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ミステリ作家が身の回りでいろんな謎に遭遇し、推理力で解決していく短編集。直感で解く軽いものから、フェアプレイなフーダニットまで、出来にバラつきはあるが面白かった。タイトルの様にお茶でも飲みながらサラッと読める一冊になっている。
一話ごとに「著者よりひとこと」があり、手の内をさらけ出していて良かった。最後のあとがきすら書かない日本人作家がいるけど、こういうサービス精神が欲しいね。
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作家が探偵役の小説は多いが、この主人公のミステリ作家はでしゃばることなく謎を解いているのが気持ち良い。ロマンス小説作家の奥様には逆らわないところも良い。
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まさにお茶をしながら読めるようなかなり短い短編集。題材も身近なものが多く、文体も読みやすかった。
主人公もなかなか魅力的。
ただ、短編ごとにあるあとがきはいらないかな。
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そこそこ名の売れた?推理小説家、レオポルド・ロングシャンクス。
妻のインタビューに付き添った喫茶店の窓から、とある立食パーティーの会話から、タクシー運転手の相談で、シャンクスは謎や事件に巻き込まれて、解決してゆく。14話が詰まった短編集。
殺人事件、ポニー誘拐、特殊詐欺、強盗、それぞれがコンパクトに語られて、最後にニヤリとして終わる。
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」なんて言いつつ、警察に助言したり。
50代の余裕を見せつつ、作家仲間へは皮肉な視線をむけて、妻の顔色を伺うシャンクスがリアルで、アメリカの作家の私生活が垣間見えるのも面白かった。
一話一話の最後にある作者のあとがきとか、シャンクスが時々みせる偏屈ぶりにヘゲーとなりつつ
「あなたってときどきいけ好かないわね。だけどその話をぜひ聞かせて」という気持ちに。
もう少しカルフォルニアへはお手柔らかにお願いします。
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中年ミステリ作家、シャンクスを主人公にしたミステリ短編集。シャンクスは探偵役なんかやりたくないのに結局謎解きをさせられるハメになる。シャンクスのぼやきにクスリと笑ってしまう。どの短編もユーモアを感じる終わり方で、タイトル通り、お茶でも飲みながら軽く読める。特に「シャンクスの怪談」のラストが好き。それぞれのお話の最後に、著者のコメントがあるのもいい。
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タイトルだけで「あぁ、軽いヤツな。海外版ラノベな」と思っていたのだが、いやいやこれはオモロい。タイトル通り、お茶でも飲みながら、あるいは通勤電車で1編ずつとか、軽く読めるのは間違いないのだが、決してラノベではない。
日常ミステリーもの…と括ってしまえばそうなのだが、短くて(20Pくらいかな、中にはショートショート程度のものも!)かつ、起承転結はっきりしてて、ミステリー部分も抜かりなく、キャラクターの個性まで書き分けている。その上で洒落ているというかあか抜けているというか…。
重厚長大な作品もいいが、薄くても軽くても面白い小説は駈けるのだということ。星新一が教えてくれていたこのことを、歳をとって忘れていたみたい。この本を読んで思い出せて良かった。
作者の短編集がもう1冊出たみたい。機会をみて読むこととしよう。
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面白かったなあ。
読み終わりたくなかった。
思わずニヤリとしてしまう短編集。
黒後家蜘蛛の会を彷彿とさせる雰囲気。
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日本初お披露目ロバート・ロプレスティ。本作は翻訳高山真由美さんの持ち込み企画。主人公は50代ミステリー作家奥さんもロマンス小説作家。主人公がなんやこんなんで殺人事件、日常のミステリーに巻き込まれ解決する14の短編。軽く楽しく読めました。続編よろしくです。
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ミステリー作家が探偵役になるちょっと洒落た感じの連作短編集。主人公の身の回りにあれやこれやの事件が起こるのだが、うーんたくさん起こりすぎだと思いつつ、アメリカだったらこんなものかなとも思ってしまう。作家もパーティーやチャリティーだとか、作家仲間やエージェントとの関りやゴーストライターの問題やら、いろいろ大変そうだなあと他人事ながら心配してしまう。主人公のシャンクスはロマンス作家の奥さんにもいろいろ気を使っていて大変そう。「幸せな結婚生活がこんなに長くつづいている理由のおよそ半分はシャンクスにあったので、『だからいっただろう』などという言葉が口をついて出ることはなかった」という文章があって見につまされる。続編が出ているらしいので楽しみだ。
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ミステリ作家が主人公の短編集。
盗難や殺人などの事件もあるが全体的にユーモア溢れる雰囲気で、一編が短いこともあって軽く読める。作家同士のやりとりなども楽しい。
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さて。これ、大好きなんですが、いわゆる衝撃のどんでん返しとかトリックとか伏線とかテーマとか、そういった一点突破の特長を持つタイプの作品ではないため、固有の面白さを説明するとなると、ややもごもごしてしまうところ。でも個人的にはやはり生涯ベスト級くらいに好きな一冊なので、以下、頑張って言葉にしてみようと思います。
50代のミステリ作家であるレオポルド・ロングシャンクス。通称シャンクス。自己紹介でも自分から「シャンクスと呼んでくれ」と言い、ロマンス作家で結婚20余年の妻であるコーラからもそう呼ばれている。そんなシャンクスは、日常の仕事がらみや交友関係などで訪れる先々で、なぜだかたびたび事件や謎に遭遇し、ぶつくさぼやいたりしつつもウィットに富んだやりとりで切り返しながら、何だかんだとそれらを解決に導いていく。妻のインタビューに同行した店で、ふと窓の外に見えた男たちのやりとりに軽犯罪の匂いを嗅ぎつけ(「シャンクス、昼食につきあう」)、殺人容疑で捕まった友人の罪を晴らしてほしいという頼みを断れず、しぶしぶ警察署に赴き(「シャンクス、ハリウッドに行く)、知人の主催するミステリー・ウィークエンドで死体役を務めた翌日、犯人当ての景品である稀覯本が消えてしまうという事態に巻き込まれて……(「シャンクス、殺される」)。
などなど、人が亡くなる話もありますが、全体としては“日常の謎“テイストのエピソードが多く、またシンプルな謎解きとはやや趣向を異にした展開のもの、ショートショートに近い枚数のものなど、ユーモラスにしてバラエティ豊かなミステリ連作短編集となっています。
――「ぼくは話をつくるだけです。本物の事件を解決する方法など何ひとつ知りませんよ」
偏屈なところもあるが基本的には常識人で、妻から詰め寄られて言い訳を考えたり誤魔化したりしながらも、冷静な洞察と機転、そして時には「これは作品に使えるかも」というような下心を発揮して、皮肉を交えたりしながら立ち回って事態を落着させる、そんなミステリ作家シャンクスという探偵役の造形がまず、絶妙なバランスで好感が持てます。また夫婦ふたりとも作家ということもあって、そういった業界の社交の場の描写では、作家を名乗るただの自費出版のアマチュアにからまれたり、的はずれなインタビューを繰り返す記者に脱線しないようそれとなく水を向けたりと、お仕事小説としても読んでいてついニヤニヤしてしまう「あるあるなんだろうなぁ」という描写が散りばめられてもいます。
短編ミステリとしてもしっかりロジカルで巧み、またどのエピソードも洒脱な読み味でとても小気味良いです。そのうえ現代の話なので、翻訳だといわゆる古典に名作が多い印象の「コージー・ミステリ」の系譜で、ふつうにパソコンやスマホといった昨今のアイテムが登場するという雰囲気も何だか新鮮。ひたすら「あぁ、楽しい~」とクスクスしながらページをめくりながら、気の利いたセリフとともに締まる軽味に毎回嘆息し、読了後から「この調子でシャンクスものをあと100作くらい読みたい!」と本気で思うほどに、個人的には続編熱望。
ちなみに本書、訳者(高��真由美)さんが海外のミステリ雑誌を購読していて発掘し、翻訳の企画を日本の出版社に持ち込んだところから刊行にこぎつけたという、実に貴重な収穫たる一冊でもあります。高山氏の「疲れた日の寝る前に読めるような、軽やかな読み物があってもいいのに」という表現がまさにしっくりくる、ゆったり構えず楽しんでほしい連作短編集です。
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推理小説作家自身が主人公となって、自分の身の回りで起こった事件や謎を推理し、解決していく内容で、結構面白く読めた。短編集で気軽に読めるのもいいし、1作ずつ著者自身の解説が付いているのも面白い。
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広間に集まる関係者、歌舞伎か浄瑠璃の口上みたいな謎解き、「仕方なかったんだ」と泣き叫ぶ犯人、近づくパトカーのサイレン……みたいな〝あからさまな勧善懲悪〟が皆無で読んでてストレスがない 結局ミステリ系統はこういうのに行き着いちゃうな
にしてもシャンクス(とコーラ)は善人すぎるな 資産家のご子息でも超絶売れっ子作家でもないのに容疑者の更生にこんな積極的にお金と時間を使えるのかよ
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ミステリー作家が主人公のミステリー小説短編集。
一つ一つの物語が短いので、読みやすいです。また、主人公が「俺が俺が」と言うタイプではなく『ミステリー作家は文章を書くのが仕事で、事件を解決するのは仕事ではない』と言うタイプであるところも、面白いところです。それでも、なんだかんだ言って、事件解決に関係してしまうんですけどね。
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まさにコージーミステリーど真ん中と言いたくなるようなお話が詰め込まれた短編集。
各話のページ数が少ないうえに重々しい事件も起きないので、コーヒーを片手に寛ぎながら読むのにピッタリだなと。
何だかんだで謎を解いてしまうシャンクスと妻コーラのやりとりも非常に微笑ましい。