投稿元:
レビューを見る
磨くと願いが叶う鏡。
でもやっぱり願いを叶えるためには何かしらその代償はあるんだなと。
というか、誰かが不幸になるような願いはいけない、っていう道徳的な物語なのかも。
投稿元:
レビューを見る
五編の連作短編。
「泣きぼくろの鏡」の「奥様」は心を病んでいる。
その「奥様」が毎日覗く鏡。
「奥様」の世話をする看護師は、髪を梳きながら「奥様」と共に鏡を覗き込むことで鏡に魅入られる。
そしてその看護師がたどる道は、破滅への道であった。
いや、もしかしたら、鏡に囚われることは、幸せであったのかもしれない。
時代は降り続け、鏡は持ち主を変えながら、皆の人生を狂わせていく。
初めの三編は自業自得とも思えるが、後の二編は他者への愛を感じさせる。
結末はどれも幸せな終わりとはいえないが、子やきょうだいの間の愛は特別なもの、という気にさせる。
それは鏡が見せた幻想かもしれない。
しかし、その幻想を信じたくなるのもまた人の心というものだ。
鏡が人を狂わせる、そんなことがありうるのか。
鏡はただの鏡にしか過ぎず、噂を信じたことで、人々は自らに呪いをかけ破滅した、ともいえよう。
鏡はその人の本質を映しただけだ。
悪魔が住むのではなく。
でも......願いを込めて一生懸命磨いたら、鏡は私に何を映すのだろう?
どんな未来を見せるのだろう?
投稿元:
レビューを見る
願いを叶えてくれる鏡のお話。
なきぼくろの鏡
ナルキッソスの鏡
繚乱の鏡
奇術師の鏡
双生児の鏡
表紙の怪しい感じに一目ぼれ。
帯にあったように清々しいまでのバッドエンドばかりでした。
いや、繚乱の鏡はハッピーエンドかも…ww
一つ一つの話は短いけれど、鏡がリレーのように人の手を渡っていき全体的には長編のようでした。
こういう構成とても好きです。
投稿元:
レビューを見る
時代背景からして既に好みでした。
こういうスマホとかPCとか出てこない世界観、大好きです。
個人論だけど、楽しく読んでる小説中に実在のアプリとかSNSの名詞が出てくると、どうしてもちょっぴり萎えてしまうので"(-""-)"
しかし秋吉さんの小説を読んでるとちょくちょく思うけど、ときどき、どうしようもなくつまらん女が出てくる。いや話は面白いしすぐ読んじゃうんだけど、なんというかつまらない。自分基準オンリーのエゴ女。ぶちのめされる様は爽快でした(●^o^●)これネタバレにはならない…よね? 一応チェック入れといてみようかな?
短篇全部、自分の中では大当たり。さすが秋吉さん。
まだストックしてるのがあるので、大事に読みたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
飽きさせない構成になっていてとても面白かった。鏡をテーマにしてお話が作られていて、凝っていてすごかった。
投稿元:
レビューを見る
鏡にまつわるある話に魅せられる人たち。
精神病棟に入院する妻を思う夫の姿に嫉妬した看護師が
愛される妻の立場になりたいと願った結果。
夫の新しい妻になれたものの、次第に心を病み、自分が殺めた元妻とおなじ病院に入院させられるようになるまで。
偏屈な鏡研ぎ職人が恋した相手は美青年で、不器用ゆえに生きているうちに通じなかった2人の思い。
関東大震災で顔を大怪我し、表にはなかなか出ることのできなくなった高利貸しの男が入れ込んだ舞台女優。
何度も裏切られ、都合のいいように扱われ、それでも突き放すことはせずに最終的に彼女の望むように誰にも見つからないところへと連れ出すまで。
戦後、自分の利益のために孤児を術師として稼がせていたのが
やがて孤児を立派な術師として成功させてやりたいと思うようになった矢先の不運。
互いに貧しさを知った双子だったのに、サーカス団に引き取られてから変わってしまった双子の姉。
それは自分を守るためだったことに気づいたのは、姉を殺してしまった後だった。
すらすら読めた。
ホラーちっくでバッドエンド。
鏡の力というよりも、人の欲や妬みというものは、恐ろしいもので。
投稿元:
レビューを見る
望みを念じながら磨くとかなうといういわくつきの大きな金属製の鏡、章ごとに鏡の所有者は変わっていく。実は鏡には魔力はない、それを望む人間の醜さ、欲の深さがそうなっているように見せているという話。他人になり代わりたいとか富を得たいとか願った人は最後は不幸な結末となる、登場人物の中でただ一人、死んだお母ちゃんに会いたいと願った男の子だけは不幸にならなかった。
投稿元:
レビューを見る
願いを叶える力を持つという鏡。
その鏡に願いを込める人。短編集なのでスラスラ読める。
結局、強く何かを望みすぎて我を忘れてはいけないってことだよなぁ。
投稿元:
レビューを見る
鏡にまつわる5つの短編からなる。ホラーテイスト。
実はこういう話は大好きである。
秋吉さん、こういう話も書かれるのか~。ますます読むのが楽しみになる。
「奇術師の鏡」は胸打たれた。良かった!
投稿元:
レビューを見る
サラッと読めて面白かった。自分の欲望で周りが見えなくなって、真実や大切なものが隠れて、全てを失うのね…。
投稿元:
レビューを見る
これ、鏡にお願いするから怖さが倍増なんだろうな。
いわくつきの物が人から人へと伝わっていくのがいいな。
他人を蹴落としてでも手に入れたいものって誰にでもあるのだろうけど、努力して得るのが1番納得できそう。
投稿元:
レビューを見る
「泣きぼくろの鏡」
願いを込めながら綺麗に掃除を。
彼の魅力に惹かれる者が多いのか、それとも彼女たち以外の誰かも鏡に願い続けているのか答えは分からないが同じ様な事がまた起きそうな気がしたな。
「ナルキッソスの鏡」
実らぬ恋とすれ違いの想い。
同性を好きになるというのはただでさえ結ばれるまでも困難な事なのに、互いの想いは通じあっていたのに勘違いしたまま結ばれないというのは報われないな。
「繚乱の鏡」
騙し続けた者の末路。
彼が勝手に狂った訳でなく、彼女が彼の良心を踏み躙っていったからこそ徐々に彼は壊れ狂った思想を持つようになり最後にはあんな事をしてしまったのだろうな。
「奇術師の鏡」
偶然出会った二人と鏡から現れる母。
彼もまた鏡に魅入られてしまっていたのだろうが、死に際に大切な事に気付けたのは彼自身の中で二人過ごしどんどん出世する息子の事を見ていたからなのだろうな。
「双生児の鏡」
表と裏の生活を交互にと約束したはずが。
彼女は自分の身に起きたことを妹には決して経験させたくないと思い、自分の身を捧げ彼女を突き放す事により護っていたのに本当を知らないが故に起きたすれ違いだったのだろうな。
投稿元:
レビューを見る
「暗黒女子」「自殺予定日」を読んでいた秋吉理香子さん、鏡を主軸に据えた連作短編集。装丁の、豪華な鏡を背にして美しい黒髪を梳く女性の表情が陰鬱で不気味さを醸し出す。
鏡って昔から占いや神事などに使用されていたからか、あまり気持ちの良いイメージではなく近付き難い印象。かの邪馬台国の女王、卑弥呼を思い出す。
今回出てくる鏡は最近のガラス製じゃなく、何度も磨いて姿を映す金属製の鏡。願い事をしながらその鏡を拭くと、願いが叶うという曰く付きなのだが少し角度変わった結果をもたらす…。
どの話もぞわぞわ出来て面白いし好ましい。乱歩的な物語もあった。人間の欲がグロい。鏡の物語って結構出尽くしてるかと思っていたけどとても楽しめた。著者の真骨頂、真髄が見られるイヤなお話。でも好き。
自分なら何を願いながら鏡を磨くのだろう?
投稿元:
レビューを見る
願いが叶う一枚の美しい鏡に翻弄されているようで、実際は妬みや欲を鏡のせいにして不幸になっていく人々を題材にした、5つの連作。犯罪だが、榊(繚乱)が最も幸せな結末だと思う。源さん(ナルキッソス)とアナベラ(双生児)は誰も救われず嫌な結末=秋吉さんらしい。
投稿元:
レビューを見る
これは……イヤミスなのかしら??
どうにもゾワリとする連作短篇。
どれも「うぅぅ」と思わず声を出してしまいそうになる、でも秀逸なお話ばかりでした。
1番好きだったのはナルキッソスでしょうかね。
源さん龍ちゃん。
あと、繚乱は少しオペラ座を思い出したりして。
短くとも刃が鋭く、どれもグサリと琴線に触れるお話ばかりでした。