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どっぷり小説の世界観にハマった。戦後間もない沖縄を舞台にたくましく生きる沖縄の人々の生き様が生き生きと描写されており、自分もその時代や空間にあたかもいるような錯覚に落ち入る。語り部としての作者の合いの手が入るのはいかにもテレビ的だが、逆に映像化を強く希望したい作品。
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壮大な世界観と喜怒哀楽に圧倒される。これまでな受賞作はとっつきにくいことが多かったが、時代が変わったのか自分の読書力がついたのか、大満足。結末をどう評価するかは人によって分かれそう。
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基地のある戦後沖縄を詰め込んだ一冊。直木賞らしくない(厚い)のに、直木賞を取ったことは素直に喜びたい。戦後沖縄を生きた3人の若者の軌跡が描かれており、その思いが胸を打つと共に、その他の登場人物にもドラマがあり、それぞれ素晴らしい。沖縄と基地について改めて考えさせられる機会となった。
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久々に文字を読むことの楽しさにときめいた小説だった。現在と過去、彼岸と此岸、平穏と騒乱、善と悪、男と女、様々な軸が入り乱れて、みっしりとした世界が美しい言葉で綴られていく。胸の潰れるような記述が多いものの、いつまでも読んでいたいと思うような500頁だった
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本人の風貌がめちゃくちゃ胡散臭いので、ちょっと読む気が失せたのですが、中身はど熱い沖縄サーガです。戦後から沖縄返還迄を駆け抜けた若者たちの群像劇で、沖縄の人々が味わいながら今も続く屈辱の歴史ががつがつと荒っぽく緻密に書かれています。
取りざたされている謎の語り部の合いの手が、気になる、気にならない問題ですが、僕は特に気になりませんでした。
ページ数以上の重量感のある本ですが、読み口自体は意外なほど軽快なので、逆にページの進まなさにびっくりしました。
初ノミネートで直木賞受賞と言えば僕の中では「テロリストのパラソル」藤原伊織、「流」東山彰良の名作2作品があり、力技名作がもぎ獲るイメージが有ります。ほぼ文芸功労賞と化した賞なので信頼度ガタ落ちですが、本作を受賞させた審査委員はまだ捨てた物ではないなと思いました。
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史実を交えながら疾走感あふれる物語がすごい。全然知らない沖縄がよく見えた気がする。
一番びっくりしたのは、作者が沖縄の人ではない点。
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この熱量を言葉で表現するのは難しい。
とにかく読んで!
舞台は戦後の返還前の沖縄。
米軍基地に忍び込み食料や日用品などの物資を奪う“戦果アギヤー”と呼ばれる者たちがいた。
本作で中心人物として描かれているグスク、レイ、ヤマコは戦果アギヤーの中でも英雄と呼ばれたオンちゃんをなくした後、それぞれの道を歩み始める。
それぞれの違う方法で、苦しい過去に向き合い必死に今を生きようとする。そこには正しいも間違いもなく、懸命に生きたからといって報われるとは限らない無常さがある。
生きるとはそういうこと。
アメリカ兵による交通事故に婦女暴行、戦闘機の墜落。
作中に描かれる事件は実際に起きたものであり、作中の悲痛な叫びがフィクションなのかノンフィクションなのかわからないリアルさを持って脳内をこだまする。
「だれにでも大事な人を奪われた過去がある」
そんな島で生き抜いた彼らの生き様はとても熱く胸に迫る。
主要人物だけではなく登場人物すべてが、島の返還に尽力した人も反対した人も国のために奔走したアメリカ人も本島の人もすべてが熱く懸命に生きていると感じた。
当時の沖縄の空気まで描いた傑作である。
このテーマを英雄の失踪に絡めて完璧なエンタメ作品に仕上げた作者の筆力がすごい。
歴史を描きながら冒険譚であり青春物語でありミステリ要素もある。
気軽に手に取ってどっぷりハマってほしい。
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力作。
沖縄関係の本は沢山出ているが、此の本は小説ではあるものの沖縄を知るには最適な本だと思う。沖縄の置かれた悲惨な状況がよく分かる。
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戦果アギヤーを買いかぶり過ぎです。英雄・・・
そんな立派なものでは有りません。今一度 取材、勉強のし直しをお願いします。
アメリカー 日本人 沖縄人。沖縄人は日本人です。
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清々しい青春のストーリーと混沌とした沖縄の現実が見事に混ぜ合わさった物語でした。
最後の最後に残るものは悲しみ爽快感か、自分の心がどこを向いているのかわからなくなった。
沖縄の方言が多用されているので、読みにくいと感じるかもしれませんが、それが逆に雰囲気を作っていてお話に合ってる気がしました。
実在する名称が出ているようで、読み終わった後はついつい調べてしまいました。
これは物語ではあるけれど、今もまだ沖縄の人たちはこんな風に日本やアメリカを相手に戦っているのだろうな、と。
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沖縄小説を読んでいると自分が沖縄側(?)の人間になり、なんとなく呟く独り言も喋れない沖縄弁になってしまうから不思議。
本土の人間にはわからない沖縄の(まさに今)問題の根本の部分が見えてくる。
「テンペスト」、「沖縄処分」と併せて読むとよーくわかる沖縄の歴史。中国、日本、そしてアメリカ、再び日本に翻弄される沖縄。ここではアメリカと日本の戦後史になるけど、そこに立ち向かう若者たちの活動。
辺野古問題は対岸の火事のようにニュースで見ているけど、これを読むと本当に切実な問題なんだ、と改めて認識します。沖縄万歳!
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沖縄と言えば、真っ先に思い浮かぶのが、綺麗な海に長閑な景色。そして方言、沖縄民謡や三線など。
でも、そんな沖縄にもこうした側面があったのだと改めて思い知らされた。もちろん、一般常識でそうした知識をある程度は持っていたが、本書は「本当に知ってるのか?」と、これでもか!これでもか!とその歴史的事実を私に突きつけてきた。
その背景を知ってもなお、沖縄の海は綺麗で、「なんくるないさ」と全てを包み込んでしまうような懐の広さを感じる。
さて、本書に登場するオンちゃんとグスク、レイ、そしてヤマコは戦後の沖縄で戦果アギヤーとして活躍していた。米軍相手に連戦連勝で、米軍基地から奪った戦果を住民に配っていたオンちゃんは、誰もが憧れる英雄だ。
ある日嘉手納基地に侵入した戦果アギヤーたち。何故か彼らの行動は筒抜けで、米軍に追われる羽目に。命からがら逃げてきたグスクとレイ。しかし、オンちゃんがいない。
オンちゃんが謎の失踪をしたまま、時は過ぎ、彼らはそれぞれ違う道を歩いていく。ある者は裏社会に身を投じ、ある者は警察に。またある者は先生にと。一体オンちゃんに何があったのか。彼らはそれぞれの生活を送りながらも、英雄は必ず帰ってくると信じていた。
1950年初めから約20年に渡る壮大な物語。時代の流れに翻弄されるそれぞれの姿を映しながら物語は終着を迎える。
本書は歴史小説でありながらミステリ要素を持つなんとも贅沢なエンタメ小説だ。
「さあ、起きらんね。そろそろほんとうに生きるときがきた」
本当に生きるのがこんなに難しい世の中で、一生懸命にもがく若者たちの生き様を十分に味わうことができた。
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島の英雄に何があったのか。
英雄は何を見つけ、どこへ行ったのか。
沖縄を舞台に、三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコの生きざまが描かれます。
少年少女は警官になり、教師になり、テロリストになりますが、英雄探しは諦めません。
力強く、しかし切なく、読ませるストーリーです。
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普天間基地の辺野古移転は、強引に推し進められる中、移設工事に待ったをかけ、抵抗を明らかにした翁長雄志「沖縄県知事」が、今年の夏、亡くなった。ぼくは、ちょうど、その週に、まったく偶然、この小説を手に取り、一気に読み終えていた。
ジャンルとしてエンターテインメントとされているが、ただのエンタメではない。
沖縄の歴史、いや、沖縄で「今現在もある」ことを、戦後の沖縄を舞台に英雄叙事詩として、堂々と語った小説が現れたこと、そして、それが東京の作家によって書かれたことは驚きだが、間違いなく傑作だとぼくは思う。
小説は1952年に始まり、1972年に終わる。その年に何があったか、現代の日本人の多くは知らない。忘れたのではない知りもしないというべきだろう。しかし、読み終えれば、きっと、日本という国が、少なくとも、それぞれの年に、沖縄に何をしたのか知ることになる。そして、腰巻にある「さあ起きらんね。そろそろほんとうに生きるときがきた」という、1952年、作中の英雄の一人が発したことばが、今、この時、2018年にも生き生きと蘇り、響きわたっていると思い知るだろう。
https://www.freeml.com/bl/12798349/979936/
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この本のおもしろさは大きく分けて4つある
まず、この話には語りべがいて、時々
カフー!(幸運という意味らしい)とか
あきさみよー !とか
たっぴらかせー!とか
ちゃちゃを入れてくること
よく意味はわからなくても
なるほどこの言葉はこういう時に使うのか
と覚えてしまう
次に、凡人には想像もできない表現力
夜明けが来世より遠くに感じた。
昇らなくなった太陽の通夜をもよおすように
小雨が降ってきて… (本文より)
など、感動的な表現が多々出現
次に、ストーリー展開
本当はあの時何があったのか
英雄といわれたあの人はどうなったのか
生きて帰って来るのか
あるいは、すでに帰っているのか
そして最後に彼ら4人の生き様だ
幼馴染みの4人があの日を境に
何を考えどんな人生を歩んだか
どんな信念を貫いたか
全体を通して言うと
あきさみよー!
たっぴらかせー!
あきさみよー
あきさみよー
だったわ