紙の本
鉄塔の上の謎の少年で味付けされた、ほんのりとした青少年の恋物語。
2018/08/16 11:59
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鉄塔の上の謎の少年で味付けされた、ほんのりとした青少年の恋物語。気軽に楽しむには最適。主役の筈の伊達成実が霞んで見えるほど、帆月蒼唯の活発さ・奇抜さが実に魅力的。実際は、帆月蒼唯が主役なのかな。鉄塔94号の上の少年=椚彦(クヌギヒコ)の謎解きもそれなりで面白かった。地域的には、さいたま市秋ヶ瀬公園(実在)周辺と明確にしてる分、何となく現実味が感じられた。なお、勝手に737:賽助『はるなつふゆと七福神』(ディスカヴァー文庫、2017年2月25日、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の続編と思ってたので少々戸惑った。文庫版追録の短編『まだ幽かな冬(317~383)』は、もう一捻り欲しい物足りない一作でした。
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中学最後の、鉄塔から始まる夏休み
破天荒な帆月の軌跡を追って
冴えない鉄塔マニアの伊達は空を仰ぐ
示されたのは
鉄塔のてっぺんに座っている男の子の謎
夏休みが終わる前にこの謎を明かそうと、
幽霊が見えると噂される比奈山と共に調査を始めるのだがーー
*****
非常に読みやすい文章で、スラスラ進めることができた!
誤字脱字も殆どなく、それだけでも安心して読める本かと
小学生ほどの無邪気さがない、年頃な少年2人と
一見してあっけらかんとしているようで、
やはり年相応の複雑な内面をもつ少女が織りなす夏
高校生や大学生ほどは物怖じしない、活き活きとした行動力で、
でも理路はある程度整っていて…と
中学生の夏休みは完璧なんじゃないか…?と思わされた
世界を少し知って、まだ少しだから恐れない気持ちと、
少し知ってしまったがために恐れる気持ち
…イイ
題材が幽霊なので、多少ホラーみはあるけど、
読後にまったく恐怖心は残らない程度だと思うので
抵抗ある人も安心して欲しい
*****以下ネタバレつぶやき*****
比奈山がヤナハラに、真相を話すから手伝えと言ったくだりがあったけど
あれがどちらかを触れなかったのは良かったと思った
全部を語らないことで引き立つ良さだった
逆にあの薄幸そうな明比古は
想像と行間で補えないこともない…かも知れないけど
もう一押し描写が欲しかったかも
約束は果たされたのか否かーー?
気になる
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弟の2作目の作品。
青春小説とでも言えばいいのだろうか。
鉄塔武蔵野線のオマージュで作られた話っぽいのだが、それと比べたら色々足りない部分は多い感じ。
だた、舞台が作者の地元であり、当然であるが僕もその辺りの住人であるのでかなりリアルに場所が想像できた感じ。
この辺は個人的理由なので加点はしないけど。
本編もまあそれなりに面白くはあったけど、文庫で追加された話の方が小さく纏まってて良かった感じ、若干、某ラノベっぽいなあとは思ったが、まあ、それはご愛嬌。
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ニコ動やYoutubeなどで活動する『三人称』の一員であり和太鼓集団『暁天』の奏者でもある、「鉄塔さん」こと賽助の作品。
青春小説の王道、でありながら活発な男の子は一切出てこず、そのすべてをヒロインが引き受けるという、なんとも鉄塔さんらしい設定の面白さ。
強弱のあるテンポや甘酸っぱさ、文章の読みやすさは良かったなぁ。
詰め込みすぎちゃって、「あれはどうなった?」という要素が多かったのが残念。
帯は…本人がそれらしいこと書いてるけれど実態はあまり深いことは言ってないという、ものすごく鉄塔さんらしくて笑った。
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文芸で読んだけど文庫版も出たので買った。
そしたら短編もついてきた。
大好きな比奈山君くんにまた会えて幸せ~。
本編の感想はもう文芸の方に書いたからはしょるけど、大好きなのです。中学生の夏休み課題図書にしてほしいくらい。
友達との付き合い方とか、夢中になれる何かを持ってることの喜びとか、行動力の大切さとか。そういうことを知れる作品。
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どんな話かの前情報を全く持たずに読み始めたため冒頭のインパクトに若干身構えたものの、主人公を始めとした登場人物のキャラクターが魅力的で、読み進めていくうち中学生ならではの爽やかさ、甘酸っぱさ、純粋さ、無力さなどが手に取るように伝わってきて、自分もその頃に戻ったような気持ちになりました。
自分は記憶力が悪く過去の大切なことも覚えていなかったりで、記憶について考えさせられる機会が人よりもたぶん多いので(笑)、「大事じゃないものから忘れていく。忘れないと頭が溢れちゃう」という帆月の言葉が刺さり、また忘れられるために河に流されていった物たちにどんな過去と歴史があったのか、どんな思いが宿っていたのか知りたくなりました。
自ら記憶の彼方へ向かっていった家電シリーズ、短編か何かで出ないかなー笑
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ここまでのマニアではなくても、「鉄塔」を見たら「あ、鉄塔だ」と思う。
好きなものを好きと言ったり、見えるものを見えると言ったり、したいことをしてみたり。そういうことは案外難しい。
その案外難しいことをやると、浮いたりひかれたりもするけれど、ここまでとことんやってみたら、あーーーこんなに気持ちいいんだ!!と、爽快感があります。
おもしろかった!!
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鉄塔マニアの中学生男子と同級生が繰り出す夏休み。
鉄塔の上に子供が座ってる
から始まる。
見えない物が見える見えない
そこから謎ときながら親しくなっていく
少なくもと似たような事があったかな?と、あんなそんな時代を思いださせてくれた物語でした。
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鉄塔の上に、男のが座ってる
鉄塔マニアの地味な伊達は中学校最後の夏休みを、一人ダラダラ過ごしていた。しかし登校日の学校で、破天荒な同級生、帆月から「鉄塔の上に男の子が座っている」と声をかけられる。
次の日から、幽霊が見えると噂される比奈山も巻き込み、鉄塔の上に座る男の子の謎を解き明かそうとするのだが。
少年たちが殻を破り、自らの一歩を踏み出そうとした夏休みを、この上なく鮮やかに、そして爽やかに描ききった、青春小説の名作。
(あらすじより)
爽やか!
天気の子に通じるテイストがあります。
面白いと思いますが、あらすじの最後でハードル上げ過ぎ。
まだデビュー2作目なんだから。
美人だけど言動かおかしい帆月の言い出した「鉄塔の上の男の子」を中心に物語は展開。
途中、鉄塔の男の子は幻覚なのでは?なんてちょっと別の意味のホラー展開になりそうになりつつファンタジーに着陸。
前作のニートのところに七福神がやって来た話もファンタジーだったので別の引き出し見たかったなぁ。
この人なら書けると思うんだけど。
期待して待ちます。
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「それは知ってるなんて言わない。行ったことも、やったこともない奴が意味ないなんて言っちゃ駄目よ。」
高く青い夏の空に凛と伸びる鉄塔が浮かぶようなお話だった。
中学生の日常なんて今思えば毎日がファンタジーみたいなもので、それが現実かそうでないかなんて、大人になれば余計にどうでもいいものだなという気がした。
その時感じた気持ち、覚えた感情が確かに糧となっているのならそれでいいんだろうな、きっと。
繊細な主人公たちが、これからぶち当たるであろう社会の仄暗いところに打ち勝たずとも引き込まれないで生きていってほしいなと思う。
いつか10年後くらいの主人公たちが見られるといいな。
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鉄塔の上に男の子が座っているのが見える女子中学生、幽霊が見える男子中学生、そして鉄塔マニアの主人公の男子中学生。
3人が織りなすひと夏の物語。
青春。ひたすら青春。
若い頃に読んでいたら、また感じ方も違ったかもしれないが、さすがに「今」じゃなかった(^^;)
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主人公は鉄塔マニアであり、
鉄塔武蔵野線への言及もあるが、
青春小説であり鉄塔文学ではない。
キャラクターは魅力的だった。
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作者さんを配信者として知っているところから購入したので、贔屓目に見ているところもあるかと思いますが…(笑)
夏になると読みたくなる作品、読むと夏の空気を感じるような作品です。様々な夏を感じる場面に、非日常が混ざり合う感じが好きです。
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青春・恋愛・ファンタジー。いろいろな要素が混ざった爽やかな物語に感じました。そしてなにより鉄塔に着目した点がとてもおもしろかったです。普段は気に留めないけれど、外をよく見てみると鉄塔は身近に建っていたんだなあと気付かされました。
最後まで読んでからもう一度タイトルを見ると、その中に主人公たちの姿と思い出が詰まっているような気がして、なんだかやさしい気持ちになれます。ほんとにすてきなタイトルです。
忘れることと、忘れられることは全く違う。未来のあなたは、、、どこに繋がっていますか?
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一夏のボーイミーツガール。
鉄塔がわからないなりに楽しんで読んでいたが、鉄塔のことがもっと具体的にイメージできればもっと面白かったのかなぁ、とも思う。
ただ詩的に響く言葉がいくつかあったことがとても良かった。
しかし明比古君、君は何者?