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ううむ、つまらなかった。
料理もただレシピを写した感じで
美味しそうに感じないし
メインのストーリーもぼやっとしている。
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トラットリア・ラファーノ、イタリアの大衆食堂『西洋ワサビ』。そこを舞台に繰り広げられる三角関係。料理は美味しそうだが、三角関係はこれでいいのか?勿論、最終結末はこれでも良いが、そこに至るには、もっと色々あるんじゃないだろうか。
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トラットリアとは
イタリアンスタイルの大衆料理店。
ラファーノは西洋わさびのことをいうようだ。
タイトルは主人公が勤めるお店の名前。
「レストラン・西洋わさび」といったところか。
お客様の人生にささやか刺激と楽しみ
を添えられるようにとの意味からつけられた名だ。
オーナー兼シェフは実の兄、妹も厨房で働き、
主人公は主にホールを担当する。
レストランの描写、料理の描写が詳細だ。
兄弟のレストランにかける想いが伝わってくる。
料理から立ち上る湯気が見えるようで、
イタリア料理が食べたくなる。
レストランがある場所は神戸だ。
適度に猥雑で、適度にお洒落な
レストランの雰囲気によく合っている。
いや神戸の街にレストランが合わせているのか。
そんなイタリアンレストランを舞台に
繰り広げられるのは
懐かしい同級生たちとの三角関係だ。
かつて気になっていた人。
かつての部活のパートナーであり親友。
その二人の間で揺れる。
レストランの現実的な世界と、
かつての同級生とのノスタルジックな想い。
なんだかふと夏目漱石を思い出す。
誠実に生きる者たちの物語。
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2022.5.21読了
料理と記憶は、体のどこで繋がるのだろう。
例えば自分は、高校生の時に初めて食べたザッハトルテの味を今も思い出す事ができる。
味の記憶は、体のどこに蓄積されるのだろうか。
この作品を読んだ時、ふとそんなことを思い出した。
神戸にあるイタリア料理店で、主人公の僕は働いている。
そこに、高校時代の友人がたまたま訪れる。彼女は、高校時代に彼の事を好きだったが伝えることなく卒業する。再会したことで、彼女は彼に対する気持ちを思い出すが、すでに結婚を考える恋人がいたのである。
学生時代の恋は淡く、その色を捉えることが難しい。好きなのか友情なのか、はたまた憧れか。自分が相手を好きだとわかったとしても、伝える事をためらい自ら蓋をしてしまうこともままあるだろう。そのまま燻り続けて燃え尽きるか、それとも、本作のように偶然再会することで再燃してしまうこともあるだろう。
この作品では、そうした心の移ろいを数々のイタリア料理が彩り、読んでいる自分の心をも郷愁へと誘う。
それは何か学生時代に置き忘れたものを思い出させるような、不思議な気持ちだった。
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北野の異人館に行ったことのある人なら、その情景が思い浮かんできて楽しいと思います。
激しくドラマチックに描かれているわけでは無いですが、友情と勝手の恋心に揺れる様子が静かに穏やかに沁みる感じです。
結局は気の迷いというか、マリッジブルーの一種だったんじゃないの?という感じもしなくは無いですが。
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神戸元町にあるイタリア料理店が舞台。
神戸で家族経営のイタリア料理店のはずですが、全員標準語なのが、まず驚きました。
お話は全体的に説明口調なので、堅い雰囲気です。
お料理については、かなり細かく書いてあるので、情報盛りだくさんです。イタリア料理好きな方とか詳しい方ならわかるかな〜って感じでした。
一応、恋愛系のお話なので、三角関係?になるんですけど、特に主人公がなにかするわけでもなく、ドロドロもしません。淡々とストーリーが進んでいって、登場人物誰一人共感できなかったです、、。何が言いたかったのか。お仕事お料理小説か、恋愛かどっちかに振り切ってほしかったと思います。
作者の上田さんはSFで有名な方のようですね。今回は別の作風だったからか、上田さんの良さは分かりかねました。また別の作品に出会いたいなと思いました。
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神戸のトラットリアのホール係の青年の語りによる、青春の思い出を綴り閉じるちょっと風変わりに感じるお話。全体的に終わりの予感というか仄暗いトーンで進む。他者の共感とか感動とかを求めるのではない、自分の内を整理するためのよう。
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自分と考え方が同じでお腹に入ればそれでいい。食べて幸せな気持ちとか考えた事なくて同じ考え方の人がいるとうれしくなる。そして結末がどうなるのかゆっくり味わって読んでいく。が、友人がお店に来たのが分岐点で人に喜ばれる料理を作る目標をみつけていく。ゆっくりと考えながら。考えている事を覗くのが好きなのと理路整然と時間をかけて行ったり来たりしながらまとめていくので私にはすごく楽しい時間を、そして私もこれから先の生き方を考える参考をくれた一冊。
違うジャンルから入った上田氏だから手にとったけどこれが上田氏の本ではなかったら読まなかった挿絵。絵だけで決めちゃダメだと思った。