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面白かった。
願いを込めて磨くと、それが叶う魔力を持った鏡。
短編集でありながら、前の持ち主がチラリと出てくるのもなかなか良い。
結局、その鏡にはなんの力もなくて、本当はこれらの悲劇をもたらしているのは、磨くその人の恐ろしい願望なのだと思う。恐ろしいことを願えば、それはおのずと自分に返ってくる。だって鏡はそういうものだもの。ないものは映さない。
一番好きなのは『繚乱の鏡』。
万華鏡を覗くことが唯一の癒しだった榊が、大切な人を閉じ込めたそれを作ったのが素晴らしい。耽美的でその発想に圧倒された。
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怖い。
それぞれの欲望。磨き続けることによってより膨れていってしまうんだろうなぁと思った。
『奇術師の鏡』のみ、なんだか未来の見えるお話で好きやった。
こんな鏡があったら…普段隠してる欲望とかが出てきてしまうんやろか。
恐ろしい。
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初めての秋吉さん作品。一つの鏡にまつわるストーリー。その鏡に囚われた人は誰一人幸せになっていない。時代背景が結構好き。面白かった。
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魔力のある鏡と呼ばれているが、実は人間の欲望、嫉妬、妬みなどを映し出す鏡である。前の物語がさりげなく交差しており、この鏡に出会った人全員が不幸な目にあっていく。
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磨けば願いが叶う鏡にまつわる短編集。どれも面白かった!真実を知らず思い込みで行動して失敗した話が残念だなぁと。でもありがちだよね、そう思うよね、と思いつつ読みました。
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心をこめて願い事をしながら磨くと願いを叶えてくれるという不思議な鏡に魅せられた人たちを描いた連作短編集。美しいが呪われた鏡なのか、持ち主はみな、願いは叶うものの次々と不幸におそわれる。
美しい文章にまるでおとぎ話のような雰囲気、それがまた怖さを引き立てて、ホラー小説のよう。人の目を反らしたくなるような暗くて黒い感情が嫌というほど目の当たりに。
怖かった、でもすごく面白かった。
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短編の集まりだが、一枚の鏡で物語が繋がる。
どんなことでも磨けば願いが叶うという鏡。
胡散くさそうな設定なのに、願いが叶った人間の止まらない欲と、欲で自分の鏡が曇った真実の構成がどの短編も面白い。
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どれも面白かった。双生児の鏡が切なかった。ナルキッソスの鏡もだが、人間相手の気持ちはわからないのだからちゃんと伝え合わないといけない。
人間の欲深さが、願いの叶うと言われる鏡によって顕著になり、欲を求め続けた結果破滅してしまう。もし私にも鏡があったらどうしていただろう、いっときの間でもいいから幸せを求めるのか悩ましいと思った。身の丈にあった平凡な幸せで満足するのが間違いない。
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磨くと願いが叶うと言われている鏡にまつわるお話。
どのお話も最後におっ、と思わされる展開があって面白かった
奥様になりたいと願った女
美男子に恋をしてしまった男
ある劇団員に全てを捧げた男
奇術師の男
ある双子の話
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磨いた者の願いを叶えると噂されているヴェネツィアから流れ着いた一枚の鏡
その1枚の鏡に翻弄される人々を描いた5話収録の連作短編集です。
時代背景は戦前から終戦直後
それ故、言葉使いが古めかしく更に恐ろしさが助長された。
5話それぞれ、人間の欲が表現されているが、全てテイストが異なっていて面白い。
そして恐々読み進めて行くと予想だにしなかった結末に再び驚かされる。
グリム童話の様な印象もあり鏡の持つ魔力より人間の業の深さを感じた切れ味鋭い短編集。
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1つの鏡を巡るバッドエンド(?)ばかりの話が5話ある作品。どれも読み応えがあり時系列に繋がっている話でスラスラ読めた面白い作品。
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願いが叶うという一枚の鏡にまつわる連作短編集。鏡の叶えた願いは望んだ未来とはまた別の未来。イヤミスというより可哀そうなお話しだった。
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ある1枚の鏡を軸に連鎖した短編集です。
帯に書かれた一言、
「清々しいまでのバッドエンドここに極まる。」
…なるほど。
鏡は色んな角度へ反射するもの、
願った事が真っ直ぐに反射されるとは限らない。
強く願えば願うほど、願いは大きく曲がり…
どこに曲がるかわからない、
それでも叶えたい願いはありますか?
この本で秋吉理香子さんが書く人の心の闇、
禍々しくもなんだか身近にありそうな欲で
ついつい他人事とは思えなかったです。
鏡を磨く時は無心で無心で。
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人間の欲深いところをぎっしり詰め込んだような本だったな。と思いました。
誰しも、自分の欲を満たせるなら満たしたいとは思うでしょうし、私もきっと目の前にこの鏡があれば、磨かずにはいられなかったと思います。
この本を読んで、欲があることはいいことだけど、欲深いのはよくないことと学びました。
ある事柄の本質をしっかり見極めることも大切だなと思いました。
こういった人間の闇を描いた小説は、自分の行動を改める機会にもなるし、客観的に、自分の欲に惑わされないための心の強さを持つきっかけにもなるので、秋吉理香子さんの本をもっと読みたいと思いました。別作の「暗黒女子」も、同じように人間の闇を描いた小説ですが、そちらも同様、己の醜い部分をしっかり知る機会になったなと思っています。
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ひゃー、これは怖い。
「鏡」にまつわる連作短編集、五篇収録。
どれも繋がっていないように見せかけて実は、という見せ方が上手くて震え上がった。ジャンル的にはホラーになるのだろうが、怪奇幻想小説の雰囲気もある。悪夢にうなされそうな一冊である。