再活性化する。
文字を自明の存在物として見ないで、別の表現の獲得を模索する。
文字を習得する前の段階にある子どもが、見様見真似で文字の形を象っても、その行為は書くという定義には当てはまらない、書くという営為の特質は、ある言語のシステム中身を熟知しつつ、そこに含まれる諸要素を自在に駆使するところに実現する
特定言語のシステムに回収され以前の線を引くことがドローイング
自然現象えお通して、忽然と表現の奥義を悟るものだ、最終的な解は、自然界に学ぶしかないという直感が隠されている
中国王朝のエリートが山野で老荘的なももに開眼したように、大沢兄弟は、大地の底にアニミズム的感覚の原質を掘り当てていく。
オトマトペは自然が立てる物音に人間が触発されるところに生まれる言語。できあがった文字の並びは恣意的な印象を与えるが、その裏に隠された響きは自然と人間がつながり合った場面を如実に想起させる。音による自然現象のかたどりが率直な仕方でなされている