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鎌足から五摂家成立までの藤原氏の動向。奈良時代の政争が詳細。北家御堂流とそれ以外の主な庶家についても子孫の動向など。院政期が好きなのだが、近臣や奥さんたちも遠い藤原氏の一族。鎌足や不比等から始まって、朝廷や日本がほとんど藤原氏で占められる(血縁の有無の真偽は別にして)のは壮観かもしれない。
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正直に言えば、恐ろしくつまらない本。めりはりもなく、ただただ藤原氏の系譜を紹介しているだけ。
学術的には価値があるだろうし、参照文献も細かく紹介されていて、ああ、あの人の研究分野だったのね、とわかる。
とはいえ、最後まで読み終えて特に感想のわかない本。わかるのは藤原氏っていうのが日本の権力の周りにずっとくっついていたのね、ということ。その粘りについてはよくわかる。
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面白かった。一応(伝説上の)ご先祖も出てきたし。それはそうと、一部の文系寄りの本て、「根拠は私がそう感じた」みたいのが結構あって、論理を追えなくなるのですが、そういうことがない本は私にも読めるのかなあと思ったり思わなかったり。
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古代日本を語るには不可欠の藤原一族の栄枯盛衰を描く。
小説ではないのであくまでも事実を淡々と箇条書きの如く書き並べていく感じ。
中臣鎌足から始まり、天皇家と絡み合いながら武家政権勃興まで。細々と江戸時代終焉まで続くけどその辺は大雑把。
私も殆んどスルー。大筋においても話が細かすぎていま一つ読み物としての面白みには欠ける。最後まで読んだ自分を褒めてあげたい。
マニア向け。
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以前読んだ「藤原道長の権力と欲望 御堂関白記を読む」
がムッチャ面白かったので。
他の方の評価にもあるように今回は淡々とした内容で
面白いとかそういった感じではないかな。
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藤原氏という古代から中世にかけて日本の中心にいた一族。中臣鎌足の話はあまりにも有名ですが、そこから始まる藤原氏のことについてははっきりとした一本として把握できていませんでした。日本史の中ではところどころにその名前が出てくるので、政治組織には絶えることなく続いていたのだとはわかるのですが、その実態はあまりにも広大で良く分かっていませんでした。
鎌足の子供の不比等があり、そこから四家が起こり、平安時代に道長などが栄華を誇り、その後武士の世の中になり、近衛家、九条家に別れ、さらに五摂家になり・・・という日本史にところどころ顔を出す藤原氏。その間を埋める、藤原氏の流れを、本書を読むことで把握でき、少しすっきりとしました。
ただ、読んでも読まなくても分かることですが、藤原氏は広大に膨らんでおり、とても全体を把握しきることは不可能です。できるだけそれに挑戦しようとしたところに、本書の価値はあると思うのですが、同時に読むものに忍耐を強いるものでもあると思います。日本史の古代と中世についてあらかじめ勉強しておかなければ付いて行きにくい、前提として知っているはずで勧めてくる部分もあります。中級者向けと言えるものではないでしょうか。
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藤原氏がその盛名を近代まで永らえさせた理由とは何だったのか。
大化改新の「功臣」であり藤原氏の祖・鎌足でも「摂関政治」の頂点を極めた道長でもなく、律令国家整備の立役者だった二代目・不比等こそが藤原氏繁栄の礎を築いたプロデューサーだったと著者は指摘する。
平安期と比べれば、白鳳〜奈良朝までの藤原氏は未だ未だ不安定な存在。氏族としてのスタートが鎌足一人で、後継者も不比等以外に官途に付く子弟がいない状態。著者も言うように鎌足だけの「一代限り」で絶えてしまうこともあり得た訳だ。
そこで鎌足の功績を「人臣最高クラス」と顕彰した上で、父祖の経歴が子孫に「下駄を履かせてくれる」蔭位制を鎌足直系である自身の四子(南家・北家・式家・京家)により有利に働く制度として導入する一方、姻戚を通じて天皇家と「ミウチ(血縁)」となり、自らの血筋による皇統維持を願った持統太上天皇との協力関係を築き上げた。この二つの手法が藤原氏の権力掌握のロールモデルとして機能していく。
事実、不比等没後に四子が揃って天然痘で亡くなったり、仲麻呂(恵美押勝)の失脚など権力中枢に不在の期間がありながら、その都度権力の座に返り咲いたのは、不比等の制度設計が有効に働いた証拠と言えるだろう。
不比等の深謀遠慮とその仕組みを活かす人材の登場もあって栄華を極めるに至った平安中期、藤原氏とは距離を置いた上皇の登場と王家・藤原氏共に内紛を抱えた院政期、その混乱から生まれた武家の時代へと移り行く中、氏長者の資格を持つ「五摂家」から院政を支えた中下級官人に至るまで、藤原氏一族の家格と家職がそのまま朝廷の秩序として江戸時代まで受け継がれていくことになる。
「おわりに」で記される藤原氏各流派を眺めれば、帯に「日本史の真の“主役”」とあるのも頷ける。これほど枝分かれしながら、且つ多くの家名が残るほど栄えた一族は例を見ないのだから。
本書では語られなかった中世藤原氏一族同士の激しい就職活動や暮らし振りについて、同じく中公新書『日本史の森をゆく』の「中世一貴族の慨嘆」「貴族の日記と朝廷儀礼」辺りを読まれるのもお勧めです。
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鎌足に始まる藤原氏。古代国家の成立過程から院政期、中世に至る一族の動きをたどり、いかにして権力を掴み、後世に伝えたのかを描く
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大化の改新で功績があったとされる藤原鎌足に始まり、天皇家とのミウチ的結合を基本戦略として日本古代・中世政治史の中で中心的役割を果たしてきた(その後近代史に至る中での時々政治の表舞台に顔を覗かせる)氏族である「藤原氏」について、主に古代国家の成立過程から院政期、そして中世の成立までを舞台として、どのようにして権力をつかみ、それを形を変えながらも後世にまで伝えていったのかを描く。
本書を読んでいて、藤原氏の歴史をたどることは、まさに日本古代・中世政治史をたどるのとほぼ同義であると感じた。日本古代・中世史の良い復習になった。一方で、同じ「藤原氏」といってもそれぞれの家系や人物により、悲喜こもごも、それぞれの時代でその境遇の差が大きかったのだということも感じた。
藤原氏というあまりに大きな存在を扱っているので仕方ないのだが、登場人物が多すぎ、読んでいて親子関係や姻戚関係などについて、頭の中で混乱した。また、比較的広範囲の時代を扱っているので、大きな流れを俯瞰するのには良いのだが、一つ一つの人物やエピソードの記述は薄いので、そこは別の専門書等で補完する必要があるだろう。
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歴史上の藤原氏の歩みを、始祖鎌足から中世までを中心に辿る一冊。摂関期までの権力の推移を眺めるのも面白いが、時代と共に拡大を続ける氏族の全体像に圧倒させられる。
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藤原氏の起こりから中世の諸家分立について概観しています。摂関政治の発展によって衰退した御堂流以外の藤原諸氏が、院政期には上皇と結びついて権力を高める、というのは大変興味深く読みました。
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中臣鎌足に始まる藤原氏の系図。
不比等から四家の分立、天皇家と一体化した摂関時代まで権力中枢を占めつづけます。
武家社会でも五摂家をはじめとした諸家は、枢要な地位を占めており、末裔は近代以降も活躍してきました。
藤原氏千年の動きをたどります。
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藤原氏の始まりから中世に至るまでの血統を事細かに解説してくれる。中世以降の分流についても記載があり、幕末、明治維新、昭和史にも藤原氏の血統が影響することに驚くばかり。天皇家の動向を左右するだけの力を持ったのに、天皇家に取って代わろうとしなかったのは何故? それとも取って代われなかった?
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藤原氏がどのように誕生し、貴族の中で揉まれ、他のライバルを蹴落とし、天皇家と密接に結びつく過程を描く。権謀術数の歴史。
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鎌足の創始から武家の時代まで、日本の政権の中枢に関わり続けた藤原氏。
時間の広がりと、空間的な広がりの中で一族の盛衰を追うのは大変なことだろう、と素人でも想像がつく。
とはいえ…正直、自分はこの本の真価があまりよく理解できていないに違いない。
膨大な人の羅列。
簡潔な説明が添えてあるのだが、あまりにも人が多すぎて、今何が問題なのか、だから何か、見失ってしまうことがしばしばあった。
この調子なので、読み終わるまでかなり時間がかかったし、率直に言えば苦痛でもあった。
あのベストセラーになった『応仁の乱』でもかなり苦しんだことを思い合わせると、自分には歴史学者の方の地道な文章を読みこなす力がないようだ。
多少知っている平安中期以降は、幾分読みやすくなったことを考えると、やはり絶対的な予備知識不足が原因だと思うけれど。
五摂家と家格、家業など、中世以降の話は、今回しっかり理解が整理できた気がする。