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【まず、この本を読んでない人へ】
この本は、私が最も愛している形を具現化してくれている1冊です。その形というのは、啓蒙×ラブコメです。一見すると、この物語は普通のラブコメなのですが、登場キャラクター1人1人の行動原理や、言葉の裏の意味を考えると、面白い発見が沢山できます。久々にラブコメを読んで面白いと感じました。ストーリーの展開で面白さをぶつけてくるのではなく、読者に考えさせることで、先に読み進めようという気にさせてくれる素晴らしい作品です。勿論、ストーリーもとても面白いですし、何よりキャラが皆魅力的です。もしかしたら主人公に、イラつくこともあるかもしれませんが、彼も「登場人物」なので(笑)
是非読んでみてください。
-------------ネタバレ--------------
【鷹見玲奈という人物】
鷹見さんと亀丸くんが、1人になった猪熊ちゃんについて話しているシーンで、
「同情されたくないって感じで、意地になってるんでしょうね」
「それに貴方が絵馬を迎えに行けば、みりあは1人よ。仲良くしてあげなさいな。」
こういう鷹見さんの優しが垣間見える会話が要所要所出てくるが、その度に枕に顔を填めて「可愛いかよ!!!」って叫んでしまう。
【ポンコツ亀丸くん】
亀丸くん……一緒に努力してきて、見てたからあなたが1番鶴姫さんの気持ちわかるだろ。なのに、あんなことクラスメイトに言われて平気だと思ったなんて。。。ちょっとポンコツすぎる!けどそれが、物語の要素を際立たせているからムカつくけど良い!程よく鈍感なとこが好感持てる。
【白星絵馬という人物】
練習彼女という設定が別の物語で使われていたら、批判する対象になってた。けれど読み進めてきた今なら、慈愛の女神である白星さんの行動原理が理解出来る。アガペーの塊みたいな存在。ただこれが後々に大事件を引き起こしそう。まさにトリガー。
【この選択はあり?唯一納得いかない】
『猪熊ちゃんと鶴姫ちゃんがミスコンへの《決意》を胸に、白星さんの家に行くシーン。そして2人は仲直りをし、鶴姫ちゃんは白星さんに願掛けを頼む……願掛け頼む………願掛け頼む!?』
私「は?書いちゃうの?そこ?書くの?え?」
鶴姫「ー先輩たちがそば居れば何も怖くない。たとえ夢で終わったとしても、努力して綺麗になる事を素直に嬉しいと思える。ー」って6P前に言ってたじゃん!!!!可愛くないを受け入れて努力する。それを受け入れてくれる人がそばに居ることをしれただけで幸せだって。なのに、最後はそんな他力本願なの????
絵馬ちゃんの願掛けがさ?ただの《願掛け》ならそれはただの願掛けに留まってたよ?だけどさ?色んな結果から一定の効力が裏付けされてるわけじゃない?そしたらそれは《願掛け》から《他力本願》になってしまうよ。
『 ーーミスコンにでるーーー』
この《決意》を冒涜する。恩知らずな行為だよそれは。自信が持てないのは分かるけれどさ、裏をかえせば、猪熊ちゃんと亀丸くんとの日々を信じていないっていうことにも捉えられちゃうよ。この描写はこの2巻を根本から否定するものに感じます。いらない描写でした。その願いが「先輩たちと一緒にいられますように……」とかかな?って思って、最後まで明かされるのを待っていたけれど、結局話にも触れなかったし、もし3巻でこのクダリの話が出なければ、残念ですね。ただ他は完璧。もう文句無しの面白さ。
【まほろ勇太先生の持論】
ー愛は永遠、恋は一瞬。しかし、愛を永遠とするためには、恋による一瞬の輝きが必要。
ー愛のない恋は、一瞬を永遠に繰り返す地獄。
ー恋の無い愛は、神の御業か、そもそも永遠たりえない歪な偽物。
まさに、亀丸くんと白星さんですね。愛がない高校生の恋は地獄そのものって言ってるのは、ラブコメ作家として面白いです。次巻も楽しみです。
【なるほど言葉】
困難は分割するもの、それをいかに細分化し一つ一つに対処するかが大切(p159)