三作目だが時系列ではこちらが先
2024/04/07 09:07
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
一作目から四から八年後の頃を描いている。
耀子と立海に龍治が絡んでくる。
一作目ではどうしようもない人のように見えた龍治の別な面が垣間見えてくる。
それがどこから来るものなのかというと、龍一郎や耀子の父の影響なのだろう。
努力して実現しようとしても潰されてしまった若い人たちの夢を知っていると、自分がいくら頑張ったところで祖父に潰されてしまうのだろうよ厭世的になってしまうのも仕方ないか。
ただ、自分はそんな葛藤があったからこそ、耀子と立海の幼いともいえるひたむきさを守り、助けたくなるのだろう。
耀子が龍治を受け入れたのはそういう懐の深さがあるからかもしれない。
そういうおとななひとが自分を求めてくれたら、それはもう小さな神様のように容易に近づけないと思っている存在とは違う存在になってしまうのもわかる。
若い人を平気で傷つけていく大人もいれば、大切に想っているけれど、それが伝わらないもどかしさに心乱れる照子もいて、複雑な気持ちになる。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヨウヨの方が年上で、先に大人にならざるを得なかったからね。
それかいいとして、なんで「地の星」の方が先に刊行されたんだか。
掲載順に「天の花」が先で良かったのに。
おかげで、先に「地の星」を読んだから、そっちは何が何やら分かんなかった。
「天の花」を後で読んで、ようやくつながった。
出版社の大間違いだよ。
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残念なことに「なでしこ物語」未読なのだけど、きっとこの順番でも大丈夫そうで、そしてまた「地の星」に行って「天の花」に戻ってくるだろう。
なんだろう。全部は知らなけどちょっと知ってるくらいで、そんなに感情移入もないくせに、なんとなく思い入れがある作品になった。
読み終えてまた読みたい。
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「なでしこ物語」、「地の星 なでしこ物語」と読みついだ人は、前作で耀子が立海ではない相手と結ばれていることを知るのだが、本書でその経緯が明らかになる。
というより、その間を埋めるために本書は書かれたようなものだ。
前作はむしろお仕事小説に近かったが、本書は一作目の叙情性を引き継ぐものとなっている。
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なんで立海でなく龍治と結婚したのか疑問でしたが、こういう事だったのね。
でも、でも、納得できません。
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この本で,耀子が,どのようないきさつで,龍治と結婚したかが分かります。
耀子としては,龍治に惹かれたことももちろんあったかと思いますが,立海に心を残しつつも,手の届かないものと諦めの気持ちもあって,龍治との結婚を決意したのではないかと捉えました。
このシリーズは先が気になってページをめくる手が止まりませんが,この本では耀子が酷い仕打ちを受けることもあり,読んでいて辛い面もありました。その意味では,「地の星」の方が前向きで,元気をもらえます。
このシリーズは続くとのこと,どのようにこれから物語が展開していくのか,とても楽しみです。
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<みそらの花を星と言い、地上の星を花と言う。星の天女がともした夜空の光は、朝になると花に宿って地を照らす。姿はちがっても光はいつも、ぼくらと、ともにある。>伊吹有喜 著「天の花」、なでし子物語№3、2018.2発行です。大作です。№1は小4の耀子(ヨウヨ)と小1の立海(リュウカ)の物語。№2は20年後の耀子を描いたもの。そして本作№3は、耀子が中2から高3、そして結婚までの物語。耀子に対する立海と龍治の思いが交錯します。再び№2を読み返したくなりました。著者の思惑なのかもしれません(^-^)
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初出 2013〜14年「asta*」
「なでし子物語」シリーズ第3作で、第1作と第3作の中間の話らしい。もっとミステリーっぽいのかと思って読んだが、今ひとつスッキリしない。
ヒロイン間宮耀子は、大地主遠藤家の屋敷「常夏荘」の使用人長屋に住む高校生で、亡父は当主の孫龍治の家庭教師であり、祖父は山林の管理人をしていたが亡くなり、遠藤家の庇護を受けている。
龍治の年下の伯父で、当主が愛人に産ませた立海とは年も近く幼いころからの仲良しで、中学生の立海が常夏荘に滞在していた時の物語がこの巻のメイン。
遠藤家の庇護で大学に進学することをよしとしない耀子は、自分を捨てた母親を頼って横浜に行くが、母親が借金の形に娘を風俗に売っていてピンチに陥ったところを龍治に救われ、結婚するという意外な展開で終わる。
耀子はそれでいいのか?と思ってしまう。
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大好きなシリーズ第3弾。
第2弾を読んでふつふつと沸きあがる数々の疑問の、答え合わせのように読み進めた。
前回度々出てきた「耀子中学2年生夏の出来事」。そんなことがあったのか…としみじみ思う。
あの夏は耀子と立海にとって子供でいられた最後の時間だった。
思春期の、他より大人びた女子にとっては大人の男性は憧れの対象。龍治の大人のフェロモンにときめくのも仕方がない。
それに比べて立海の子供っぽさは…立海には悪いが勝負にならない。
「龍治、おじさんがお友だちを見つけてきてあげたからね」ってそもそも立海が耀子を龍治に紹介したんじゃないか!
早く大人になりたい、と口癖のように言っていた立海。大人になんてならなきゃ良かったね…。
あの夏の約束、耀子はもちろん忘れた訳ではないのだけれどね…。
次回第4弾、耀子と立海の微妙な関係にますます目が離せない。
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このシリーズは登場人物がみんな優しい.気持ちが空回りしたり届かなかったりするもあるが,相手のことを大切に思う愛が強く心に響く.リュウカ君とヨウヨの幼かった思いが花開くことを願ってたのに,(前作でそうはならなかったことが悲しかったが),この本を読んで耀子の危機に颯爽と現れ助け出してくれる龍治に惹かれるのも仕方ないかな.そして,龍治の孤独の深さを知ると,彼にも守りたいものがあることが嬉しかった..
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前作で出てきた「あの夏の出来事」が描かれた本作。
リュウカの中学生にしては幼い、純粋さが切ない。
少しだけ、少しだけ先に大人になるヨウヨ。
「あの夏の出来事」がずーっと続けばいいのにと思わずにはいられない。
おかしなもので最初の「なでしこ物語」を読んで
龍治ってもっと嫌な人だと思っていた。
なので、二作目は「なんでぇ」と思ったのだけれど。
彼には彼の物語があるのだ。
当たり前だけど、見えているところだけが人の全てではない。
「何もかも承知で好きなんだ」なんて言われちゃうとね。
携帯もパソコンも一般的でないこの時代。
時代背景は昭和の後半なんだけど、
峰生という場所はもっともっと昔のような気がしてしまう。
って言っても、若い人には生まれる前の話だもんなぁ。
充分昔の話かぁ。
次作が楽しみ、だけれど、読むと終わっちゃう(多分)・・・もどかしい。
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遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。
幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は寂しい境遇にあっても、周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。
18歳になった耀子は、誰にも告げずに常夏荘を出る。
バスの中、4年前のあの夏を思い出す。久しぶりに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々―。
・・・「なでし子物語」の続編「地の星」をすっとばして、こちらを先に読んじゃったけど、大丈夫かな?w
まさか、ヨウヨ(耀子)にこんな未来が待ち受けていたとは・・・。
それにしても、竜治カッコいいなー♡w
私は断然、竜治派ですwww
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なでし子物語を読了後、「地の星」が次と思ったけれど、順番的にこちらが時系列に沿っているとのこと。すぐに「天の花」を手にとった。
2人が離れ離れになってから、少し経ったところで物語が始まり、とても自然に入り込めた。まさにこの巻で展開が、そして運命が、大きく動いている。
相変わらず立海は一生懸命で可愛らしく、守ってあげたくなるね。一方で、今までは冷たいやつという印象しかなかった龍治が、優しさもあり繊細でミステリアス、独特の魅力を放っている。イイ男だとは思う。
そしてしょうがないけれど、圧倒的に“大人”でしたね。
ひやりとするような危うさがあるけれど、それでも。(いやそれがまた魅力?)あんな救出劇まで繰り出して、この時点では確かに立海には勝ち目ない……
(ただ、龍治は耀子に“女”として惚れたというより、彼女を守る為に籍を入れたような気もしてる)
そして最後は子どもまでいるとな!
まさかそこまでの展開になろうとは。
龍治も悪い人ではないけれど、今まで立海と耀子の強い繋がりを見守ってきた身としては、このままでは終わってほしくないという気持ちが捨てきれない……
特に立海の心情を思うとつらい……もやもや。
次巻、「地の星」へ。
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「地の星」を読んで、なんで耀子は立海じゃなくて龍治を選んだんだろう、と思っていたけど、こんなことがあったのね。母に捨てられ、誰かに大切に思われるということがどういうことかわからない、と語った耀子に、君は宝物だと龍治が伝えるシーンが好き。泣いている立海と耀子を海までドライブに連れて行った龍治が好き。この本を先に読んだら、「地の星」の印象も変わったかな。「何もかも承知で好きなんだ」
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なでし子物語の三作目。
二作目でいきなり耀子が結婚して常夏荘の女主人になったり、スーパーでの奮闘記になったりえらく話が飛んでるなと思ったら、ここでまた話が戻るんですね。
唯一の保護者だったおじいちゃんが亡くなって、大学進学を控えた耀子はお母さんに会いに行くんです。
何を今さらと思うんですけれど、こつこつおじいちゃんが貯めていたお金を母親に貸していたらしい、そんなこんなの事情を知り、合いに行ったんですね。
それまでは、久しぶりに戻った立海と過ごす楽しい時間、二人の間に微妙に絡む龍治、穏やかな日常が続いていたように見えていたのに・・・
龍治との結婚に至るいきさつや少しづつ見える父親の
面影など、より掘り下げた内容になっています。
あ~そうなるか~という感じです。
そして物語はまだ続くみたいです。
立海君、挽回できるのでしょうか?