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世界中の水族館の約8割が日本にあるといいます。
「海に囲まれた島国なのだから、それはそうでしょ」
と言う割には、自前でイルカを繁殖することが出来
ないのは、最近の報道で知られています。
実は水族館のイルカは捕獲されているのですが、
それを海外から中止するよう指摘されています。
一体、日本の水族館とは何なのか。単なるハコモノ
ではなかろうか?
などを知りたくて読んだ一冊です。
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水族館が好きな娘のために、だったのが面白くて読んでしまった。異界がインド、納得。バーチャル体験のある時代の実物展示はどうしよう、が結構大変そう。
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動物園の文化史と比較してやや近代に寄っているのは水族館としてはしょうがないのだろうが、前作と同じような「文化史」という観点ではイマイチな印象を持った一方で、ショービジネスや映画との類似点をしていく現代の部分は意識したことのない視点で非常に面白かった。
また(当然ながら)学術書になるので、参考文献が豊富なのもうれしい。
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「水族館」という施設が最初はどこで産まれたのか、どのような経緯でここまで発達してきたのか、詳しく説明された本。
ページ数も多く、これ一冊でじっくりと水族館の歴史が網羅できる。
水族館という、捉え方を変えれば「動物の自由を奪う施設」について、考えさせられる記述もある。
僕は教養本として楽しんだが、水族館という施設をただただ遊ぶ施設として捉えている人には面白く無いかもしれない。
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挿入されている写真たちがカラーで嬉しい。世界の水族館行きたくなる。
内容としては、古代から現代にかけて、水族への価値観が、畏怖の対象及び鑑賞対象(一枚岩ではない)→支配対象(帝国主義の論理)→テーマパーク化→保護対象(環境問題に関連して)となっていく。
興味深いのは、筆者が、水族館が人々の求める「物語」に対応して変遷していくと指摘している点。近年、環境保護が叫ばれて、反対派の報告書や告発型ドキュメンタリーが作られ、水族館もそれに対応して、自然保護の拠点として活動するようになっている。しかしながら、反対派が作成したそれらも、かつて水族館が隠そうとした、「物語」をカットして繋ぎ合わせて作った「物語」でもある。そして人々は、よりしっくりくる方の「物語」を求めていくため、水族館が変遷していっている。
(※過去(特に1970年代)は、人々が海底の姿を映像ドキュメンタリーで見られるようになり、その雄大な自然の「物語」を観たいと思うようになり、水族館もそれに対応して非日常を提供するテーマパークへと変遷してきた経緯も、上記の補足になるだろう。)
何が真実か分からない中で、「物語」という言葉を用いているのは確かにと思う。様々な事実がある中で、それを繋ぎ合わせて「物語」を作れば、それは「真実」に見えるし、「真実」になりうる。そうした中で人々は、「自分によりしっくりくる物語」を選択して、求めていくのである。