紙の本
日本の現実を直視する知性に触れる
2019/05/21 00:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:在外邦人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の現実を直視する覚醒した人々が、中高年だけでなく若い世代にもいる
事が確認出来て勇気づけられた。水野和夫、馬奈木厳太郎、猿田佐世各氏の
見識に特に関心を持った。日本の実像を知る為の一助になる。
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寝る時間を忘れて一気に読んだ。
あまり知らなかった栗原康さん、猿田佐世さん、全く知らなかった馬奈木厳太郎さんを知ることができて良かった。
"主体性を持とうとする人間とそれを拒む人間との対立、より具体的に言えば、リスクを負ってでも自由を求める人間と安定さえ得られるなら隷属をよしとする人間との対立です。"
59ページ
この部分を読んで、私っていうのは、当然前者だと思っていたが、実は「安定さえ得られるなら隷属をよしとする人間」ではないかと気づき、愕然となった…
"「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである。」" 112ページ
このガンジーの言葉には何度か接して感銘を受けている。
忘れないようにメモメモ
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民主主義、民主主義というけど、民主主義ってなんだろうと思うことがある。いや、だからって独裁者とか王様にすべてを決めてもらいたいといっているわけじゃないんだけどね。素朴な疑問として、「なあに?」と聞きたいわけだ。選挙ったって、なんかねぇと思うことも多々あるし、理屈ではこういうものだと説明できても、どこか腑に落ちないところがあったのだと思う。
本書を読んで、「そうか、自分の頭で考えることだ」と思ったのだ。そして逆説的かもしれないけど、自分の頭で考えるためにまったく異なる意見を持つ人の言葉も、拒絶しないで聞かなければならない、と。
よく読む人として佐藤優、内田樹が対談者に入ってて、もともとそちらに惹かれて本書を手に取った。佐藤優の本で、内田樹について、あまりよく言っていないこともあったから、この二人が対談することはないだろうと思う。でも、同じ人とそれぞれが話すことはあるんだな、と。
でもそれ以外の人の話も、すごく面白かった。信田さよ子とかの心理の話もね。
ちなみに内田樹と佐藤優は他の人の話の中で「あの人がこう言っていたんだけど」と出てきたので、影響力はあるのかなと思った。
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日本社会の主体性がない奴隷根性に忸怩たる思いを抱いている人におすすめ。
自分のなかの良心を殺すようなことはしちゃ駄目だ。
アジア諸国の歴史をもっと知らないと。日本も。
敗戦を「終戦」と言い換えて、日本を破滅させた人たちの責任を十分に追及してこなかった。自分たちの加害の歴史と向き合わなかった。それはすべて現在の問題と繋がっている。
これまでの日本社会は、異なった意見を持つ人の排除を、誰にも気づかれずに行うことができた。ネットの発達によって、今までは透明な存在にさせられていた人たちが、自分の声を多くの人に届けられるようになった。その声が社会を変えるかもしれない。
領土問題は敗戦処理の問題。
ちゃんと思い出されると困る人たちが、国民に対して大事な情報を隠し、誤った信念を与えるために組織的体系的努力を重ねてきた。
戦争は終わったのではなく、負けたのだ。
あの戦争を国民に強いておいて、しかもろくに責任を取らないできた連中が、今もこの国を牛耳っている。
そして国民から大事な情報を隠し、間違った信念を与え、今また未来を奪おうとしている。
生きるために、自分の良心を殺さないとならない。そんな生き方はしたくない。
国には徴税権があるから多額の借金ができる。国民の労働は、国家が借金をする時の担保だ。
しかし現在の国家は、国民の福祉厚生を面倒に感じている。
歴史認識は国ごとに異なる
あらゆる理論を遮断して感情で行くことには快楽がある。危険な全体主義的な快楽だ。そうした快楽をこの世界からできるだけ駆逐するための言論的な行動を取る。
沖縄と日本は、公用語こそ同じだけれど情報空間は違ってきている。
くまくとぅば
島言葉の日
ハイサイ・ハイタイ運動
冷戦終結以降の日本の問題を理解するには、1945年のポツダム宣言から考えないとわからない。
日本社会は、自立的に思考し行動しようとすること、主体性を持つことが暗黙のうちに禁じられている。
日米協調とは違う方向性へ日本政府が向かうと、その中心的な人物に対して人物破壊のバッシングが起きる。
政策論で議論しないで、提言している人物を破壊する。
鳩山や小沢に起きたこと。
アメリカにとって好ましくない人物を、日本人が排除してしまうシステムが日本にはある。
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反米リベラル?同士の対談なので双方同調してしまい、対談本にありがちな盛り上がりに欠ける内容。が、対談相手は豪華メンバーではあり、各々の専門領域からの観点による主張にはそれなりの個性もあるので、相応の知見は得られるとは思う。ただし、対談時期が4~5年前なので、トランプ以後の世界情勢の変化に関しては全く言及はない。将来を予測する事も難しさも痛感する。他方、対米従属がさらに進んだ事は間違いないが、議論が米民主党政権の親中を前提としており、米中覇権争いが予測できていないのは学者・知識人としてどうなんだろうか?とも思う。