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投稿者:まろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
複雑でデリケートなイメージだった科学の世界のシンプルさや多様性に驚き引き込まれました。
・細胞の初期化。受精卵の状態にしたiPS細胞は、そこからなんにでもなり得る可能性があること。
・細胞は分化した後にもすべての遺伝情報が細胞内に残っていて1個の遺伝子を動かすだけで細胞の運命が劇的に変わること。
・3万個の中のたった4個の遺伝子の組み合わせで、分化した細胞を元に戻せること。
また、「勘」についての話題が面白かったです。
・生物は目を進化させるために他の器官はあえて鈍くしている。だから「勘」というのは、その進化の過程で鈍らせてきた機能をもう一度活性化するようなものではないか。
そう思えば、勘に頼るのも案外無責任な事ではないのかもしれないなと思いました。
山中さんも羽生さんも、小さな失敗さえ許されないシビアな世界で戦っているイメージが強かったのですが、この作品を読んでもっと自由でユーモアのある生き方をされているのだと感動し更に魅力を感じました。
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノーベル賞受賞の科学者が、先進医療の可能性について、わかりやすく説明してくれています。将棋の羽生さん関連も、おもしろかった。
ぶっちゃけトーク
2018/05/03 13:03
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投稿者:オビー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ざっくばらんに2人の天才が疑問をぶつけ合う対談本です。
「プロ棋士でも10手先がほぼ読めないこと」
「ゲノム解析はわかっている割合がわからないこと」
には驚きでした。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんな未来になっているのかなと、少し期待と不安がありますね。天才同士の会話っていうのは、おもしろいです。
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AI色は強くなく、どちらかと言えば二人の生き様や人生哲学をお互いに語っている感じ。
AIを通して未来を見ることはすなわち、人間とは何かを問うことに他ならない。
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羽生さんは人工知能の専門家としての立場。
これまで、人工知能などの分野の専門家の研究素材としても対応されて、取材する側でも名だたる型と接点があり知識も豊富。
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本著は偉業を成し遂げた、将棋の羽生善治氏とips細胞の山中伸弥氏が、斬新な発想やアイデアといった独創性を生み出す「『無知』の強み」と「直感力」について説く。
山中氏は独創性を生み出す3つのパターンについて次のように述べている。1つ目はアインシュタインのようにもともと天才というパターン。2つ目は他の人も考えているようなことだが、一応自分で思いつく。実験等をしてみて予想していなかったことが起ったときに、それに食らいついていけるかどうか。3つ目は自分も他人も「これができたら素晴らしい」と考えているが、普通は「無理だろう」と諦めるところを誰もやっていないから敢えてチャレンジするというパターン。
重要なのは2つ目のパターンだが、iPS細胞を発見したのは、3つ目のパターンだそうだ。もしAIにips細胞が成功する確率は99.9%難しいと言われていたら、挑戦しなかっただろうと言っている。見えないからこそ人間は挑戦できるもののようだ。iPS細胞の研究に踏み込んだのも、整形外科医から研究に入ったため「無知さ」によって、ある意味怖いもの知らずでやっていたと振り返っている。
そして、3万ほどある遺伝子から24個の遺伝子に絞る過程で重要だったのが、勘だったと言っている。それは、くじ引きのような勘ではなく、過去の経験に基づく何らかの判断がモヤーッとしたものであったという。それに対して羽生氏は人工知能専門の松尾豊氏に「生物は目を進化させるために、他の器官を敢えて鈍くしている。だから勘というのは、その進化の過程で鈍らせてきた機能をもう一度、活性化するようなものではないか。」と聞いたことがあると言っている。そうならば、アイデアや発想、ひらめきを得るとはものすごく考えて考えてそこから生み出されるものもあれば、あるいは熟考から離れてぼんやりとしているとしているときにパッと思いつくこともあり、それは鈍らせていた機能が活性化された瞬間かもしれないと分析している。だから、ひらめきを得るためには、インプットばかりではなく、それを整理したり無駄なものをそぎ落としたりする時間が必要なのだろうとまとめている。
両氏の言っていることが凡人である私には本当かどうか分からない。しかし、そう考えて取り組めば斬新な発想やアイデアが必要なときに諦めず前向きに取り組めると思う。
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永世七冠の羽生さんとIPSの山中さんによるAIを軸とする未来像についての対談。勝負師としての思考方法から最新生命科学の知見まで幅広くカバーしており、面白くて一気読みしてしまった。おすすめ!
続きはこちら↓
https://flying-bookjunkie.blogspot.jp/2018/04/ai.html
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ES細胞をips細胞も2つのことをしなければ役に立ちません。増やすことと分化させることです 再生のために細胞が急速に増殖するので、一歩間違えると大きなリスクを伴う。増えなくてもいいところが増えてしまえばがんになってしまうんですね 完全な正解ではなく、試行錯誤によって正解に近いレベルの答えを導き出す。人間で言えば直感障害、将棋でいえば大局観と呼ばれるようなアプローチです 以前、MicrosoftはどんどんOSを公開して、アップルは閉鎖的でしたね 人間には、わからないから踏み出せる、見えないからこそ挑戦できる、と言う面は間違いなくありますからね
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全くジャンルの違う2人でも、ここまで興味深い話ができるのだと感心した。特に相手の専門領域について質問する視点と予備知識のレベルが高い。テーマ自体も興味深いが2人の掛け合いだけで十分楽しめる。
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AIを通して人間というものがより分かってくるなぁと感じる対談でした。こういう形の方が、入門編と呼ばれる書籍よりもむしろ取っつきやすいですね。
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★4.0(4.18)ノーベル生理学・医学賞受賞の山中先生と将棋棋士で国民栄誉賞を受賞した羽生棋士の対談本。内容はIPS細胞やAIにより人類の未来はどうなるかを中心に今後の世の中について。羽生棋士は将棋だけがすごいのかと思ってましたが、今の世の中の動きもかなり解っているというか、山中先生と対等に対談する所は、流石一流の棋士は違うなぁという感じですね。対談本だけあって、難しいIPS細胞の話も、AIの話もかなり分かり易く話しを進めて頂いてますね。今後も二人の対談本を読んでみたいです。
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この本は、このお二方の対談というだけでも非常に興味がそそられましたが、読んでみて、期待以上に面白い内容だったと思います。
片やノーベル生理学・医学賞の受賞者、片や将棋界で永世七冠獲得の国民栄誉賞受賞者ということで、日本人の誇り代表のようなお二方の未来対談。内容もさることながら、お二方の人格も素晴らしく、読んでいて本当に楽しいひと時を過ごせました。
羽生さんは本書以外にも将棋とAIに関する本を出されていますし、NTTの研究所でAIについての対談をされていたり、AIに対しての見識は高く、非常に詳しいと感じます。
職業がら「AIに取って代わられるのではないか」というようなことも考えられるからでしょうか、非常に専門的な内容まで研究されているように思います。
山中教授の研究などに関する裏話もとても興味深かったです。生理学や医学の分野は、非常に官僚的というか古風というか、新しい研究成果が受け入れられにくい土壌であったり、研究そのものが秘密主義の傾向があったりと、本来の期待とは逆の世界があることに驚きました。
また、金儲け主義の企業による医療関係の特許申請が、医療の民間への浸透に悪影響を及ぼすので、そのために学術機関で特許申請に力を入れているなどの話も、予想外のいろいろな課題があるのだと知りました。
最先端を走る者の苦労をされつつも、そのような課題を課題ととらえ、まずは実用化を第一優先に取り組まれている山中教授は、研究者の鏡のように感じますね。
生理学・医学の分野が秘密主義な一方、将棋ソフトの開発はオープンに進められているという。この対比も面白かったです。どんどん勝手に強くなる将棋ソフトに関するFloodgateのことは、初めて知ってビックリです。
その他、お二方のそれぞれの分野での「直感」に関するお話も興味深かったです。
羽生さんが最後のほうで紹介されていたオックスフォードの人類未来研究所等のレポート「文明を脅かす12のリスク」の中に、気候変動や核戦争などとともに、AIがリスクとして挙げられている話をされていましたが、「AIが人間に取って代われるか」という誰もが思うこの疑問について、本書の中では少なくともお二方の考えは一致していると感じました。
そもそも、この対談そのものがその答えであるようにも感じます。もし、山中教授のデータがインプットされた山中AIロボットと、羽生棋士のデータがインプットされた羽生AIロボットが対談したとしても、ある程度は面白いかもしれませんが、本書のようにほのぼのとした雰囲気の中で、互いに尊敬しあいながら、絶妙のタイミングで笑いがあったりと、こういう対談は人間山中・人間羽生でないと実現しないんだろうなと強く感じました。
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羽生善治さんのAIの見識の深さに驚いた。山中教授の方が詳しいのかと思えば羽生さんが山中教授に教えている場面も。いつ勉強する時間があるのかと思う、すごい。こういう日本の宝のような方々が思う存分力を発揮出来るまたは邪魔されない国やシステムになるようにお願いしたい。その為には自分たちなりに少しでも力を付ける事が肝要。微力ながらでも応援出来るよう。
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ジャンルは異なりますが、それぞれのジャンルで超一流のお二人がAIをテーマに語りつくした一冊。
一般論として、一流の専門家の方は、専門の領域での知識は当然のことながら専門外の領域でも実にいろいろなことをご存知であるというようなことをどこかで聞いたことがあるのですが、今回のお二人はまさにそのケースが該当していると感じました。
そんなお二人がAIを切り口にして語りつくす様子は、上質なジャズのセッションを聞いているような印象でした。
付箋は20枚付きました。