紙の本
良いものを読んだ気分になれる。
2018/01/14 19:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
寓話のような、それほどハードでないSFだが、丁寧に作り込まれているので文学というか良いものを読んだ気分にさせてくれる。表題作も良いが、人工知能と自動運転を真剣に考えた最後の中編も面白かった。長編も良いが、著者は短編もいいね。
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粒ぞろいの短編集。「アリスマ王」が一番好みだけど、ラストは好みが分かれるところか? 書き下ろしのリグ・ライトも良い。自動運転の法制度整備が盛り上がる中、非常にタイムリーな一編では。
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車載AIから太陽系内に人類が広がっているような世界まで、いろいろなタイプのSFが詰まってます。表題作の「アリスマ王の愛した魔物」は数学、統計、コンピューターあたりがテーマですが、こちらはファンタジー色が強いかな。
個人的には「星のみなとのオペレーター」が一番好きかな。
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短編集。久しぶり。らしいといえばらしい、人外の存在が
アピールしまくりのSF。
アイデア勝負な部分がSFにあったりするけど、アリスマ王の作ったのっていってしまえばコンピューターだよなぁ。
ありとあらゆる数字をいれているのであらゆる事象についても計算できるって理屈が意味不明だけど。
数字崇拝者にはわかるのかなぁ?
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一編目「ろーどそうるず」
あるバイクの制御知能とその一生の話。
秋山瑞人の陸海空3部作に「漂った男」テイストが混ざったSF。
人工知能の一途さに感情移入する系の話。
面白いのは、全編制御AIと管理AIの通信だけで成り立っていることと、カメラもマイクもなく加速度・傾き・荷重などの車両ステータスだけで周囲を把握して(44kgの荷物を荷台に載せた→デートだな)進むこと。
健気なAIモノ好きですよ。
しかもちょうど「プラネタリアン」をAmazonプライムで観たとこ…。
第二編目「ゴールデンブレッド」
小惑星国家(住人500人)に墜落した戦闘機パイロットの異文化コミュニケーション。
純和風文化の住人たちはカリフォルニアっぽい白人で、侵略者たる西洋文明至上主義者が黒髪黒目。
でかドラム缶をくるくる回して遠心田んぼでコメを作る。
異邦者が受け入れられていく感じガルガンティアっぽい雰囲気。
語られない歴史の中で、文化がどんな風に変遷してこの小惑星にたどり着いたのかなー、と想像させてくれる。
第三編目「アリスマ王の愛した魔物」
おとぎ話として語り部が語る、数に憑りつかれた醜悪で天才の王様の話。
王は算廠という人力コンピュータ(大量の人がCPUの代わりに単純計算をあっちからこっちへ受け渡すという気の遠くなる壮大な建物。パーツたる人は脳の使い過ぎで熱を持ち死ぬ(!))。
モーニングの「はじめアルゴリズム」みたいな話ではなく怖い昔話みたいな雰囲気。
国中のあらゆる数字を集めて計算すると、世界戦略が出てくるというところがお伽噺っぽさを増している。
第四編「星のみなとのオペレーター」
小説と音楽のハイブリッドなイメージアルバムの片割れ?の再録、のようです。
小惑星都市の宇宙港オペレーターが、「太陽の簒奪者」っぽい系外侵略自動機械の脅威に立ち向かうお話。
今はやりの太陽系開拓と言えば小惑星帯ですよ。
ページ数(80P)に反してボリューム感あり。
第五編「リグ・ライト-機械が愛する権利について」
AIが発展して、レベル4~5の自動運転車が販売されている未来。
人間にしか見えないし会話もかなりのところ通じるAIとひたすら対話して、知的生命への第1歩の予備動作の神経信号を発しそうなAIを描いた中編。
話の発展先が、まさか、というセンスオブワンダーで素晴らしい。
勝手に「AIの遺電子」前日譚くらいの気持ちになっている。
どれも甲乙つけがたく好きだけど、最後のが一番好きかな。
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久しぶりの小川一水。
表題作が読みたくて買ったのだが、他の短編も面白かった。正直、熱心な読者ではなかったのだが、たまに読んでみるといいなぁ。
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AIが頑張ってる近未来もの、スペースオペラもの、そしてズ~ンと表題作のカウントファンタジーw
小川一水の色々が楽しめる作品集でした。
バイクのAIが頑張るのはNOVAで既読だったけど、一番好き。
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短編集でてるんだ、と購入。
ろーどそうるず
なんか、泣かせる話。型破りな彼?を一番認めて支持していたサポートって構図が泣かせる。バイク冥利に尽きるって感じのラストでしたね。
ゴールデンブレッド
少年戦闘員が農耕部落に落ちて生活するって話。ガルガンチュアだかそんな名前のアニメは船に落ちたな~なんて思いだしました。米が美味しく感じられるのに必要な要素があるんだなぁなんてぼんやり思いました。
アリスマ王の愛した魔物
最後の願いましてが反則(笑)。愉快愉快。
演算を機械ではなく人間が行うとしたらそれぐらい大掛かりな規模の施設が必要なのかなぁ?
星のみなとのオペレーター
すみれがスマイルってなんか可愛い。これもなんとなくですが士郎正宗のOrionをふっと思いだしました。いや、お話じゃ無くてヒロインが片思いしてる感じが。
リグ・ライト
人間が機械に愛着を持つことはあるけれども機械の方が人間に好意を持つことはあるのだろうか?打算ではなく?でも人間だって打算的に人や物事を好きになることはあるのだし…と考えると難しい。とりあえず祖父と女の好みが似ていたってのは愉快。遺伝するのか?そんな事まで(笑)
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車、バイク×AIの話が多かったなー。完全に作者の趣味が出てる気がする。全編通して、軽い読後感。「星のみなとのオペレーター」が可愛くて一番好き。
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5編ともどれもアタリな短編集。もともと自分的には短編はあっさりとして読みごたえが感じられず好みではないけれど、これは全部良かった。初っ端の『ろーどそうるず』から掴まれた。ついホロリと来てしまったよ。
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短編5作。
AI。実際どうなんだろう。わかんないけど、実体を伴ってしまうと感情移入しちゃうんだろうな。
「ろーどそうるず」なんて特にね。
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最近AIって言葉があまりにも広義に使われててちょっとついていけないのですが、SFとして読むと楽しい。
書き下ろしのリグ・ライトは、機械を愛してしまった人の話だと思ってよんでたら、愛してしまったのは機械のほうだったってとこがよかった。
ハヤカワJAは買うのが比較的恥ずかしくないラノベで助かるなぁ(ラノベじゃないとは言わせない)
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SF。短編集。
「ろーどそうるず」のみ既読。
5作品、それぞれが違ったテーマ・雰囲気、なおかつ全てが面白い。
短編集はこうであって欲しい。
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今後のAIとヒトの関係性はどうなっていくのか、名付けることも難しい偏執・主体、優しい少し不思議なできごと、いろいろなテーマが綺羅星のように散りばめられて素晴らしい体験をさせてくれました。ありがとうございます。
今後も楽しみにしてますので、何卒お体をお大事に。
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バラエティにとんだ短編集。
バイクのAIの話は、涙なくして読めませんでした。どなたかも書かれていますが、
健気。
そう、健気なんですね。AIたち。
あと。
表題作も、ファンタスティックな感じで魅力的でした。
アリスマ王を虜にしたあの従者の正体が、本当に算術の精だったのなら、
その姿が美しすぎるのも、人を魅了してそれ故に自滅させるのも、なんとなく、すっと腑に落ちるなぁ、と。
数学って、そういう側面があるように思います。
まぁ、数字に弱い人間(私とか)にとっては、虜にされる前に頭が痛くなって、ノーサンキューなんですけど。
全体的には、どのお話も、読後が爽やかで良かったです。
先行きに希望が持てるような。何か、良いことが彼らを待っているような。
まぁ、表題作は、アリスマ王狂気の一代記(?)みたいな感じの話なので(だって、世界征服なんのためにしたのー!?みたいな。楽しかった……んだろうけども。数えて計算するのが……)ちょっと例外ですが。
それでも、淡々と王の最期が語られた上で、あちこちにご落胤を残しちゃった5番目の兄王(の、末裔?)が、落としてくれてますからね、イヤな気持ちにはならなかったですね、なんかね。