紙の本
待機児童問題は大変なことになっている
2018/05/28 06:21
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投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
一向に解消されない保育所待機児童。なぜ減らないのか、保育園を増やしていると言うが、どういった保育園が増えているのか、保育士が足りないなか、どんな保育が行われているのか、いま、保育の現場で起きていることのルポルタージュ。
本書を読むと結論は、保育が儲けの対象とされ、増えているのは公立保育園ではなく、株式会社などの企業立の保育園が多い。保育士の人件費が公定価格よりも低く抑えられているため、保育内容や保育士の質が落ちていて、虐待も行われているという驚愕の内容。子どもの命も失うケースも・・・「待機時ゼロ」とかいっていた施策の中身はとんでもない物だった。
しかし、よりよい保育実践をと本当の保育を行っている保育園も紹介されている。本来の保育を見失なわないためにも、政府の施策の欺瞞を浮き彫りにするうえでも貴重な実践の紹介だ。
こんなに保育格差があるのであれば、親の保活の大変さも推測される。入れればどこでもいいというわけではなくなるからだ。知人は、酷暑の中、おなかの大きい時期から十数園保育園の下見をするという。生まれてからも不安で、入れるまで生まれた子どもと向き合えずに保育園探しをするという。それでも入れないとなれば、ベビーホテルのようなところに一時預かりでとなる。
「子どもは3人産めといっている」「子どもを産まなければ他人の子どもの払った税金で老後の面倒を見てもらうことになる」と暴言を吐いて撤回させられた長崎の自民党の国会議員がいた。政治家として、どうなんだろう。保育のこうした状況を変えるのが政治家だろう。なんとかしろよ、保育。
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保育士の給料が少ないのは税金が足りないからだ、とか、保育士の専門性の欠如はぬるい資格だからだ、と思っていたけれど、委託会社による搾取や害悪保育士によるパワハラや経験浅保育士ばかりの職場環境などによるものだと知った。
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事例の紹介の仕方がやや勧善懲悪的で、わかりやすいが一面的な印象を持たれかねない感じがする。もちろん、現実がそれだけわかりやすく、よい保育所と悪い保育所に分かれていて、それを「保育格差」と読んでいるのかもしれないが。本来人件費にまわされるべき委託費が「弾力運用」の名の下に広告費などにまわされる、という問題については、やや煩雑ながらきちんと調査をして批判している印象。この点は本当に大切で、もっと社会的に大きな問題として取り上げられるべきだと思う。
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保育園に入園を考えているママさんは一読の価値あり。
自分はただただいい保育園に恵まれたということに感謝。
保護者向けっていうよりは保育園勤務を希望している人も読む対象。これを読んで研究していい保育園につとめてほしい。
学童の話もでてくる。
人件費比率というのは全く気にしたことなかったが今後この数字をみれば「あ~ここはそーいう考えなのね」とわかるようになった。
ただ身近な幼稚園経営者によると、7~8割以上超えると今度は経営がなりたたないってことなので、人件費比率が高けりゃいいってわけじゃないらしいです。
本当、保育園によって全然ちがうし実態が見えないので保護者も選ぶのは大変だと思うが、なによりも「こどもが保育園に行きたがらない」っていうのが一番わかりやすい指標なのかなと。
うちの子は0歳から預けてるけど一回も保育園自体がいやで登園拒否っていうのはない。(ベビーカーが嫌だ、とか絵本読んでからじゃなきゃいきたくない!っていうのはある)
あと親も保育園との係わり合いを億劫がらずに遠慮しないでどんどん聞いたつっこんでいくことが大事だとおもった。
結局は保育士の本人の適性がその園や保育内容に影響してくるから、むずかしいよなぁと思った。とにかく人を大事にしない保育者には当たらないように祈るばかりですね。
後半はもっと専門的な数字を交えた話がでてきたので飛ばしました。ちゃんと読めば勉強になるかと。
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保活の情報収集用に買いましたが、
「まえがき」だけですでに読み進めたくなくなりました。
おそらくすべての保育園がひどいわけではないので、
すべての保育園に対して疑心暗鬼にならなくてもいいと思いますが。
(どうしてもオールオアナッシングで物事を見てしまう癖があります)
筆者は待機児童が減らない最大の要因は、そもそも0歳児保育の利用希望者数の見積もり誤りによるのではないか・・・と見ていますが、きっと本当に需給がアンバランスになっているんだとと思います。
保育の質を下げることなく、受け皿を増やすのが今後の課題ですね。
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前半の保育の状況を読むと暗澹たる気持ちになりましたが、その原因が中盤で分析され、後半に載ってる「安心して預けられる保育所」を読んで少し希望が感じられました。保育環境の改善が結果的に少子化の抑制につながり、企業にとっても雇用環境の改善になってハッピー、みたいなストーリーを社会で共有できるといいのかなぁ〜?そうすれば悪徳保育業者はいずれ淘汰されるというのは甘いだろうか。
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タイトル通り、「どこの保育園に入るかで大違い」ということをインタビューなどであぶりだした本。これから保活をする方も、既に保育園に子供を預けている方も読んでおくといいかもしれません。悪い保育園の見抜き方が分かるようになります。
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最初から膨大な定量データの山にうわっと来たが、中身は保活する親なら知っておくべき内容。
保育士に限らず、毎日人のケアをする仕事に携わる方を本当に尊敬する。求められるものが高度でレベルの高いものにもかかわらず、その価値に見合う対価が支払われていない事に対しても矛盾を感じる。
保育園の問題は最近メデイアでも随分取り上げられるようにはなってきたが、その先の学童の話はまた目から鱗だった。
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搾取の構造は多分そうなんだろうと思う。でも、全体通して、じゃあどうすりゃいい?ってのが見えない。なぜ保育園だけが産業として成り立たないのか?