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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞社の仕事を辞めて、屋久島に行き、そこに住んでいるというのに驚きました。それも家族が一緒だというから、さらに驚きでした。でも、やっぱり住んでみないと分からない事が多いのでしょう。
紙の本
屋久島の歴史は伐採の歴史。
2018/07/31 15:52
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本で初の世界遺産登録を受け、今は観光客も自然を楽しみに多く訪れる屋久島。新聞社を辞めて屋久島に家族と移住したルポライターの著者が本書のタイトルとした「もうひとつの屋久島」とはなにか。本書の中ほどにこの答えが出てくる。
巨大な屋久杉は、貨幣価値のあるものとして昔から伐採の対象であった。江戸時代には年貢として、維新後は鉄道や建造物にも使われた。今も切り出し用の鉄道の痕跡が残っているそうである。大規模な伐採は戦中、戦後も続いていた。
屋久島の歴史は伐採の歴史。確かに「世界遺産」とは異なる「もう一つの屋久島」だ。伐採は山崩れなどの災害にもつながる。しかし産業として住民の生活基盤でもあった。著者はそのあたりの「葛藤」もしっかりと記述している。
「世界遺産」になった後には「観光地化」という面が現れてくる。日本で初めて「世界遺産」に登録された場所だけに「想定外」の問題も多かったようだ。せめてその後に世界遺産登録された場所の「想定した対策」に活かされていてほしい。
ルポライターの目がしっかりと感じられる一冊だった。子供向けの本としては難しい部類に入ってしまうだろうが、その分大人が読んでも読み応えがある。
本書で改めて感じさせられたのは「数千年かけて出来上がってきたものを数十年で変える人間の怖さ」である。壊すのは簡単、元に戻すのは至難。そんな言葉が頭に浮かぶ。どうやって折り合っていくのか。人間のありかたを問われている気がする。
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屋久島に移り住んだ著者が、世界遺産屋久島の歴史を調べるうち、国がこの貴重な原生林を長期間にわたって伐採し続けてきたことを知ります。自然保護を粘り強く訴え続ける一部町民の思いが、林業で生計を立てている人たちや、町議会を動かし、やがて国の施策をも動かして…。あきらめず声を上げ続けた人たちのおかげで、世界遺産に指定されるほどの豊かな自然が残ったことを教えてくれる本です。そして今、観光業と自然保護のはざまで、また屋久島は揺れ動いているのです。
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屋久島に移住した著者がたどり着いた事実は数十年前まで国が行っていた原生林の大規模伐採。島の生活基盤となっていた伐採を止めるのは極めて難しい道のりだった。意見を持ち続け行動で示し続ける大切さも語られている。
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南極や地球温暖化をテーマに北極圏を取材した朝日新聞の記者が、退社してまで取材したかった屋久島で見聞したのは、想像をはるかに超えた原生林の大伐採の歴史であった。同時に樹齢数千年ともいわれる縄文杉や亜熱帯から冷温帯で育つ植物が同時にみられる「植生の垂直分布」など、世界遺産でも知られる貴重な原生林を守ろうとした人々の闘いの記録ともいえる。次世代を担う子供たちへの期待を込めたドキュメンタリーだ。
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[学校]
2019年度の読書感想文コンクールの高学年用課題図書。
実は読書感想文の本は割と早く発表される。今年も一度本をチェックした覚えはあるんだけれど、、、早すぎてまだ発表されていなかったんだっけ?バタバタしていたらあっという間にこんな時期になって出遅れてしまい、図書館で借りるのは無理そうになってしまった(でも不思議!近隣三区&その周辺のがなかったという意味で、新宿区とか世田谷区とかは、まだ多少借りられる空きがあった!覚えておこう)ので、今年は学校の図書室の本を読むことに。
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課題図書高学年。新聞社を辞めて屋久島に移住した作者が、屋久島の自然が無残に壊されていた過去や守ろうとした人々の努力と、そこに住む人々の気持ち、それらを伝える。途中で泣きそうになるほど、この本を読んで、多くの小学生達が自然の大切さを感じてくれるといいと思う。
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朝日新聞社を退職した著者、退職して屋久島に移住。そこのところから始まり、屋久島の歴史、課題を記載。
ガイドブックなんかよりも、屋久島のことが十分わかるし、読みやすい。
でも、これ読んでると、また屋久島に行きたくなったなあ〜。
同時期に買った屋久島本の著者、長井三郎氏も少し登場。
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児童書だって一筋縄じゃいかない! 屋久島の今、昔の大変なこと、教わりました。
ありがとう、この本を教えてくれて。
ただ、キミの住んでる地区と屋久島の自然は規模が違うよ。
「ボクの住んでる地区も自然いっぱいなので~」
とかいってくれて。ありがとう。
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まだ屋久島に行ったことないが、世界遺産になるまでのいきさつや苦労などがよくわかる本。自然崩壊を守るマイノリティが最後まで戦ったことで屋久島が成り立つことがよくわかった。伐採が増えると人間ではできても自然では帰ってこないことがあるだと実感。奥深い本であった。小学生高学年でも読めるので読みやすい!!
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「もうひとつの屋久島」ってなんだろう?
多くの人が屋久島と言われてまずイメージするのは、巨大な幹で地面にドシンと岩のようにたたずむ縄文杉だろうか?
しかし著者は、そのような単一の屋久島像の殻を破ろうとして、屋久島の歴史と自然環境との両面から、屋久島の実像を描こうとしている。特に、屋久島の自然が残っているのは「当たり前」ではなかったことと、屋久島が誇る自然環境が縄文杉だけではないということが強調されている。
もう少し詳しく見てみよう。
今では信じられない話だが、江戸時代ころから、屋久島の大きく成長して材木としても良質な杉の木は、その立派さゆえに次々と切られていった。特に戦後から高度成長期にかけて、国主導で、建築材料として屋久杉をどんどん切ることが奨励された。
そして今から書くことは重要だが、経済成長を背景に、当時は何百年も生きてきた杉の木を次々と切り倒すことを誰も悪いとは思わなかった。いや正確に言うと、ごく少数だが「それはおかしい」と思う人がいた。最初は多勢に無勢で、その人たちの声はほとんど非難または無視された。でも屋久杉が成長するかのように何年も時間をかけて少しずつ輪が広がっていったのである。
つまり「もうひとつの屋久島」とは、少数者の意見が顧みられず、多数者によって目先の利益のために木を伐りつくされて丸はだかにされた屋久島の山々のことを言い含んでいるのではないのだろうか。事実この本では、その寸前にまで屋久島の自然が追い詰められたことが詳しく書かれている。
-こう書くと、「そんなにネガティブに読まなくても…」と言われるかもしれない。
でも「もうひとつのフクシマ」と言い換えれば、私が言わんとする意味はわかってもらえると思う。それに、日本の自然環境が近視眼的にあちこちで改変されてきた結果、自然は持続性を断ち切られて復元できずに退化し、あるいは自然とは似て非なるレジャーランドのような姿にされていることは、もう否定しようもない。
この本を通して読めば、今日のように自然環境を守るという考えと、自分たちの生活上の幸せとを同列に考えるようになったのは、一部の“少数者”が数々の困難や誤解にもめげず、自分の正しいと思う道を忍耐と努力によって推し進め、長い時間をかけて共感をふくらませてきたからだとわかる。
だから、自分の信念がなかなか共感を得られずめげそうになっている人は特に、この本を読めばいい。やはり「あきらめたらそこで試合終了だよ」だと、よくわかるから。
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屋久島といえば縄文杉をはじめとする屋久杉だと思っていたので、植生の垂直分布の方も重要な位置にあるとは知らなかった。
世界遺産である事が価値の指標みたいな言い方がどうしても気に入らないし、どうしても疑問点が小学生っぽくて、綺麗な面だけでまとめられるもののみを見せられるのは苦手。
今から批判を多くするけれど、問題提起自体は良いと思ってる!!内容について、実現が難しいから改善点があると感じた。あと偏った見方をさせてるような気がして。
例えば管理人を置くべきという意見は良い面しか取り上げられていないけれど、管理人を置く方が利益が大きいのなら、こんなに大きな観光地だし利点しかないものをやらないはずない。何か理由があると思うのだけど、それを「私は管理人必要だと思う。専門家もこう言ってる。」だけで終わらせるのは見方を偏らせているように見える。
屋久島専用のリュックがあれば良いという意見。多分専用のポケットを安心出来る位置に置くとしたら私が思いついたのはリュックの側面のペットボトル置きを拡張したようなものなのだけど、それだと周りの登山者に不快な思いをさせる部分はあんまり変わらない。リュックの内部に作ると、結局中身が溢れるのが不安。それに文中にもあるように、携帯トイレは軽い気分の観光客に心理的抵抗が大きいし、問題は多いはず。そんな簡単じゃない。そのあたりは技術者が考えろって事なのだろうけれど……。あまりに本にするには短絡的な気がする。
京大総長の山極さんが出てきて、ゴリラ研究の第一人者という印象だったからヤクザルもやってるのは驚き。ゴリラのハーレム・同性愛の観察や子殺しの研究の人。
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小学校高学年向けのノンフィクション。
高学年の児童が、屋久島の自然の素晴らしさ、自然破壊とたたかってきた歴史、多くの観光客が訪れることで起きている課題など、様々な視点から屋久島について考えることができる一冊。
屋久島と言えば、自然豊かな原生林、大きくて太い屋久杉、貴重な野生生物などが思い浮かぶ。
本書は、屋久島の大自然を中心にしているが、ただ素晴らしい、貴重だ、宝だと書き続けているのではない。
屋久島の抱える課題にページの大半をさいている。著者が一家で現地に移住し、島民の中で足で稼いでやっと得られた情報が満載だ。
屋久島の木々が伐採され続けてきたことは知らなかった。守る会の人たちが懸命に訴え続けてくれたことに、感謝してもしきれない。
屋久島の恩恵を受ける者の一人としては、もし観光で訪れることがあれば、トイレやゴミ、歩く場所など本当に基本的なことに注意して、太古の自然を愉しみたいと思う。
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世界遺産に登録されている屋久島。
深刻な現実を切実に訴えるこの作品は、是非とも読んでほしいです。
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世界遺産に登録されたこといよって、観光客がふえたのはいいけど、
そのせいで、縄文杉が傷ついたのは残念だと思う。
そのあとの栄養分をあたえすぎて逆効果など、確かに縄文杉が不幸におもえた。