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新聞の歌壇を毎週楽しみに読んでいる。常連さんがいて、その人達の生活の片鱗、変化が見えることが楽しい。この作者もそんな1人。賞を取った非正規雇用についての短歌はとてもよく覚えている。この歌集は初の歌集だけど遺作になってしまった。全作品を通じての作者の思いの強さが感じられる。遺作だなんてとても悔しい。
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折れかけてる心の叫びだったり、とにかく前向きになろうとしている感じが苦しい。
あまり自分が繊細ではないので、この人の句はさらりと読むには重いし、難しい。
こんなにもは必死に前を見ても、自ら命を絶たねばならない程の生きることの苦痛。
楽に生きること、楽に考えること、人それぞれだけど、この才能で生きて欲しかった。
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短歌とは・・・
ということを考えさせられるなあ。
正直、表現はとっても稚拙で、文法とかも危なっかしい。
でも、これは紛れもなくこの人でなければ詠めなかった『歌』だ。
表現の目新しさばかりを狙った。小手先の短歌が多くて、作り手もそんなことばっかりに夢中になり、選者や評者などから高い評価を貰うことに夢中になってる短歌の世界では異端であり、文学的には正統なのではないかなあ。
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あー生きていてほしかった。
こんなみずみずしい歌が詠めるのに。
生きていれば、五感で感じて(嬉しいことだけじゃなく哀しいことも切ないことも)それを三十一文字に表現する才能があったのに。
もし、もし、恋が実っていたら生きることを選んでたかなってふと思った。
内部にて光り始めて(ここからだ)恋も短歌も人生だって
靴ひもを結び直しているときに春の匂いが横を過ぎゆく
夜明けとはぼくにとっては残酷だ 朝になったら下っ端だから
こころのなかにある跳び箱を少年の日のように助走して越えてゆけ
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萩原さんといえば非正規の歌が有名だけど、わたしは彼が詠んだ恋の歌もすごく素敵だなと思った。
冬の陽が照らす椅子ありそこに君おらねど君の面影探す(31ページ)
遠くからみてもあなたとわかるのはあなたがあなたしかいないから(59ページ)
きみじゃないきみを探すよ あの街にさよならをしてどこかの街で(114ページ)
できることならもっと萩原さんの歌を読みたかったな。惜しい人を喪った。
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歌を詠むことで救われていたのだろう。
歌集を出す、という夢を持つことで未来の光を見つめていたのだろう。それなのに…
やり場のない怒りや、まとわりつく不安、やるせない日々の中でほのかに色づく恋の歌。
彼の毎日はきっとその時だけは輝いていたのだろう。
消しゴムのように丸まりながら、ひたすらごみをシュレッダーにかけながら、下っ端として頭を下げ続けながら、それでも恋をしていたのだろう。
誰が悪い、とは言えない。何が悪いとも言えない。
でも、彼が生きられなかったこの世界は、やはりどこかが間違っているのだろう。
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久しぶりに歌集を読んだ。優しい青年の心の叫びが凝縮されている。日々の労働で溜まった感情を愚痴や毒として出さず、短歌に込めて発表できるのはすごいことだと思う。彼ほど自由に世界が見れて言葉を操ることができれば、労働なんてしなくていい世の中であってほしい。
占いの結果以上にぼくたちが信じるべきは自分自身だ
消しゴムが丸くなるごと苦労してきっと優しくなっていくのだ
今日という日もまた栞 読みさしの人生という書物にすれば
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“生きるのに僕には僕のペースあり飴玉舌に転がしながら”
“パソコンの向こうにひとがいるんだとアイスクリーム食べて深呼吸”
“理解者はひとりかふたり でも理解者がいたことはしあわせだった”
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私にとって、俵万智以来の口語短歌。
俵万智とは違い、ときに悲鳴のような、ときに祈りのような、痛切な思いを感じる。
バブルで浮き足立っていた頃と、経済的に先が見えない今の違いなのかと思ったけど、それだけではない事があとがきで分かって、やり切れなくなる。
彼の純粋な感性と才能を潰してしまったかつての野球部員たちは、それでも自分たちの罪ではないと思うんだろうな。いじめた方は覚えてなかったり、自分がしたことを正当化して記憶してたりするから。
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詩を読むとき、詠み人と読み手には大きな隔たりがあると思います。
しかし、この歌集を読み始めて間もなく、その抒情の横溢にすぐに飲み込まれるのを感じました。
滑走路、空、鳥、翼、走る、助走して超える。
ともすれば、現実の重い足かせで、身体が沈み込んでいくような気持ちを、歌を放つことによって昇華させていたんだと思います。
1984年生まれの詠み手の感じていたやるせなさと、それを弾こうとする若い心の反発心が、強く印象に残りました。
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「今日願い明日も願い未来は変わってゆくさ」
よく万葉集は当時の庶民の心のタイムカプセルと言われますが、この歌集も現在の日本の現実が生む若者の心の叫びのタイムカプセルだと思いました。
「文語にて書こうと僕はしているが何故か口語になっているのだ」
定型句というフォーマットに納めることの出来ない心の叫び。
「思いつくたびに紙片に書きつけたる言葉よ羽化の直前であれ」
まだ自力で飛び回れない自意識イコール言葉の数々。
「きみのため用意されたる滑走路きみは翼を手にすればいい」
自分でこの歌集のタイトルを滑走路としたい、とのこと。この本は彼の翼になるべく生まれたのだと思いますが、彼の死によって叶いませんでした。しかし、自分の言葉を持てない同時代の人々の翼として、きっと。
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何気ない日常のつぶやき、そして苦悩、励ましを短歌にしたもので、一つ一つの言葉に作者の人間性を感じる。
作者の気持ちの浮き沈みや葛藤を感じられる。
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期待値が高かったのかも知れないが、若い人の作品なのになんとなく卑屈な感じがして、あまり共感できなかった。
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何歳頃からの作品が収められているのか知りませんけれども、30近い人の作品だとしたらなんかちょっと幼く感じましたかね…歌集とかいうのは全然読みませんけれども、著者の作品、読んだ時のリズム的にもどうなのかと思ったし…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
「非正規」とかいう枠組みの作品が結構アレでしたね、現代の若者の気持ちを代表しているような、そんな感じを受けましたかね…別にうまいとは思いませんでしたが。社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
あとはまあ…恋の短歌とかね…ああ、作者フラれたんだなぁ、となんとなく気づいてしまいましたよね! 失恋歌は切ない…まあ、そんな感じで。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/480831/