1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全編詩の1節のような文体。
物語自体はこの本の中で完結している。
開いて
めくって
閉じて。
その全てを味わう物語。
投稿元:
レビューを見る
『毒吐姫と星の石』ぶりの、紅玉いづきの久しぶりのファンタジー作品。
『MAMA』で泣いた口で、それ以来紅玉先生の作品は発売のたびにチェックしている。
今作は久しぶりのファンタジーということで期待していたが、なんと言おうか…これはまだ『序章』と感じた。
何せ、表紙にも描かれている『男』と『少女』がきちんと出会うのは本も半ばに差し掛かってからだ。
少女と男の間にはまだ言葉が足らず、絆も薄く、『すべてはこれから始まっていく』というところで話は終わってしまう。
この一冊で物語として満足するなら、もう50ページは欲しかった、というのが本音。
久しぶりのファンタジーだったが、なんだか物足りないな、という印象で終わってしまったのが残念だったが、ファンタジー要素たっぷりの世界観はよかったと思う。
投稿元:
レビューを見る
紅玉先生は、ちりちりと痛くてぐっと胸を締め付けられるような、そんな感情を描写するのが上手いなと毎回思う。今回の物語は背景描写が少なかったとは思うが、その分じりじりと熱い、キャラクターの想いを感じた。
投稿元:
レビューを見る
ミステリーを読んでいるようで、紅玉さんの物語の匂いがとてもいい塩梅でした。
2人が出会い、生きる、ただそれだけなのに泣いてしまった。
感情移入しやすい方、過去作で涙ぐんだことがある方は後半読む場所注意かも
投稿元:
レビューを見る
久しぶりに紅玉先生の描く「少女」に触れられた。本作はプロローグのようなものだと思っているので、もっとこの二人の物語が読んでみたい。
ひとつの親子のやり取りがとても印象深かった。
投稿元:
レビューを見る
『孤独』は力なのか。
強いから孤独でいられるのか、弱いから孤独なのか。そんなことを延々と考えさせられてしまったのは、自分がひとりでいることを好むからかもしれない。
孤独を愛する悪魔に憑かれた男と、死霊術士の孫娘の少女のお話。相変わらず電撃文庫らしからぬファンタジーだが、その独特の言葉運び、そこから紡ぎ出される物語は力強い。叙情的な表現が多く、場面の実態が掴めないところも少なからずあったが、これはそういう世界観に浸るのが正しいのかもしれない。
孤独と、繋がりと、愛と、強さをめぐる一作だった。
投稿元:
レビューを見る
なんとなく結末は見えるものの、シュガーリアが可愛かったので問題なし。二人が1日でも永く共にいられますように。
投稿元:
レビューを見る
孤独を好む悪魔に憑かれた男ヨクサルと、死霊術師の孫、シュガーリアの童話めいた物語。島を舞台に物語が展開していきます。話が進むうちに伏線が見事に解かれていくのは見事。
冒頭、孤独と閉鎖的な薄暗さがありましたが、終盤は白い羽と共に明るいものへと変わります。
続き書けそうです、あれば読みたいですね。
投稿元:
レビューを見る
最初、全然集中できなくて一度置いた。読み始めるまでにも少し置いたくらいなのに。結局買って2週間くらいあいてから読んだ。ようやく集中できて、がっと読めた。
半分を越えたあたりでだいぶ本の世界に入れて楽しかった。結末は全然考えてもなくて、そうだったのかー、と思いながら読んだ。
毒吐き姫から7年半経ったらしくて、もうそんなに時間が経つことにびっくりした。次はいつ読めるか、楽しみだなぁと思う。
投稿元:
レビューを見る
紅玉いづきさんのファンタジーが好きで嬉々として読みました。繊細な雰囲気などから受け取るイメージが概ね絵本のような方なので、死霊術師を題材にどんな話なのかと気軽に読み始めたら泣きました。
みんながみんな小さな願いを持つけどことごとく禁忌に触れてしまうし、禁忌という文字やイメージから大仰な想像をしてしまうだろうけど、きっかけは些細なことで、とても人間臭いところがとても良かったです。
実行できてしまう力とタイミングだったっていうだけなんだよなぁ、と。
これもひとつの愛の話で、繊細で苛烈なんだけど優しさに満ちた平凡な愛なところが好きです。
投稿元:
レビューを見る
紅玉いづきさんのファンタジーはおとぎ話のような雰囲気で、どんなに辛く傷つくことがあっても最後はなんとか大団円に持っていくイメージがあったのだけど、今回は大変力強いメリーバッドエンド。こんなありふれた言葉で表現してしまってよいのかと躊躇う気持ちもありつつ、これをハッピーエンドと呼ぶことは私にはできない。
この二人には救いがない。遠からず壮絶な孤独が待っている。終わらない。なのに終わりのワンシーンだけ切り取るとほのぼのしくすら感じられてしまう。お疲れ様と労いたい気持ち、今二人の間にある穏やかな時間を祝福したい気持ち、でも確実に背後に迫っているだろう別れの時を考えずに居られない気持ちが綯い交ぜになる読了感。つらい。好き。
投稿元:
レビューを見る
永遠がもたらす空虚より、終わりのある安らぎ。
孤独と孤独が作りだす、絆。
残酷だけれど優しい童話のような物語。
投稿元:
レビューを見る
二人が孤独であることに変わりはないけれど、シュガーリアとヨクサルが一緒にタルトを食べたり、世界の景色を眺めることができるならば穏やかな気持ちになれる。やっぱり紅玉いづき作品は好きだ…。
投稿元:
レビューを見る
愛する喜び。それを失う悲しみ。
突き詰めると、この感情の動きが全ての根源にある、という物語なのか?主人公二人に限って言うと。
ただ、愛という感情の高まりの結果が、復讐に収斂されるというのが、救われないなぁと思います。それを望む悪魔の存在もあってこそか。
愛できらめいていた過去に囚われたシュガーリア。
決して手に入らないきらめきを求め続けるヨクサル。
二人の出会いと結末は、終わりと救いのない物語の始まり、と感じました。
そんな中で、唯一の救いは小枝の彼。
想いは果たされた。
投稿元:
レビューを見る
ネクロマンサーのじじさまばばさま達の忘れ形見である愛しか知らないシュガーリアが、孤独を力に変える悪魔を背負うヨクサルに出会う為、愛を与え愛を得る為、呪われた島にやって来る。魂の宿る小枝のラモが可愛い。ぶわぶわと広がる世界で焦点が合った瞬間、特にシュガーリアの生い立ちにハッとした。祈りのような殺戮達。