死神にくちづけ みんなのレビュー

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

ちょっと読むのをためらったのですが、
思っていたのと違う作品で良い意味で裏切られました。
読むことができて良かったです。
（躊躇した自分を叱ってやりたい）

「死神の鎌」を思いもかけない形で引き継いでしまった神谷
宗主様の気持ちも行動原因もわかるけれど、
結局ヨハネ以外なら誰でも良かったという理解で良いのかな？？？と
思ったけれどどうなのだろうか。
ヨハネの心がほころぶように神谷につながっていくのが目に見えるようだ。
神谷は自分自身の生い立ちも含めて色々と負の部分もあり
元々は「普通」の人間であるのだが、
理不尽にも引き渡された力のせいで「地獄」も見たのに
基本しっかり自分の足で立っているのがすごい。
希有な存在かと。
「普通」で居られないのに「普通」さも失わない彼の強さに
なので実は宗主は無意識に引っ張られたのかもとか思う
（死神が導いたのか？？？
外からはランダムに見えてそうではない何かがあったのではと）
ヨハネの因縁を考えると何かの導きがあったのではと思わざるを得ない。
ヨハネの有り様も含めて、導きを感じます

有働はサイコパスですよね･･･。
彼の存在が神谷とヨハネを結びつけたのも因縁のなせる業
彼と彼女の関係
そしてマリコの存在
ところどころで開示されるマリコの心情と痛々しさそして強さと弱さ
ああいう結果にしかなれなかった切ないなぁ
マリコの激しい痛々しさを思うとともに
金獅子公が密やかに切ない思いも含めてきらきらしているなぁと
密やかに思ったりして。

あの日々を振り返っても「人生最良の日々」とする二人の長い時間を思って祈りたい気分です。