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紙の本
言語と人間の意識との関係の考察
2018/10/23 10:46
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Takeshita - この投稿者のレビュー一覧を見る
「青春の終焉」以来数々の優れた文芸批評を発表してきた著者の最新作。人類が言語を獲得したのは相互コミュニケーションの発達のためだと考えられてきたが、著者はチョムスキーの説に依拠して言語は自分への問いかけ、内なる対話の産物であると考える。そこに孤独の萌芽があり思考の始まりがある。その後論述は古今東西の哲学、生物学、歴史学から大岡信、小西甚一、小林秀雄等の日本文学論に亘り、著者の博覧強記は読者を飽きさせない。それにしてもこれだけの難解な思考を70歳過ぎて粘り強く継続できる著者の「脳力」には感服する。現代の小林秀雄である。
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