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中国を舞台にした水滸伝→楊令伝→岳飛伝と完読した時も初めの内は登場人物の多さに困惑しながら引き込まれたが、今回のモンゴルを舞台にした1巻はそれ以上にカタカナの登場人物、敵対勢力の関係等困惑しながら読む。
モンゴル族のチャト氏のイェゲステイはモンゴル族の統一の道半ばで死んでその息子テムジンは弟ベクテルを殺した罪で追われる身となり、砂漠を超え金国に逃れ妓楼を営む簫源基に仕え2年を過ごす。その間にははのホエルンは弱体化したチャト氏を守り抜くもタイチトウ氏の長であるトドエン・ギルテとタルグダイに攻められる。ジャンダラン氏のジャムカも同じくタイチトウ氏に攻められ従順な父の蘇生を良しとせず。タイチトウ氏はタタル族を攻める中、テムジンはチャト氏の家族の元に従者となったボウルチェと戻る。
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水滸伝とか本屋で見る度に読んでみようかと思いつつ、中国モノにはどうしても興味がわかずにいたが、ヨーロッパまでの世界帝国を打ち立てたチンギス・ハンとなれば読まない手はないということで。それぞれの章では、メインの登場人物たちの視点で語られ、それぞれがそれぞれの想いを徐々に絡み合わせていき、まぁそれが重厚なトーンで統一されていて、けっして読みやすい文章ではないが、グイグイと先に読ませてしまう燠火のような熱を帯びている。2巻めの鳴動が楽しみ。
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まずは序盤登場人物の顔見せといった感じ。人物視点を切り替えながら話を展開させていく手法は相変わらず上手いなぁという印象。
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ジンギスカンといえば、井上靖の「蒼き狼」だ。登場人物の凜とした独特の言い回しや、テムジンとジュチの関係が何ともいえず、何度も読んだ。北方氏はどうか。蒼き狼では多くの登場人物の1人で悪玉だったタイチュウトのタルグタイなど、人物一人一人が細やかに描かれている。作中には架空の人物もいるだろう。タルグタイやトドエンギルテに副官をつけたりと設定も細かい。物語としておもしろいし、この先どう描かれるのか。孫のフビライまでいってしまうのだろうか。登場人物がやや饒舌なのと俺、俺というのに慣れなければ。
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チンギスハーンを描く中国歴史小説の1巻目。
大水滸の岳飛伝の直後の時代ということもあり、北方歴史観の繋がりを期待したが、蕭という姓の商人や耶律姓の山師が関係するかなと思わせる程度でした。
テムジンの出奔から帰還までの間を群像劇的で多視点的に俯瞰していて、大変ややこしい当時のモンゴル族の状況が分かりやすく物語的な不自然さもなく説明されていたのは良かったです。
著者の「史記 武帝紀」に近い構成のような気がします。
モーニングの昨年12月から義経=チンギスハーン説をとった「ハーン –草と鉄と羊–」という漫画が連載されており、時期や登場人物が重なるので、並行して読んで楽しませていただきます。
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壮大な物語がまた始まった。今度の舞台はモンゴル。
登場人物の背景や関係は複雑だが、簡潔に書かれていてページをめくる手を止められない。
2巻も発売されているが、もったいないのでしばらく我慢する。
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買うまいと思いつつ、とうとう買ってしまいました。
買ってしまったら最後、何巻続くかわからない続編を買い続けねばならなくなる恐ろしいワナ
第1巻のみで我慢しましたが、明日には第2巻を買ってしまいそうな予感がします。
しばらく北方謙三の中国史モノは我慢してたのに、やばい、です。
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モンゴル族のテムジン(のちのチンギスハン)の生涯。一の『火眼』では、父イェスゲイが、タタル族に殺害されたのち、訳あって義弟を殺し、砂漠を越え南へと向かう。そして、出会いあり、修行あり、成長して故郷に戻る…。登場人物も多く、視点もテムジン中心ではなく度々変わるのが難だったが(それはそれで各氏族の事情・思惑等もわかり理解も深まるのだけれど)、地図と人物紹介のページがあり非常に非常に助かった。文章も堅苦しくなく読みやすく、これから壮大な物語が始まるんだなと続きが楽しみになる内容。運命的な出会いがいくつかあり、ボオルチュとの出会いや逃亡先の金での蕭源基、互いに影響しあえたのは良かったね、テムジンの大きさを語るエピソードの一つ。テムジンとサルヒ(テムジンの馬)がかける風を感じ読み進めていきたいなあ。
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モンゴル族キャト氏の長の子として生まれたテムジン(のちのチンギス・カン)は父を討たれ、南の地に向かうのだが…。ユーラシア大陸に拡がる大帝国の礎を築いた英雄チンギス・カンの物語。
匈奴、契丹族の遼、女真族の金…受験の世界史でお馴染みの民族名が登場し、懐かしかった。第1巻のせいかもしれないけれど、慣れないモンゴルの登場人物名に何度も巻頭の人物表を読み返した。ただこの巻を読む限り、チンギス・カンの魅力はあまり感じられない。巻を追うごとに主人公の魅力を高めていく手法なのだろうか?
(Ⅽ)
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新しく始まった大好きな作家さんのシリーズ。今度はチンギス・カンの物語、まだ10代前半で今後が楽しみ。大水滸みたいになるといいいなあ。始まったばかりで&登場人物多し&聞きなれない名前で主な登場人物と照らしあわるのに一苦労。
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★2018年8月4日読了『チンギス紀 一 火眼(かがん)』北方謙三著 評価B+
またも始まってしまった北方長編。読み始めると止められない止まらない。
中国の歴史小説シリーズ、水滸伝19巻+楊令伝15巻+岳飛伝17巻の後、北方謙三は、すでに齢うん十歳の筈、なのに衰えないその創作意欲には頭が下がる。彼がまた長編を書き始めたからには、完結してくれることを祈りながらまた読み続けるしかない!
テムジンは、モンゴル族キャト氏の長イェスゲイの子として生まれるも、10歳の時にタタル族に父を殺される。
その後、キャト氏は、モンゴル族の他の部族、タイチュウト氏やジャンダラン氏に服属し、辛い日々を送る。
タイチュウト氏のリーダーの一人、トドエ・ギルテは、キャト氏を取り込もうとテムジン(のちのチンギスハン)の異腹兄弟のベクテルに近づくも、それを察知した13歳のテムジンは、ベクテルを殺して逃亡する。物語はその辛い逃避行からスタートする。
ただ、逃避行を始めて、テムジンに付き従うボオルチェとの出会いがあり、西に進み砂漠を越えるところでは、ソルカン・シラという商人に行き会う。彼からは、砂漠の中のオアシスの位置を教えてもらい、馬を譲られ、彼に紹介された大同府で妓楼、書肆(しょし、本屋)を経営する簫源基を訪ね、彼の元で用心棒兼世話係で糊口をしのぐこととなる。
一方、ジャンダラン氏のジャムカ、タイチュウト氏のタルグタイやトドエ・ギルテ、そして、メルキト族のトクトアら各部族の若きリーダー達はそれぞれの中国北方の地で力を急速に付けていく。また、テムジンの力を恐れるタイチュウト氏のリーダーは、テムジンに刺客を送ったり、動向を探り、キャト氏の復活を非常に恐れていた。
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北方謙三先生の次の大作、もしかして最後のシリーズになるかもしれないチンギスハンの一生。
水滸伝シリーズが終わって久しく脱力していたが、また北方先生のシリーズが読めると思っただけで、本当に楽しみがとまらない。
チンギスハンと言えば、高校生の時に出会っていまだにその壮大さと面白さに震えた蒼き狼(井上靖)が忘れられない。結局、モンゴルまで旅することになった大切な1冊だった。
父親の死後、弟を殺したテムジンが金国で静かに過ごす日々から始まった物語。
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テムジン,ジャムカ,ボオルチュなどあまりにも早熟すぎる子どもたちに唖然.厳しいモンゴルでは早く大人にならないと生きていけなかったのかもしれない.1年で大きく成長していく彼らから目が離せない.いよいよキャト氏に戻ったテムジン,次巻が楽しみだ.
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実は北方謙三さんの本は初めて読みます。
すごく面白かったです。
チンギス・ハンという英雄を、どのように描くのか?そこに純粋な興味があり、手にとってみました。
モンゴル帝国を築いた英雄がどのような人物なのか、実際お会いすることは、今の私たちには叶いませんが、誰かの創造のエネルギーを借りることで、知ることはできます。
チンギス・ハンが生まれた当時のモンゴル族はどのような生活をして、どのような食べ物を食べていたのかもきちんと描かれていることで、彼が生きていた時代にいるような感覚で、読むことができました。
だからこそ、テムジンがどのような考えが生まれ選択をするのか?が自然とリアルなものに感じてきます。
そこから見えてくるのは、やっぱり英雄になる者は、生まれながら違うものなんだなと思いました。
普通、人は誰かに惹かれて、そこから、なにかを学んで生きて行くものじゃないですか。
この世界でも、よくある物語の主人公のドラマとしてもです。
だから、テムジン自身が人と繋ぐのではなく、テムジンに会ったものがテムジンとつながりを持とうとする。
そういうテムジン自身の出会いの物語に、新鮮さを感じました。
テムジンのこの物語から、人生の生き方を学んでみようなんて、そんなことは思っていません。
ただ、テムジンのカリスマ性に惚れながら、読み進めて行くだけです。
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北方さんの存在は昔々から知り、ハードボイルド小説を書かれているのは知っていたけど、読んだのはこれが初めて。
同じような名前の登場人物がいっぱい出てくるので最初に登場人物一覧表があるのは助かった。
モンゴルの歴史に興味はなかったけれど、読んですっかりモンゴルの暮らしに興味を持った。
上巻で登場人物の背景と後半起こる波乱を匂わせてつづく、という締めくくりは見事!
すぐに続きを読みたいが予約であと一か月待ち。
うる覚えにはなりそうにないほど一気に読めたので間に他の本読んでても大丈夫そう。
同じ表現の使いまわしが度々あるのはご愛敬か?w