紙の本
「憲政の常道」の終焉が世界に不幸をもたらした
2018/06/19 10:29
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投稿者:ZATO - この投稿者のレビュー一覧を見る
「本書の見どころは、憲政史家・倉山満の本気です」と冒頭に記されているように、著者の専門である「憲政の常道」そのものの前提となる事象について書かれた本です。
具体的には、満洲事変、五・一五事件、国際連盟脱退等について、主に内閣とその周辺、外交の観点から書いています。私自身は、石原莞爾を中心とした関東軍側の動きはそれなりに見てきてますが、本書のような視点ではあまり見てこなかったので、大変勉強になりました。
満洲事変当時、大日本帝国は世界最強だったという筆者の主張に賛成です。しかし、それから十五年もしないうちに大日本帝国は消滅してしまった。その原因を学び、今後に活かすために、心ある人はぜひ本書を読んで欲しいと思います。
紙の本
いまだからこそ
2018/05/15 17:55
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投稿者:451 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつの時代の話だ?と突っ込みたくなることだらけ。日本がダメな国になっていった悲しい時代のお話し。
どこが2日?→なるほど、その2日か!
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一度読んだだけでは頭が整理できず、2度通読した。
日露戦争以後、東アジア唯一の大国だった日本だが、数度の政変を経て舵取りを誤った結果、国際社会から孤立し小国に転落することになる。
適時適所に適材が配置されない仕組みやポピュリストが跋扈する政界は今のことかと思ってしまう。
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憲政史家の倉山満による満州事変についての一冊。
今回も最初に結論が書いてあって非常にわかりやすかった。
そして、自虐史感をベースとした通史と、実際の歴史にはそれなりに乖離があることを改めて感じた。
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2018/08/15満洲事変☆☆☆ 蔵山満
「国家の命運」を憂う書 「正論」を誤ると、「国家を滅ぼす」
第二次若槻内閣の退陣が「憲政の常道」の放棄となり、国家滅亡の運命を決めた。
「世界と日本の歴史を変えた2日間」
トップ層に胆力が失われた組織は衰退し、滅亡する
45歳若い著者ながら、問題意識も専門知識も大変刺激的 勉強になりました
Amazonで著作のいずれも高評価 タブーに挑戦している判りやすさ
自信過剰も鼻につくが、タブーをものともしない強い論述は好感が持てる。というより、大いに敬意を表したい。幾つかの謎が解明された。 満州事変の評価は大甘と思うが。
1.日英同盟の破棄 米国の意向 日本も積極受入れ 英国は継続を希望した
これも大きな判断の誤りだが、英国・米国の覇権争いの背景も影響 今の米国・中国
覇権争いがあったので、世界恐慌対策は二の次になったのでは
cf1905年12月 イギリス公使館が大使館に昇格
2.満洲の必要性
過剰人口の受入れ 明治5年(1872)3,500万人→昭和10年(1935)7,000万人
それがあったから国民は支持
国際情勢も有利 日本は満洲 欧州ロシアはバルカン 米国は中米
こういう分析がないと歴史の教訓にならない 文系はもっと歴史と哲学
世界史の視点が不可欠と言うこと
3.フランス革命とロシア革命は同じ これも改めて指摘されると納得
ルイ16世とロマノフ王朝ニコライ二世
ロベスピエールとレーニン
4.朝鮮軍司令官林銑十郎
独断の海外派兵は「統帥権干犯」 総理大臣の統治行為?
→「越境将軍」としてもてはやされ、総理大臣になった 組織としては危険な兆候
5.井上準之助 大蔵大臣「金解禁」 日銀総裁
(1)経済政策は大失敗
(2)協力内閣には断固反対
(3)錦州進出を止める 金谷参謀総長「天皇の委任命令」絶対命令
6.松岡洋右 国際連盟に残留派
⇔史上最低の外務大臣内田康哉 総理大臣斉藤実(226暗殺)「挙国一致内閣」
①満州国承認の取り消し
②熱河進出の撤退
国民は「勢い」を求めた その先を見ていたのは誰か
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満洲事変に特化した内容でとても濃かった。満洲事変というと軍部の暴走が〜という内容で語られがちだけど、元を辿れば政治の腐敗や劣化、経済の停滞が原因なのだと思った。
それにしても昔の文章がとても難しすぎて全く頭に入ってこなかった…。
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一言で言えば、何してくれとんじゃ、やな。
世界最強の大日本帝国が地球上から消えなければ、世の中はどんなに変わっていたか。
無論、ましな方にだ。
それが、近視眼的な官僚や俗政治家の利害関係や思惑で、全て吹っ飛んだ。
その結果が現在。
歴史に学ぶというのはこういうことだ。
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著者は、日本が満洲国を承認しなければ、そして、リットン調査報告書の結論に賛同すれば、世界を敵に回すことなく、大東亜戦争に至らなかったと言う