紙の本
他の兄弟はどうだったんだろう。
2018/11/06 16:50
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
三代続く動物学者の、二代目が書く自伝。気がつけば自宅に珍しい生き物が飼われていたり、山での生態調査の手伝いをしていたり。
世界初の「野生の生きたイリオモテヤマネコ」の写真を撮った話とか、珍しい動物調査体験の話もふんだんである。生態調査で捕獲した生き物の計測の仕方とか、糞の調査なども具体的で勉強になる。調査センターを作ろうと計画した古い山小屋が事件現場だったなど、笑えない話もある。
こういうところを読むのも楽しいが、「父も兄も動物学者というのはどんな気持ちだったろうか」などと「ひとりの学者の出来るまで」の心理を想像しながら読むこともできる。母親や弟妹の事はあまり深くは触れられていないので、自伝と言っても「学者としての」自伝なのだろう。ほとんど出てこない妹や弟たちはどう思っていたのか。そんなところも知りたい気がする。
最後の章あたりでは「科学者は・・」といった科学者の在り方などが父親の思い出などとともに語られる。これから科学者になろうか、と思う人には読んでおいてほしいところ。
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動物学者の著者が、小中学生向きに書いたなぜ親兄弟と同じ動物学者になったかを振り返って示しています。
GPS もなくフィルムカメラを使っての野生動物の調査は、想像以上に大変でスリルも溢れている。それを越える魅力が伝わる。
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小学生高学年くらいを対象に書かれているため漢字にルビがふってあり文章も平易である。しかし内容は動物好きがいつのまにか学者になっているようすや動物観察や野外調査のおもしろさ伝えるもので、それがとても楽しい。
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どうしたら「動物学者」になれるんだろう。お金は誰がくれるのだろう。職業としての動物学者になる方法について、答えてくれそうで答えてくれない。そういう意味では「バッタを倒しにアフリカへ」のほうが役に立つ?かも。こっちは昆虫学者だけど。
「動物が好きな人」と、「動物のことを調べるのが好きな人」は違う。生き物としての動物に感情移入する人は、動物を捕まえて標本にはできないだろう。子供向けに書かれた本のようだが、そのへんが子供に伝わるのだろうか?
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児童書だが、大人でも充分ためになる。
特に、富士山の小屋で遭遇した、「得体の知れないモノ」の話は中々ない経験というか、修羅場というか。
著者のハシビロコウをまとめた雑誌などもお気に入りです。
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ざんねんな生き物事典の監修をされた今泉忠明さんの著書。ざんねんな生き物事典も面白かったし、表紙の絵もかわいくて思わず手にとってしまった。
カテゴリとしては児童書らしいけど、大人でも読み応えがある。
著者のユニークでアンユージュアルな体験が面白く、ストーリーにぐいぐい引き込まれていく。既に70歳を超えていらっしゃるというのに、幼い頃や若い頃の思い出話もみずみずしく描かれている。
純粋に、著者の人生を追体験できるようでワクワクしながら読めた。
それから、動物学者という普段接することのない世界を知れたところもとても面白かった。動物学者といっても様々な分野があり、研究の対象も様々。しかもカッコイイ華々しいことばかりでなく、かなり地道な作業も多く、忍耐力が必要なよう。そして自然相手ということもあり、危険と隣り合わせな職業のようだ。
自分が知らなかった動物や、その習性などもたくさん知れて、そこもまた面白かった。
以下、読書メモ
・自然の中で学ぶ、実物を見る
(動物たちご生きる現場に実際にアシを踏み入れるからこそ、わかることがたくさんある)
・体力づくりが役に立つ
・動物学者には理論も大切だが、フィールドワーク、調査、研究も大切
・科学は自由であるべき
科学の世界では、つねに仮説を立て、それを立証できるような証拠を研究や調査によって集めていきます。仮説は、自分が考えるままに自由に立てるべき。(だが客観的な視点も持つ。)
・自分を信じる力、目標に向かって突き進む情熱、それでいて冷静な視点。この3つのバランスが大切
・動物学者といえど、多くの人とつながりも大切。様々な協力関係が必要。
・仲間を持つことの大切さ
仲間は、価値観が近く、同じ目標に向かって協力したり、切磋琢磨しあう人のこと
こどもの頃は無条件に仲良くできる「友達」を持つことはとても大事。友達と遊んだり、ケンカしたりする中で学ぶことがたくさんある。
(同窓会には参加しない)
・ウジューヌ・デュボアの情熱(ジャワ原人)
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小学生向け?なのか、字が大きく読みやすかったです。
動物学者の先生がどういう日常を過ごされていたのかも細かく記載があり興味深かったです。
イリオモテヤマネコの発見から新種登録の過程はワクワクしたし、その後のベンガルヤマネコやツシマヤマネコとのDNAの面からの類似については、そういう観点からも考察するんだと感心しました。
小学生とかが、夏休みとかに読んだら将来の夢が変わっちゃうかもしれない、面白い本でした。
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動物学者の今泉先生が動物学者になるまで。
動物学者の父と兄。親子三代ってすごい!
そして生活は想像以上に幼少から動物一色で驚きました。
小学生から父親と山へ標本採取へ行き、自宅で動物標本作成の手伝いまで。あまりに本格的だし、自宅にいる動物もコウモリ、ヘビ、ネズミ、モモンガ、リス…と実に様々。
イリオモテヤマネコ発見エピソードには興奮したし、色んなことが興味深く面白かった♪
『科学は自由であるべき』
という言葉が印象的でした。
児童書で読みやすいので子どもたちにも読んでほしい1冊。
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お父さん、お兄さん・今泉忠明さん、息子さんと、親子三代で動物学者の今泉忠明さんの自伝。
今泉さんは、動物分類学者であったお父さんのお手伝いで子どもの頃から採取のお手伝いや標本の作製をされていた。
野球部と柔道部に入ったが、山歩きのための体力作りが目的。
同じ理論派のお父さんとお兄さんはしばしば激論を交わしていた。イリオモテヤマネコは新種かそうでないか、など。
他、コモドオオトカゲ、ニホンカワウソ、ヒミズなど色んな動物たちとの想い出。
富士山の事件。
ネズミ・コウモリ・モグラは、かつて狩猟分類では虫だった。
食虫目の動物は哺乳類を調べるときの基礎。
車の免許を取った大学生のとき、あちらこちらに父の採取旅行に出かけることに。
自由な研究の場を!
科学は多数決ではない。
〇動物学者の仕事と心意気。フィールドワークの楽しさが描かれていた。
〇学問や探求に、研究者の方々が憂いなく打ち込める環境が整えられますように。
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今泉という名前を見ると 吉典さんを思い出します。
子供の頃読みました。
読んだというより 猫関係の本だったと思います。
忠明さんも 気がつけばお父さんの後を追いかけるように
動物学者になっていました。
フィールドが好きなのは血筋なのか
それとも子供の頃から慣れ親しんだからなのか
わかりませんが 良い環境で育っていますね。
学生向けの図書だったので とてもわかりやすく書かれていました。
こういう風に情熱を向けられるものがあるって
いいですね。