紙の本
食品に利用される微生物。「もやしもん」の科学的読み物版。
2018/03/22 21:22
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
微生物を使った発酵食品を、基礎となる化学反応やそれぞれの製造工程の流れ図なども入れて説明する。日本酒や味噌など日本食を中心に外国のものとしてはチーズ・ヨーグルトの発酵についてもかなり丁寧に書かれている。パンやビールなどへの言及は少な目。
漫画の「もやしもん」の発酵科学の部分を一般向け科学読み物にしたような、という印象。キビヤックやホンオ・フェなどの衝撃的な外国の発酵食品も最初のあたりで出てくる所ちなどがょっと似ているからそう思ったのかもしれない。漫画を読んで欄外や薀蓄の部分をきちんと理解したいという気持ちがあったのでなかなか役に立った。
カビを使った発酵は湿度の高い日本ならでは、などという説明はなるほどという感がある。ところどころに最近の食事情(内容変化やトクホなど)についての意見もちりばめられていて著者の意見も読める。
紙の本
固有の文化。
2020/11/12 21:13
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投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
発酵学で有名なのは小泉武夫氏だが、この中島春紫氏も別の方向からのアプローチで非常によく健闘している。読者に阿ることなく、化学式を最低限必要な分だけ採り上げ、読者に化学の面からの発酵の手ほどきをしてみせる。アミラード反応は聞きかじり程度だったから、けっこう役にたった。日本の発酵というが、他の国の発酵食品との比較がなければ特色の見えようがない。本当によく調査・研究していると思う。我流で調査している人々にとっては福音になっているのではないか。
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献本いただき読了しました。
発酵食品について興味があり、体にいいとはどういった理屈でいいとされているのか、その作り方や効果などがわかりやすく書かれていて、大変読みやすかったです。
図も多かったり余白も多く、手軽に、科学を読むことができると思います。
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献本当たりました。ありがとうございました。おいしゅうございました。いやおもしろでございました。食生活に発酵食品は欠かせないものですが、どのようなメカニズムにより作られるのか、興味深いものでした。日本や世界の発酵文化をつくりだした先人たちの知恵と工夫に感謝せねばなりませんね。14世紀日本で既に麹菌の純粋培養と商業化が達成されていたとは驚きです。日本醸造学会が麹菌を国菌として認定したなんて知りませんでした。国菌って。麹菌の学名はアスペルギルス・オリゼー。かっこよさ漂う名称です。臭い食品ランキング紹介なんて面白いです。想像するだけで私には無理っぽいですが。「発酵食品は生き物である。本当に美味しい発酵食品は、その地を訪れ現地の雰囲気な中で時を移さず食するものと心得るべきだろう」確かにそうですね。京漬物を現地で食べるとほんと美味しいですもんね。
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発酵にまつわる科学について体系的に情報量多く伝えており疑問に感じることもすぐに答えている。素晴らしい。黄麹と黒麹の違い、キモシンの合成、味の素の合成、ワインへの亜硫酸塩の点火どれも疑問に感じていた事柄がわかりやすく伝えられている。
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味噌、醤油、納豆、清酒、酢、漬物、鰹節──。微生物を巧みに使いこなし、豊かな発酵文化を築いてきた日本。室町時代にはすでに麹菌を造る「種麹屋」が存在し、発酵の技術は職人技として受け継がれてきました。多様な発酵食品の歴史をたどりながら、現代科学の視点からも理にかなった伝統の技を紹介、和食文化を支える世界に類を見ない多彩な発酵食品、その奥深い世界へと読者を誘います。
”素材の旨味を引き出す名脇役である調味料の多くは、微生物の力を借りて作られる発酵食品である。「さしすせそ」と覚える日本料理の基本調味料は、「さ」砂糖、「し」塩、「す」酢、「せ」醤油、「そ」味噌の5つだが、そのうち「す」「せ」「そ」の3つが発酵食品である。さらに、漬物はもちろん、納豆、鰹節、清酒、さらにうま味調味料の製造にも微生物の力は欠かせない。”(「はじめに」より)
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妻のお下がり。マイクロバイオームについていろいろ読んだあとだと、応用編みたいな位置付け。
細菌(だけではないが)の食利用について。
洋の東西を問わず利用されている発酵について、簡単な化学式と合わせて、製造工程と歴史が紹介されている。発酵が気になった初学者には、文章も読みやすく、ちょうど良い内容。
発酵に関する基礎知識とともに、色んな発酵食品を試してみたくなる良書。
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第1章 発酵食品と文化
第2章 発酵の基礎知識
第3章 発酵をになう微生物たち
第4章 納豆・味噌・醤油―大豆発酵食品と調味料
第5章 乳酸菌発酵食品
第6章 ひと味加える調味料と小麦生地の発酵
著者:中島春紫(1960-、羽村市、農学)
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これ読んでたら自家製味噌仕込んでみたくなっちゃった…。毎日なり毎週なり定期的にかき混ぜる手間はあるけど、元々馴染みがあるので味噌仕込むよりぬか漬け仕込む方が手軽な気がする派です。
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自分は発酵について科学的に詳しく、かつ広いテーマについて知りたかったためこの本を選びました。期待どおりの内容で、様々な知見とその合理性に驚かされました!
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以前から興味はあったが、発酵検定なる試験ができたということで、発酵業界自体が盛り上がっているなと思い読んでみた。薄い本だけど内容はものすごい濃いので、一回読むだけではなかなか理解できない。人間の都合で腐敗と発酵を分けているが、どちらも菌の生育の結果である。世界は菌でできている。発酵した食品を最初に食べた人はすごいなと昔から思ってきたが、食べるか飢餓で餓死するかみたいな極限状態だったのかなと妄想。
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理系の専門的な内容で理解できない箇所は多いが、それ以外から知識を拾っていけば学びが多い。「発酵」に少しでも興味があれば是非!
メモ
四季がはっきり 日照降雨も適度 夏場に水 全土で稲が栽培可能な瑞穂の国
自然災害に身近 自然を敬い、畏怖
発酵は風土に根ざした食材と気候 作る人と食べる人の長年の対話 旅行者には不向き
海水の塩分3.5 8になると微生物限られ15で生育できな
塩で腐敗を遅らせる
糖分多い食品を通期を封じて保存すると乳酸菌繁殖
乳酸を生成しphを低下し酸性 中性を好む雑菌を死滅
魚や肉や牛乳はタンパク質 窒素と硫黄含む 微生物の分解でアンモニアやアミン phが中性から塩基性 病原菌
肉はエイジング期間中に肉に含まめれるタンパク質分解酵素で繊維をほどいて柔らかく → タンパク質(味なし)には味のあるアミノ酸が遊離して旨味が引き出される
豆は消化されにくいから様々な形 大豆のタンパク質をアミノ酸を分解して醤油(完全)、味噌
急激な運動による疲労を「筋肉に乳酸がたまる」呼吸による酸素供給が間に合わずエネルギーを得るために筋肉内で乳酸発酵を行う
糖分豊富なブドウがワインになる発見 パスツール
紅茶 タバコ 茶葉とタバコの葉を25Cで揉み乾燥させて色と香りを変化させたもの
旨味 umami 国際語
自然を畏怖する日本人は神の怒りを買うのを恐れて獣肉を避けた 牧場の敵地もなく乳製品も欠けてる(日本料理
自然と季節感を表現する日本料理は濃厚なソースを使わず素材そのままの良さを素直に引き出す(鰹 昆布 塩 酢
麹は日本だけが飼い慣らしている(他国は危険視) ニホンコウジカビ
パン生地の中でアルコール発酵と同時に生成するco2がパン生地を膨らませる
ホップは乳酸菌の殺菌作用も持つ 乳酸菌が大量に繁殖すると酒が酸敗する 乳酸菌より酵母を優先して生育させる
酵母は厚い細胞壁を持つため乾燥して保存可能 古代ローマから次回のパン作りに使うことで維持
アルコール phの低下→酵母が生育してできる
糖分が多い食材→乳酸菌→ph低下 ヨーグルトや漬物
タンパク質→食塩を加えて腐敗菌を防止
ナチュラルチーズとプロセスチーズ
vinegarは酸っぱいワイン 古くなったワイン
蒸留! ワインはブランデー ビールはウイスキー 日本酒は焼酎
酢は殺菌効果 寿司に酢飯 江戸時代 魚の生臭さを消しながら旨味を引き出す
麦は殻が硬いから粉にして使う
がんは遺伝子に傷が蓄積 日本人は天寿を全うしてるとも言える
米は噛むと甘くなるため塩見の副食が合う→胃がん
パンと肉 大腸癌
食べることは臓器に負担をかける →「腹八分目」!!!
帰国後、慣れ親しんな発酵食品を口にしてストレス軽減が長寿の秘訣
発酵には最新の注意と愛情が必要
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納豆や味噌、醤油、漬物、酢などの発酵食品について、発酵に係わる微生物や発酵の仕組みなどを解説した本。表紙には「日本の伝統」とあるが、ヨーグルトやチーズについても、日本の食事に定着した発酵食品として取り上げている。普段から発酵食品を食べようという気になるし、自分で作ってみたくもなる。
少し前に小倉ヒラクさんの「発酵文化人類学」を読んで手前味噌を仕込んだのだけれど、この本を読んで、今度はぬか漬けを始めたくなった。
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発酵食品を化学的に解説した話しと
発酵食品にまつわる美味しい話。
腐敗と発酵の違いとか発酵と旨さの関係とか、発酵によって出来る善玉菌が体に良い事を知って食する方が知らないよりは「あぁ効いてるなぁ」と、より身になる気になれます。
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想像していたより本気の科学で、私のポンコツちゃん頭脳では
読めども読めども眠ってしまい、やっと読破。
わからないながらも、作者様の発酵への真摯な愛を感じましたし、わずかながらでも身になりました。
何より、日本人であることを誇りに思える本。
子供の家庭科にこういうことも教えては如何か。
本枯節がどれほど手間のかかるものか、今の子は知っているのだろうか。まさか、見たこともないだろうか。
それから、科学も技術もない大昔に、手と五感と感覚で発酵技術を編み出した昔の方々にお礼と尊敬の念を抱く。