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うーんなんかねぇ
結婚しなくても気の合った友達と
家族のように仲良く暮らしていける
という話かと思ったら
開かずの間から○○○が発見され
すわっ!ここから違う展開になるのか!
と思ったのもつかの間
何事も無かったようにいつもの生活に戻る
しかも、それをリビングに飾っている
そこはそれでいいのか!
だいたいなんで○○○?
そして、唐突に始まる一人称の語り
まあ、それはあとで事情はわかるんだけど
なんだか
まっすぐ歩いていたと思ったら
突然つまずいて、よろけて、変な所に落ちた
ような気がしたけど
結局は安全な道を歩いていたという感じ(笑)
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杉並の古びた洋館に暮らす母娘と娘の友人2人。日常のドタバタ、ぼんやりとした不安を描く……だけじゃなかった。過去の語り部に驚く。
気張らない、気取れない、ちょっと臆病な気もするコメディ。
キャラクターに浮き世離れ属性をつけて物語性を出す手法は読みやすくていいですね。今回の『あの家に~』だと鶴代や佐知の浮き世離れ属性が他作品と比べ現実的だった分、語り部に浮き世というか現世離れした存在が来て驚きました。
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善福寺川沿いの洋館に住んでいるのは母鶴代・娘の刺繍作家佐知、佐知の友人OLの雪乃、雪乃の後輩OL多恵美。
女たちは日々を淡々と暮らす。
家庭菜園でとれた野菜で鍋を囲み、春には花見に繰り出し。
ギラギラしていない自然体の女ばかりで暮らすのは、こんなにも安らげるものなのか。
といって男子を締め出しているわけではなく、それなりに恋の予感もあったり元カレのヒモ男に付きまとわれて迷惑してもいたり。
そんな毎日をつづったお話なのですが、何が愉快って彼女たちのものごとの捉え方が面白い。
こんなにクスクス笑いながら読んだ本は久しぶりでした。
楽しい時間をありがとうございました。
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現代版『細雪』らしい。
だけれどコメディチックでファンタジック。
環境は違えども主人公と同年代だからか、ちょうど良い距離感の友情を育むこと、若さへ眩しさや危なっかしさを感じること、母親の鬱陶しさと愛おしさを感じること、持ち続けている情熱の理解を求めて爆発しそうになること…生々しく感じた。
時々読んでいて退屈になるのもこの世代が故。
諦めたり、諦められるからこそ前に進める、そんな女性小説。
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四人の女が洋館で暮らす、現代版細雪。でもコメディ(笑)細雪と同じ名前の女性、主人公の佐知、その母鶴代、偶然知りあった雪乃、雪乃の会社の後輩多恵美。洋館の敷地内には山田という老人も住んでたりします。独身の妙齢女性で暮らすのはまぁ、親近感湧きます。楽しそうだけど時折くる虚しさ。いつまでもこのままじゃないんだろうなっていう。雪乃水難の相、多恵美ストーカー事件、開かずの間、河童のミイラ、強盗事件と盛りだくさんな内容です。ちろっと恋愛もあります。血が繋がらなくても『うち』という概念はこんな感じかなあと温かな気持ちになれるお話でした。
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山も谷も無く、普通の人々の日常が淡々と続くなぁ、と少々退屈に思っていたところに、カラスだの死人だの視点の解説?語りが挿入されてきて意表を突かれた。読み終えてみれば、なかなかに味のあるストーリーだった。
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ふんわりとした日常生活の中に、ちょっと孤独感が漂っている女たちの共同生活。
独身女性の心の機微を描く繊細な作品かと思いきや……。
いきなりカラスの語りが始まったときは面食らったが、
このあとに続く別の語り手の登場への前フリだったか?
河童のミイラが動く場面では大爆笑!!
こういうの書かせたらホント上手いなぁ(笑)
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再読。1回目に読んだときは割と楽しく読んだんだけど、今回はしんみりと読んだ。私たちは自分たちを大切に思ってくれる大切なものに見守られている。ほかの人の目にとらわれず、自分の思った通りに、自分の好きな人と生きていけばよい。優しく背中を押してくれる小説だ。『細雪』ベースとは知りませんでした。
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書店でタイトルと表紙のカラスに惹かれて購入。この話は谷崎潤一郎の名作が下敷きとなり現代風にアレンジされた内容らしい。コメディタッチでサラリと読めるのがよかった。
「夢を見ない賢者よりは、夢見る馬鹿になって信じたい。体現したい。おとぎ話が現実に変わる日を。」のくだりが良かった。
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後半、ちょうど夏だったので、よかった。
男のいらなさとか、女の好き勝手さとか、人間とか、愛とか、なんだかんだ絶妙。
共同生活めんどくさそうで、楽しそう。
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細雪へのオマージュというには些か口憚られるが,出てくる男性はいずれも画一的な傍流を描き,一方で女性陣も死んでいないというだけで生きているとは言い難い日常を送る.孤独ではないことにある種の希望は確かにあるだろうが,それが女性四名であることの必然性は(単に女子校の延長線上を逸脱せず)感じられない.
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杉並の古びた洋館。離れまで備え、かつての裕福な暮らしぶりをのぞかせるその家に、母鶴代、娘佐知、佐知の友人雪乃、雪乃の後輩多恵美の4人が住まう。
谷崎の「細雪」に寄せた題材をもとに、現代の未婚女性の日常の物思いのあれこれをちりばめる。
このままつらつらとちょっとしたおかしみをエッセンスとして日常が過ぎていくのかと思いきや、中盤唐突に意外な登場人物が出現し、頭をリセットせざるを得なくなる。そうか、そういう主題があったのかと。
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来年TVドラマ化されるということで誰になるのか想像しながら楽しみに読んだ。結果誰がなるのかは全く分からなかったけれど、原作の年齢で行くと38歳くらいの女の人2人て誰がおるんやろうと思った。広末涼子は入るのか入らないのか。てっきり血の繋がった4人なのかと思っていたが、今の時代を象徴する関係性だと思う。それと男性不在の時代。現代の女性にとっては種付けさえ終われば父性みたいなものは山田のような距離感、いないわけではないがでもほぼいないようなもの、ターミーネーターのシュワちゃんのような存在が1番女性にとっては都合が良いのだと思う。男にとっては複雑ではあるが。テレビドラマを楽しみにしている。
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女四人の共同生活ともなれば、ドロドロとした感情の交錯とかあるのでは!?と多少の期待を持って読んだのだが、そんな事は一切なく。。。
それなりにイベントごとはあるのだけれど、刺激に慣れてしまった脳には、ちょっと物足りなさを感じてしまった。
なんだろう、四人の共同生活が、あまりにも仲が良すぎて違和感を感じてしまうのかな~
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父親不在同様の家で育ったアラフォー独身の私は、主人公の佐知や雪乃には共感する所ばかりだった。私の母も鶴代と同年代。男運がなく、真面目だが、マイペースに我が道を行き、会話が滅多に成立しない。まるで自分の物語のように思え、すぐにのめり込んで読み終えてしまった。とにかくアラフォー女性二人の心情が、物凄くリアリティを持って語られている。作者本人もほぼ同世代だからだろうか。
ただ、タイトルにも現れている、この小説のある仕掛けにはちょっと戸惑う人がいるかもしれない。私は、「なんだなんだ!?」と驚きながらも、一貫してユーモアのあるこの作家さんの小説だから、納得して読めた……ような気がする。
雪乃が佐知に刺繍をお願いする時に、「タダはだめ、佐知は刺繍のプロなんだから」というシーンが好きだ。親友だけど、気持ち良い距離感と尊敬を持って接し合う雪乃と佐知の関係に憧れる。父親不在だけでなく、まともな男があまり出てこないこの作品だが、四人の女は皆強い。
佐知がこの後どうなるのかは分からないが、例え良い男性に巡り会えなくても、雪乃のような強くて自立した親友がいれば、それはそれで良いのかもしれないと思えた。