投稿元:
レビューを見る
【就活中の女子大生はなぜ父親を殺したのか?】多摩川沿いで血まみれの女子大生が逮捕された。彼女を凶行に駆り立てたものは何か? 裁判を通じて明らかにされる家族の秘密とは?
投稿元:
レビューを見る
庵野迦葉、我聞、那雄人、環菜日頃読み慣れない名前で読み進めるのが大変だった(^^;
島本理生ならではの男と女
何歳でも男と女の関係
投稿元:
レビューを見る
頭がぼんやりしてくる話だった。どれが現実でどれが真実か、空想と現実の狭間の中で、自分が嘘つきになるということ。苦しさから物語を作成し、そこに過去の自分を閉じ込めるということ。
ーー正直に言えば、私、嘘つきなんです。自分に都合が悪いことがあると、頭がぼうっとなって。意識が飛んだり、嘘ついてしまうことがあって。
誰しもが嘘と正直の間で生きている。読んでいて苦しくなることもちらほらとあり、また臨床心理士の由紀と、夫の我聞、その弟の迦葉との奇妙な三角関係。我聞さんみたいな旦那さんほしいわ…
投稿元:
レビューを見る
臨床心理士の見地から、本を執筆するため、父親を殺したとされる女子大生の環菜と関わることになった由紀。
環菜の心に向き合うことで、自らのトラウマや過去と対峙することになる。
環菜が今まで受けてきた数々の虐待やプレッシャー、親から愛されなかったことは人格形成にかなり歪んだ影響を及ぼしたと思う。
読んでいて目を背けたい部分もあったし、由紀と環菜が重なる部分も少なからずあったと思う。
タイトルのファーストラヴは、初恋って意味だけじゃなくて、もっと大きな愛も含まれてると思うし、それを与えてもらえなかったし、ちゃんとした恋愛ができなかった環菜というよりかは由紀と我聞の関係のことかなと思う。
さらには迦葉の由紀への気持ちもファーストラヴなんじゃないかなって感じた。
環菜が呪縛から解かれて、自分の気持ちをしっかりと語れたことはすごく意味のあることだと思うし、前向きなラストでほっとした。
投稿元:
レビューを見る
何とも言えない軽く鬱になりそうな読後感。
主人公由紀が犯罪を犯した女性の抱えている問題を探りながら、自分の抱えている問題、そして過去と向き合う様は、胸が締め付けられるような気分だった。
エンディングに近づくにつれ明らかになっていく、それぞれの家族が抱える問題と愛のありかたが、非常に切なかった。
投稿元:
レビューを見る
「ナラタージュ」の原作にも、映画にも泣かされ、その映画に出演してた坂口健太郎のコメントが付いてたら、もう読むしかない!
と、泣く気満々で読み始めたが、今作は就活中の女子大生・環奈が父親を殺した罪で逮捕され、「何故彼女は衝動的に父親を殺したのか?」と言う本を出す為に、彼女の心の奥にある真相を探る心理臨床士・由紀とのやり取りがメインで描かれる。
勝手に切ない恋物語を期待していたけど、読み進めれば、読み進めるほど、虐待が作り出す心の傷の深さに私もいつしか由紀と同じように自分の過去を重ねていた。
由紀と義理の弟で弁護士の迦葉の努力で、環奈が呪縛から解かれた様子にほっとしたし、本筋の中に見え隠れする由紀と迦葉の過去に「ナラタージュ」の切なさもしっかり含まれており、ラストの1ページで泣いた。
由紀の旦那さんであり、迦葉の兄でもある我聞の一貫した優しさが物語のバランスを取っていた気がする。
投稿元:
レビューを見る
人は良いところも悪いところも
自分一人で勝手に形成されるものではない
愛情とは何か、、、改めて気づき納得し安心しました。
投稿元:
レビューを見る
アナウンサー志望の女子大生が、二次面接の直後に父親を刺殺。夕方、川沿いを血まみれで歩いているところを逮捕された。
「私の本心なんて、語る価値のないもの」
「動機は自分でも分からないから見つけてほしい」
と、彼女は語る。
なぜ、彼女は父親を殺さねばならなかったのか。
彼女のノンフィクション本の出版を依頼された臨床心理士と彼女の弁護人は事件の真相を知るべく聴き取りしていくうちに、彼らに何があったのかを知っていく。
これまで、著者の本を何冊か読んできたけれど、少女たちのあの研ぎ澄まされた感覚や痛みを描くのが本当に上手い人だと思う。
読んでいて本当に苦しかった。
読み終えて、思い出したのは宇多田ヒカルの「初恋」という曲。
あるインタビューで、彼女にとって初恋とは、初めて人と深く関係を持つことであり、彼女の初恋の対象とは親なのだと話していたのを思い出した。
そういう意味での「ファーストラブ」なのであれば、
由紀と迦葉。
香子ちゃんにとっては環菜かな。
環菜にとっては、小泉君ではもちろんなく…。
恋愛という意味だけではない、うまく言えないけれど特別で大事なもの。
初めて深く心を交わす人だからこそ、幸せも痛みも鮮烈で、時には呪いにもなる。
環菜はその呪いにとらわれてしまったのではないか。そして、その母親も…。
なんともやりきれない物語だったけれど、前向きなラストでよかった。
投稿元:
レビューを見る
一気に読んでしまった。
環菜が何のせいで語らないのかを、迦葉や由紀が慎重に手探りで探して行く様子と、環菜のつかみどころのない言動に、全容が裁判の日までつかみきれず、それがフラストレーションなのだけど気になりすぎてページを捲らずにはいられなかった。
環菜の過去を紐解いて行く話だけど、由紀と迦葉、そして全てを知った上で二人を優しく見守る、もはや仏のような我聞の関係が心打たれる。
そして、環菜の母親。ずっと、責任放棄の母親だと思っていたけど、彼女も心に傷を負っているという事実がわかったとき、父親が死んで全員、良かったじゃないかという気さえした。
由紀と環菜の周辺の人間模様が、本当に丁寧に精巧に作られていると感動した。
投稿元:
レビューを見る
今までの島本理生作品の中でも特にきれいにまとまっているなあというのが読後の印象。読み進めやすかった。
ただ、環奈の視点からではないからこその読みやすさが、深い読書体験に繋がりにくいのかもしれない。
私個人は、由紀と迦葉の闇にもっと主題を置いた作品か、環奈視点の物語を読みたかった。
ありがちな父親からの性的虐待ではなく、本人や周囲も虐待だと認識しづらいものを扱っているのが好印象。
贅沢に名前入りのサイン本で読んだ。
投稿元:
レビューを見る
登場人物に感情移入しすぎて苦しかった。一気に読んだ。
本著のように、幼少期に負った傷を抱え込んだまま、それにすら気づかず、自分を責め続けている人が、1人でも多く自分を肯定できるようになってほしいと思う。
投稿元:
レビューを見る
主人公の過去と、義父を殺した女子大生の過去が輻輳、共鳴しながら話が進む。
女子大生の心理的障壁を崩しながら、真実が明らかになるのだが、結末を現実的と感じるか、期待はずれと思うかは、読者次第だろう。
投稿元:
レビューを見る
父親を殺した女子大生の話と、主人公の過去の話が交錯してどちらも中途半端な印象。
あと、この作者の文章、わかりにくい。
言葉のチョイスなのか文章の組み立てなのか、読んでて違和感を覚えることが多くそのたびに流れが止まる。
てにをは間違ってるだろ、と思うことも。
だからなおさら物語に入っていけなかった。
投稿元:
レビューを見る
ふだんあまり読まない内容でした。
性的虐待、自傷…難しいテーマ
由紀の旦那・我聞さんが穏やかで、優しくて、妻の仕事が多忙で家をあけることが多くても相手を労り文句の一つも言わない。
弟と妻の過去を知ったあとも普段と変わらずに見守る姿…
こんな旦那って現実にいる?
もぉ優しさと愛の塊、太陽みたいな人だわー
投稿元:
レビューを見る
明日の直木賞、受賞じゃないですかね。
キャリアコンサルタントがキャリアについて聴くなら主人公の臨床心理士はメンタル、精神面について聞くお仕事になります。
重いストーリーにならないようにかかれていて最後は希望を持てる終わり方をしています。これが過去の著書と違う点で評価されると思います。
先日の朝日新聞でも千早茜さんと一緒に取り上げられていました。千早茜さんと島本さんはテーマは違えど作風は一緒だと思います。