紙の本
異色の宇宙本。高校生、中学生に是非読ませたい!
2019/08/31 21:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙に関する新書は多数出版されています。本書を読んでもそれらの他の著作と比較して、目新しい事実が紹介されているわけではありません。しかし、本書は他の自然科学系の新書とは全く異なる視点で書かれています。
人類が現代まで宇宙開発を継続してきたその動機が人間が持つ「イマジネーション」であるとし、そのイマジネーションは読者の誰でも持っていると語りかけます。宇宙を含む自然現象への理解の進展が、純粋に知的好奇心に突き動かされた数多くの研究者のリレーによって成し遂げられ、知的好奇心は誰もが持ち併せているという著者の言葉に勇気づけられる読者も多いのでは。次の一節が非常に印象的でした。
「我々はどこからきたのか?我々はひとりぼっちなのか?もちろん、その答えを知ったところで誰の暮らしも物理的に豊かにはならない。飢えた子供を救えるわけでもない。その答えを追うことは無意味だろうか?もし、無意味と断ずるならば、物質的豊かさのみを追求するのもまた、人類の生き方だと思う。でも、僕は知りたい。あなたも知りたくはないだろうか?きっとまだ人が科学を知るはるか以前から、人は星空を見上げて自らに問いて来たのだ。我々はどこからきたのか、と。そして、人はイマジネーションの中で気づいていたのだ。その答えが、星空の中にあることを」
著者の文章にはどんどん引き込まれる不思議な力があるように感じました。理系の研究者で、これほど文学的な雰囲気を持つ文章が書けるとは。本書のどの章を読んでも面白いですが、何といっても地球外文明の探査に触れた5章が著者の素晴らしさがダントツに凝縮されている印象でした。
もちろん、著者はNASAの研究所で火星探査ロボットの開発に携わる第一線の研究者なので、5章以外の部分も素敵な文章の中に科学的な事実や、分かりやすい解説もちりばめられています。
これを高校生ぐらいの時に読んだら、自然科学系の大学の学部に行きたい、と考える学生が出てきそうな気がします。
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おすすめ本
2018/06/08 02:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栞ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇宙探査の歴史を、ノーベル賞受賞者のような有名人ではなく、無名の技術者や一番になりそこねた天才などの活躍をとおして語っている。
その人々の矜持であったり、情熱などが感じられる。
難しい物理の知識などは不要です。読んでみてください。
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いかにして宇宙開発がはじまったのか、その根源にせまったところを起点に、現在の宇宙開発状況と今後の展望。
また題名にあるとおり、宇宙に命はあるのかについて、著者の見解踏まえて語ってます。難しい内容のはずなんですが、非常に読みやすくかかれている。
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日経の夕刊の書評にあり、おもしろそうだったので。とんでもなく、おもしろかった。宇宙を旅すること、他の星に生命を見つけることをジュールベルヌの昔から、現在まで、日に当たることのなかった科学者たちを突き動かすものが何で、どのようにして成し遂げていったかを、叙事詩のように語る。単なる科学書にとどまらず、心を動かされる表現で書き綴っている。オススメ。
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これは定期的にある、国際的に前線で活躍してる人がなんで日本語で入門書を描いてくれるんだろう本だ。買い。
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宇宙に関心があるかと言われれば無かった。生命なんていないと思っていたからだ。ところが本作を読むと「もしかしたら・・」と思わされてしまった。
本作は技術者の開発に賭けるノンフィクションさながらのドラマでいきなり心を掴んでくる。2人の技術者のどちらが先に人工衛星という宇宙への一歩を踏み出すのかという物語だ。
生命を産み出す条件は2つあるという。水と火山による熱だ。木星と土星のいくつかの衛星でそれらが発見された。それだけでなく、一つの銀河には1,000億の惑星が存在し、銀河もまた1,000億ある。つまり、確率的に考えれば地球で起きた現象が1,000億×1,000億の惑星の中にあるかもしれないというのである。
宇宙という未知と出会って己の無知を知らされた。2020年火星に探査ローバーを送るということで私も今からワクワクしている。知ることはワクワクの一歩だと改めて感じさせてくれた一冊だった。
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【あってほしい!】
人類の宇宙に対する歴史がよくわかりました。
読んでいておもしろいです。
ホーキング博士が亡くなりましたが。。。
理論物理学は頭で考える世界で、現実を直視する世界には勝ち目がありません。
見えてしまった瞬間、理論的にどうこう言っても現実の勝ちです。
これからどんどんいろいろなものが見えてくると思うと、ワクワクします!!
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NASAの研究者ある小野雅裕氏の著書。宇宙開発に携わった科学者と技術者のエピソード、そして最新の科学技術や地球外生命体存在の可能性などについて綴っている。
惑星移住の際に発生する生物汚染のリスクや、宇宙からメッセージが届かない理由など、技術者でありながら想像力豊かな知見が非常に印象的だった。本作で小野氏が頻繁に使っているイマジネーションの意味は、想像というよりむしろ創造に近いのかなと感じた、久しぶりに七夕の夜空でも見上げようと思う。
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レトリックな文章に引き込まれる。
科学者が軍事開発に利用されたと言われるが、科学者の宇宙への情熱がナチス・ドイツも冷戦も利用したのかも知れない。
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注目している著者の一人。NASAジェット推進研究所に勤務する研究者。幼き心に抱いた想いに向け進んでいく姿は素晴らしい。地球外の生命体の探索について歴史を紐解きながら、表立ってない人間ドラマを披瀝しつつ、読者をぐいぐい引っ張っていく。我々のいる銀河系だけでも数千億の惑星があり、そのうちまだ8個しか近づいていない。宇宙にはそんな銀河系が数千億もあると考えられていて、その圧倒的なスケール感の中で、文明を持つ生命体の存在やコンタクトの可能性について、柔軟で伸びやかなイマジネーションが展開される。あらためて夜空を見上げイマジネーションの翼を広げてみたくさせる、そんな一冊だ。
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ロマンチックが止まらない。
著者は未だ夢見る少年です。
未開の地(宇宙)を開拓していくのはとてもわくわくすることだけれど、現実主義の自分からすると、お金をかけた分は社会になにか返してほしいとも思ってしまう。
だって、いくらはやぶさがイトカワの石を持って帰ってきたって、貧困児童のお腹は膨れないものね。
読んでいて面白い本であることは間違いはないです。
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NASAの中核研究機関で火星探査ローバ一の開発をリードしている日本人による宇宙本。スプー卜ニクやアポロに端を発するロケット開発から、ボイジャーによる太陽系探査、最新の地球外生命体探査まで宇宙開発の歴史を網羅的に理解することができます。表紙に「宇宙兄弟」の南波六太(ムッ夕)が描かれていてインパクトが大きいのです。
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満天の星空を見上げて広大な宇宙に想像力を拡げ、アポロ11号の月面着陸に冒険心を掻き立てられた幼い頃の思いを甦らせる。プロジェクトX的なサイドストーリーで読者の興味を惹きながら、SFの世界でしかなかった時代から現代までの人類と宇宙をめぐるファンタスティックでさえあるストーリーが系統立てて記されている。
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いろいろなネタを扱っており、読み物として面白い。
・(宇宙人の侵略について)地球は40億年もの間、無防備だったのだ。40億年起きていなかった事象が無効100年で偶然発生する確率は4000万分の一。
・(移動について)宇宙船に乗って宇宙を移動するスタイルは、人類の常識に縛られているのではないか?果たして人類より何万年も進んでいる宇宙人が現代人類と同じように物理的な移動を行っているのだろうか?
・ジュール・ベルヌの言葉「人類が想像できることはすべて実現できる」
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すごく面白かったというより、SFやサイエンス慣れしていない自分にとっては異次元のものに触れる感じで、貴重な体験になった。
自分の知らない世界、出会ったことのないタイプの人に出会うことが、いかに今までの自分の頑固な性格を解きほぐすのに役立つかを感じる一冊となった。