紙の本
謎がじわじわ解けて行く構成
2018/10/02 21:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読人不知 - この投稿者のレビュー一覧を見る
真は、究極ともいえる草食系男子。
出自による不遇を嘆くでもなく、自身の存在を淡々と受け入れ、何も望まない。ずっと書庫に引き籠って家の中で気配を消す日々。
そんな真が軍師として戦場に引っ張り出された!
真がひねり出した「戦わずに勝つ作戦」とは?
いい意味で「なんでやねん?」と続きが気になりました。
その作戦でどうやって勝ったんだろう?と言う謎が、後からじわじわ明らかになって行く二段重ね三段重ねの構成が面白いです。
「男殺し」の宿星故に真に押し付けられた幼な妻の薔姫がカワイイです。
不幸な星の下に生まれても「そんなの関係ないもん」と言う勢いで元気いっぱい。本当は気にしているのに、大切な我が君の為に健気に頑張る姿がいじらしい。
彼らを引っ張る覇王の星の下に生まれた戰皇子。覇王(予定)なのにそんなぼんやりしてていいのかとハラハラ。
敵対する剛国の闘王はキレ者ですが……さてはて。
続きが気になる中華風ファンタジー。
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「身分が低く顧みられない者が駆け上がる話」と、よくあるパターンながらも好みの内容で、この先の話もあるといいなと思えるくらいに満足です。『覇王』の運命を持つ戦皇子は軍師たる真がいるけれど、闘王子は自身の力量のみみたいなので実力的には本来なら闘王子の方が上かな。人格的に覇王っぽいし。戦VS闘の決着はつくのかな。それと、真が思い描くような10年後の未来はやってこないかもw。薔姫は離れないだろうし、戦皇子も真を手放さないようなw。
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本作は長きにわたって、「小説家になろう」サイト上で連載されていたものなのだが、実はサイト上では、
「覇王の走狗」(禍国側)
「覇王の番犬」(剛国側)
のふたつの物語として書かれている。この両方を読む事で世界観を互いに補完できるだけでなく。片方の国からだけの視点で書かれていることから、より深くその国のキャラクターたちに共感でき、物語にはまることができる。
そういう面白い構成だったわけだ。
しかし、書籍化されるにあたり、ふたつの物語は統合された。理由を作者から直接お話いただけたのだけれど、直接的に、「覇王の走狗」冒頭、区切りに良いところまででは紙数が足りなかったのだそうだ。
なるほど、これはいかんともしがたい。
そのかわり、ふたつの物語が統合されていることで、時の流れがつかみやすくなり、読む側としてはさらにスリリングを味わえるのではないかと思う。
それぞれのキャラクターは大変魅力的だ。
個人的には、愛らしい薔姫イチオシ。私はロリではないけれども、5歳~8歳という、最高に愛くるしい年頃の薔姫には、まさに萌えつきてしまう。
これも、作者の「萌え」がこれでもかと傾注されているのだと聞いて深く納得。
女性としては、完璧な淑女でありながらおくての椿姫も素敵だし、不幸な生まれの主人公、真は、決して世に出る事がのぞめない生まれでありながら鋭い知性と博学さをあわせもち、戦皇子という人物と巡り会う事によって、はからずも活躍する事になるというそのものが面白い。彼と絡んでいくことになる戦王子や、剛国の闘王子(闘王)もまた、かたや覇王の星を約束されながら後ろ盾がないためになんとかうまく立ち回って、暗愚の身に落ちつつある父王や兄皇子らの毒牙をかわしているところや、闘王子が同様に母の身分が低い生まれであるのに、剛国の標準スタイルである騎馬民族的な、好戦的な部分だけでない智慧を駆使するあたり、爽快なかっこよさもある。
基本的にこの物語の背景は戦国であって、男の登場人物はほとんど「武辺である」事が求められている。なかで個人的にイチオシなのは、一応武門の出だが、底辺から叩き上げてきた武人、克。彼も軍人として出征したい気持ちがあり、技量もあり、だんだんと出世していくうちに変わっていきそうな、期待の大きなキャラクターなのだ。
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小説家になろう発祥とのことで、少し文章が拙い気がしたが、逆にそのおかげでさくさく読めたというか、読みやすかったというか。ストーリーとしては、面白かった。設定も良くできており、楽しめた。続きが出るようであれば、読みたい。