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宗教は何のためにあるのか。
人を救うためだ。幸せになるためだ。
釈迦も、キリストも、ムハンマドも、その大情熱から人に法を説き、その弟子たちがその教えを世界に広めた。
だが、その宗教者が人を殺した。猛毒のサリンを通勤電車に撒くという、想像もつかないようなテロ行為を行った。
1995年5月16日。
麻原彰晃こと松本智津夫が逮捕された。
人類史上に例を見ない凶悪な犯罪の解明のため、取り調べが進んでいく。
だが、あってはならない捜査情報の漏洩が度々発生してしまう。
警察の威信が地に落ちていく。
「かつての公安部にこんな情報漏れなんてありましたか? 現場の多くは命懸けで仕事をしているんです」
「上を信用できなくなったら現場は死んでしまいます。大げさでなく、本当に死人が出るかもしれない。それが警察捜査の現場というものではないでしょうか」
その後警察を辞し独立した主人公は、事件の調査のためロシアと北朝鮮に赴く。
そこで知るのは驚愕の事実。
欲望に狂った宗教指導者と、世間知らずのエリートたちが巻き起こした平成最悪の事件。
結局彼らも、更に強かな巨悪に利用されただけだった。
出家などしても人は幸せになれない。
日々、現実と格闘していくしかないのだ。
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下巻読了。
中巻読了時から感じていたが、下巻では事件当時の警察内部の状況を中心に、ほとんど著者の自叙伝として描かれてしまっている。
これはもう小説とは言えないのではないか。
後半に出てくるオーム資金源としてのロシアや北朝鮮が関係する部分を発展させ、フィクションとして創作されれば面白いミステリになったと思われるだけに本当に残念。
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最終巻。オウム事件をモデルにした物語。作者自身が警察OBであり、事件の真相をより近くで知る人物だからこそ、描かれる物語にはとても臨場感を感じることができた。オウム事件が社会に与えた衝撃と恐怖。そして、この事件の発生で屈辱に滲んだ警察の奔走と複雑な組織体制。騒然とした風景が目の前に浮かんできた。
もうすぐ平成も終わる。それを前にして麻原をはじめ教団の重要人物が死刑に処せられたものの、平成の世を恐怖に陥れた衝撃的なこの事件の記憶に終わりが来ることはないだろう。
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最後まで興味深く読めた。
固有名詞は置き換えられてはいるものの、自分としてはオウム真理教事件の記録簿を読むような心算での読書となった。(おそらく、多くの読者が同じだろうけど)
どこまでが事実に即した描写でどこからが創作なのかは不明・・・だが、なんとなくではあるが、「あの事件」の流れを知れたつもりにはなれた。
★3つ、7ポイント半。
2018.09.18.新。
※やはり、自分には濱嘉之 作品は合わないのかもしれない・・・・上巻ではなりを潜めていた「紙芝居っぽさ」が、いつの間にか復活していて・・・・。
上記のように「オウム事件の解説書」というつもりで読むにはかなり貴重な情報が満載の一冊であるにもかかわらず、中巻の中盤以降は「小説」を読んでいる感じが全く感じられなかった。
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何かの本の後ろで紹介されてて読みたかったもの。旅のお供に。つーか、こんなに面白そうなのに何このレビューの少なさ。めちゃめちゃオウムだった。元公安の人だそうだ。どこまでが本当のことなのか。自伝的な感じだけど、それにしては鷹田が立派すぎるような。こないだNHK未解決事件で見た警察庁長官事件のあの自首?してる爺さんのことはあっさり否定されてた。そうなのか。しかし警察もオウムも登場人物が多くてついていけないというか。メモ取りながらじゃないと分からん。上巻はすごく面白かったけど、だんだんつまんなくなった。オウム事件のことも中途半端な感じで終わったし。何か消化不良。結局オウムがどうしてあんなに大きくなったのか、解明できないのか。死刑が実行されたせいか、各局オウム関連のドキュメントが出てるような。私のHDにも溜りにたまりまくっている。この本のことが頭に残ってるうちに見なきゃ。
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実際の事件も終結したとは言えない何とも言えない終わりを遂げたけれどこの小説も同じような結末だった。
おいてけぼりをくらったような、心もと無さを残して立ち尽くすような感覚。
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概ね事実なんだろうと思う。でも、小説の形をとっているからこそ、解決してほしかったなー。最終的に警察内部の権力構造の話になってしまったのが残念だった。偽ドル札の話とかもっと荒唐無稽に膨らませてもよかったのでは、と思ってしまう。
ただ、こういう形で一つの真実を世に出してくれたことは意義があるのかもしれない。後世の研究が待たれる。