紙の本
今まで思想はわからないと思っていたけれど
2020/11/16 20:35
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
中島さんのこの本を読んだら、少しわかるようになった気がしました。やはり積み重ねが大事なのですね。ほかにも、少しづつ読んでみたいです。
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純粋で真っ直ぐな熱情はあるんよね。それをそれだけで是としてしまうのは簡単だけどとても恐ろしいことにつながりかねないわけで。イヤな言い方をすれば純粋で真っ直ぐなものほど危ないものはない。自衛艦が国会議員を罵倒した件とかさ、上司が「方法としてはあかんけど情熱あふれた故の行動やから大目に見たい」とかアカン。五・一五も二・二六も私利私欲でも権勢欲でもなくて、純粋な熱意に突き動かされた結果やからな。純粋な熱意にほだされて引きずられてたどり着いたのが八月十五日。中島岳志の文章って対象に寄り添ってはいるけど「でもアカン」ってのが伝わって来て上手いなと思うわ。
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個人的にはテロのところが印象に残った。テロに走る人の気持ちが一部とてもわかる気がして。
知らない人がたくさん出てきた。
20年来のテーマだとは。
中島さんの著作を割と読んでいると思ってきたが、「朝日平吾の鬱屈」とか全く知らなかったし、他にも読んでいない本がいっぱいあることを著者案内で知った。
「秋葉原事件」の時は、どうして中島さんがと思ったが、この本を読んで繋がった。「秋葉原」っていうのが、ちょっと悲しい(この本の感想になってません)。
求道学舎
子規庵
万世橋後赤レンガ
東京駅中央通路
ぜひ訪ねたい。
東京駅の地下通路はは何度も通っているけど、気にしたことがなかった。みんなは知ってるのかな。
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戦前の超国家主義思想について漠然としたイメージはあった。が、ひとりひとりの人物の経歴と思想を簡潔かつ的確にまとめ、それらを読みやすく並べたこの本によって、それがきれいに像を結んだ。第1章の1(北村透谷の死)と「あとがき」だけでも読む価値がある。
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国家によって与えられ、守られる個人あるべきなのか、国家を超越する理想を追求していく個人であるべきなのか。歴史上の出来事とはいえ、考え方やその行動力について今の時代においても気になるところです。
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戦前の主な超国家主義者を一人ずつ紹介しながら、時系列としては最終的に2・26事件で超国家主義が破綻するまでを描いています。
超国家主義が生まれた背景には、社会矛盾によって個人が抱え込んで「煩悶」があり、さらに社会における格差と分断があった、というのは知っていました。ただ、それが一人ひとりにどんな影響を与え、それがどんな連鎖をしていったのか、知らないことも多く、いまさらながらに「そういうことか」と思わされたことがありました。
紹介された人の名前は全部知っていましたが、思想や経歴を知っている人もいれば、名前しか知らなかった人もいました。大川周明や橘孝三郎、安藤輝三、井上日召のことはよく知っていて、好きか嫌いかといえば好きな部類に入る人たちです。そういう意味で、気分としては共感できることは多々あります。若い時を振り返れば「煩悶」を抱えるのも良くわかります。社会矛盾を解消するために「奸臣どもを討つ」と思い詰める志は支持すらしたい。
しかし、個人の心の悩みを政治によって解決しようとするのはやはり間違っています。個人の孤独をより大きなものと一体となり溶け合うことで解消するのは無理があります。結局、超国家主義の上澄みだけをすくったグロテスクな権力だけが残るだけのことでした。
一億層中流社会が崩れ、格差が広がり続けている現在、処方箋がわかるわけではないですが、考えるヒントをくれる本。歴史に学ぶことの大切さも思い出させてくれるかもしれません。