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大手電機企業が発表した巨額の「不適切会計」。捜査二課の小堀秀明は、背後に一人の金融コンサルタントの存在を掴む。男の名は、古賀遼。貧しい炭鉱街の暮らしから妹を救うため、体力頼みの場立ち要員として証券会社に就職。狂乱のバブルを己の才覚のみでのし上がった古賀は、ある事件をきっかけに復讐を始めるのだった―。
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大手企業の粉飾決算の裏で暗躍する一人の金融コンサルタントを捜査二課が追う―という粗筋は「ナンバー」シリーズを連想するが、バブル期から現代までの日本経済を描く大河小説でもある。証券市場や金融商品の仕組みが自分には難解過ぎたが、炭鉱町から裸一貫這い上がった証券マンがバブル期の狂乱を経て混沌渦巻く巨大な暗部の住人となる一代記は読み応え充分。過去と現在の時系列がやがて統合される構成はこういう物語に最適だ。結末は相場作品のお約束展開だが、その場しのぎの隠蔽体質が次世代に【不発弾】という負債を残すのはやり切れない…。
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一万円選書⑤
うまい話には裏がある。
証券のことはよくわからないけど、面白く読み進められた。
バブル時代と今の時代が少しずつ交錯していく。
完全に追い詰めたと思ったのに、大きな力には抗えない不条理。
うまい話には裏がある。
世の中の怖さを感じた。
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日本の裏歴史をわかりやすく書いた経済小説。
フィクションだけど、実際に近いだろうし、
バブルのころの、裏側を忠実に再現していて
バブルと人の欲望の行く末みたいなところが面白い。
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真新しい視点はないが、バブル期の金融不祥事等がわかりやすく描かれており、面白かった。過去と現在を行き来するが、主人公の恋人の気持ちの変遷についての描写がやや足りない。
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貧しい炭鉱街の暮らしから妹を救うため、体力頼みの場立ち要員として証券会社に就職。
狂乱のバブルを己の才覚のみでのし上がった主人公は、ある事件をきっかけに復讐を始める。飛ばしの斡旋に明け暮れ、外資証券会社のデリバティブやT芝やOLP事件などが話のリアリテイを増す。欲望に踊らされた男たちの終わらない闘いを描く相場英雄さんの経済サスペンス。展開は面白いが、内容の難しいところがあり少し時間が掛かりました。
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少々冗長だが、バブル期の企業の不正をモチーフに描く、至極のエンターテインメント作品。会社創業の目的から逸脱した事業に手を染めることによる凋落...。人の、世の中の、社会の役に立つ仕事をしよう。
「儲け話には必ず裏がある。もし誘いに乗りそうになることがあったら、一旦その場を離れて冷静に考えてみるんだな。」当たり前のことを当たり前に行えない人達が、不発弾を抱え、いつか爆発するのだろう。
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多分モデルは東芝。
九州は大牟田市で生まれ、小さい頃に炭鉱夫だった父を失い、酒に溺れた母から離れるために証券会社で働きはじめる。
金のカラクリがわかってきて、証券会社を辞めコンサルタントとして独立し、金の運用で失敗した会社向けの指南をはじめる。
徐々に裏稼業のフィクサーっぽくなってしまうが、ある件がきっかけとなり、警視庁の捜査対象になる。
と、いうお話。
きちんと調べられていて、浮ついたところがなく、硬派の社会派小説。
別作品も読んでみたい。
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正義VSリアルといった内容。読み終えると少し恐怖を覚えました。
難しい内容もありましたが、あまり気にせずに読み進めても良いと思います。
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難しかった。結局不発弾やその他の金融商品についてもなんとなくでしか理解できていない。実際にどのようなものかがもっと理解できれば、より緊迫とリアリティを感じられたと思う。己の理解力の無さが恨めしい。
ただ、序盤こそ難しくて読み進められずにいたが、バブル期の描写に入ってからは、時代の熱狂と古賀の成り上がり、増して行く金融商品の胡散臭さにガンガン読み進めてしまった。
終盤に近づくに連れ、古賀を擁護する気持ちが大きくなったが、ラストの悪魔に魂売った感ある古賀には失望。でもここで改心しないのが人間らしいとも思った。
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これは小説でフィクションだからと
割り切れないもどかしさがある
三田電機は東芝だし
ノアレはヤクルトで
芦屋恒三は安倍晋三 だと思うと
現実にも起こりえてる問題なのかと
暗澹たる心持ちになる
デリバティブという金融派生商品に
(予約する権利、買い取れる権利、日にちの権利など オプションがお金に換金されることが)
飲み込まれた結果
バブルは弾けていくというのがよく分かった
ただ 古賀の仕事が最後までよく分からなかったが
最後に 損失飛ばしビジネスとあり
そうか 損失を不発弾のように先送りして
バレないようにするだけで
お金になるのかと
その不発弾を持った安倍晋三は倒れて
それを無かったことにしている菅義偉が総理になるとは、、、
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全部を理解するのは無理ですね。
ストーリーを追うだけです。
これはフィクションでしょうか。
悲しい現実ですか。
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歴史の擦りがメインですそれに興味が持てなければとても冗長なストーリー。古賀の心の動きがこの本の面白いところであり、それをもっと中心に置いた小説であってほしかった
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03月-15。3.5点。
炭鉱の町で生まれた主人公、母親はスナック経営。収入を求め高校卒業後、証券会社へ。トップ成績をとり、のし上がっていく。。
東芝がモデルの部分あり、バブル前から2016年までの経済の動きを追う。非常にリアリティあり。主人公の冷静さ、立ち回りが痛快。
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2023.06.28
事実とその背景をうまく組み合わせて疾走感のあるフィクションになっている。
モデルとなっている人々は「象徴」であって、当人そのものではないのを前提として楽しむべき。
私は楽しんだ。