電子書籍
どちらも眩しい
2018/10/05 11:28
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投稿者:sui - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は基だけれど、影の主人公は瑛太郎といえるであろう。
瑛太郎は大人になって基が眩しく見える。
しかし、三好先生達からは瑛太郎も眩しく見える。
自分の青春を振り返りたくなる秀作。
紙の本
名言の宝庫
2023/04/08 19:29
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投稿者:茜音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今やすっかり額賀ファンの私が最初に読んだ額賀さんの本。
まず、表紙が綺麗! (思わず手に取ってしまった)
目次の前の透かしの1枚も綺麗!
そして何より、本編は名言の宝庫。
キャラクターがそれぞれ魅力的で、台詞に力がある。
吹奏楽部でない私も、今入っている部活、部活で過ごす時間、部活をしている時の自分、をもっと好きになれた。
部活が好きな人にも、部活で悩みがある人、部活で少し行き詰まっている人にもおすすめ。
音楽が好きな人が楽しめるのはもちろん、この本の凄い所は、音楽だけが魅力ではないこと!
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小学3年の頃目の当たりにした吹奏楽の名門・千間学院高校の演奏に憧れ、アルトサックスをはじめた基。
中学卒業を最後に、吹奏楽をやめるつもりだった基だが、千学の黄金世代の部長・瑛太郎がコーチとなる事を知り、吹奏楽への情熱を取り戻す。
全国大会を目指すと宣言した瑛太郎が初めにした事は、基の幼馴染で部内の人望もあつい3年生の玲於奈の代わりに、基を部長にすることだった。
オーディション、家庭の事情、進学との両立、部内の不協和音。それでも基は、不器用に、まっすぐに、自分の音を探し、全国大会の舞台を目指す。
額賀さんのデビュー作から、ずっと読んでいる。
額賀澪×高校生×吹奏楽。
これで傑作にならないはずがない。
この作品は、主人公である基だけの世界ではなく、7年前に高校生だった瑛太郎たち、瑛太郎を見守ってきた大人たちと、三世代の心情が交わり合うところがいい。
そして、玲於奈と基。幼い頃から同じ思いを共有してきた絆、相手の演奏を愛し、それでも自分がソロをとりたいと願う情熱、2年の学年差という高校生にとって大きな違いを際立たせる関係性が絶妙。
瑛太郎と楓も、安直に遠距離恋愛とかにしない、同志でライバルのような関係としておくところがいい。
コミックにしたい、実写にしたいという企画がすぐにでも起こりそう。
だからこそ、今は、表紙はもうちょっと硬派?なデザインが良かったなぁ。
文庫化したらこういうテイストがいいのかもしれないが。
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吹奏楽部がこんなにもすごいなんて読んで知りました。入学したての1年の基が部長になるなんて意表をつくと思いました。どんな曲なのかわからず思わずググってしまいYouTubeで聴いてしまいました・演奏が思わず聴こえてきそうな文章力でした。
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前作の「完パケ!」に続き、本作も良かった!
「拝啓、本が売れません」で作家さん事情を垣間見て、
より応援したくなり、その後の待望の新作でしたが、期待を裏切ることのない面白さでした。
青春ものでありながら、高校生の視点だけでなく、コーチ側の視点もある。
そしてブラック企業になぞらえて「ブラック部活」と称し、学業と部活の両立、部活動の在り方といったテーマに切り込んで行っている。
この点が物語に厚みを持たせていて、
薄っぺらい青春もので終わらせなかったと思う。
キャラクターに関して言うと、
少しまっすぐで綺麗過ぎるきらいはあったかな。
もう少し目を背けたくなる様なブラックな内面があった方が人間らしくて良いかも。
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高校生×吹奏楽の黄金青春小説。
だけど、額賀さんはここに「ブラック部活」という今ならではの問題も盛り込んできた。そうなんだよ、部活問題、いま難しいんだよ。
高校生って人生において最初の分かれ目なんだよね。どこに入学するか、から始まり、どの部活に入るか、どういう進路に進むか。そういう岐路に立っている三年間、大きくて重い時間。その時間を部活に捧げる高校生たち。自分の能力や才能に悩んだり折れたり去ったり、そして全うしたり。そのどの道を選んだとしても、どの道が正しかったかなんて最後までわからないわけで。後悔することもあるだろうし、思い残すことなく次の一歩を歩みだすこともあるだろうし。そんなひとつひとつの青春を丁寧に描いているのはさすが額賀さん。ブラック部活についてはいろいろ思うところがあるのだけど、それはまた別の話。
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中学で優勝できなかったことから一度は吹奏楽をやめる決意をした茶園 基。
コンクール優勝を目指し吹奏楽にかける高校生たちを描いた青春小説。
まさに王道の青春小説。胸を打つくらい若さに溢れている。
部活に全てを捧げて受験に失敗したら何も残らないと大人や親からしたら思ってしまうけど、学生の頃ってわかってる部分もあり、わかってない部分もあったなぁ。
基達が苦しくもあるけどやっぱり音楽をやるのが楽しいのがよく伝わってきた。
かつては基と同じ部活に懸けた高校生であり、大人になりやりたい事を見失った不破の再生の物語でもあった。
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中高、吹奏楽部だった私には「あるある!」な面がたくさんあった。ブラックな部活とは言いつつ、ちょっと理想的すぎて、現実味が薄いかな…
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高校の吹奏楽部で全日本での金賞を目指して頑張る高校生たち、彼らの指導をすることになった吹奏楽部の黄金時代を作り上げた伝説のOB。彼らが織り成す青春讃歌。
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高校生が頑張る話は大好き。
吹奏楽部で成長する高校生だけでなくて
24歳の青年が成長していく様が
描かれている。
みんな悩みながら、考えながら成長していく。
部活動のいいところばかりを挙げないところがよかった。
「ブラック部活動」なんて言葉でてくるのも
今、という感じがする。
高校生の目線と家族の目線だけでなく
何よりもコーチの瑛太郎の目線が描かれていることが新鮮だった。
実り多い高校生活を送ってほしいと
いつだって思っているんだよぉと
親目線では伝えたかった。
伝わってるみたいだったけど。
いい作品です。
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18/09/08読了
きれいすぎるし、話の展開は想像を裏切らないし、きらきらした言葉はあるあるも多い。でも大好き。物語として、気持ちに入り込んできて、泣かされる。
十八のときだったら、の繰り返し。瑛太郎は大人で、彼を見守る三好先生と森崎さんの配置。徳村に楓。愛にあふれてる。
先々であのとき部活なんてやってなかったらって思って欲しくない。
今日という時間がどれだけいいものだったかを決めるのは、明日以降の自分だ。だから、今日のためだけに生きるなよ。
あとからなら何とでも言える。何とでも言えるのだ。だから、今を足掻くことができる。
泣かせてやろうかと思って。
悪いな、一人じゃ帰せない。
お前が歩いてきた道を、正しい道にしろ。
忘れてしまえるくらい、いい人生を送ってくれ。
愛してる
あらあら、若者がこんなところで泣いてるよ
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恋愛要素のない「響け!ユーフォニアム」といったところだろうか。
姉の勤務する広告代理店(電通モチーフ)のブラック企業と体罰問題等で昨今ニュースにも取り上げられているブラック部活動問題を絡めてきてはいるが、本筋とはほぼ関係ないためわざわざ出してくる必要があったのかは疑問。
青春吹奏楽小説として捉えれば一定のレベルには達しているとは思うが、Amazonで誰かが感想を書いていた「思春期の男子が女子に興味がないのはおかしい」というところには笑ったが確かにそうだとも感じた。
恋愛要素は…でもまあ、いらないか。
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心をハンマーで叩きながら訴えてくる本に出会いました。
僕のような年齢になって、この本で進む道がおぼろげに見えてきたかも・・・
この本を一言で
「好きなものを真剣に抱きしめた時間が、人を
大きくする」。【本文より】
【本文より】
「何も考えないでやっいていると思うか?あいつらが悩まず練習していると思うか?たしかに高校を卒業してからも音楽を続ける奴は一握りだよ。やめる奴が大半だよ。確かにそうだよ。なのに必死で練習しているんだよ。勉強も受験も将来もコンクールのことも、二十年も生きてない子供が必死に悩みながら一生懸命やっているんだよ。親や担任に「部活ばかりやるな」って言われて、自分でもその通りだって思いながらそれでも音楽をやろうとしてるんだよ。たった数分のフレーズのために何日も何日も悩んで練習してるんだよ。一日二十四時間しかない中で必死に楽器に触ってるんだよ。」
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4.8
この手の鉄板系青春物を読むと、すぐに読み終わるのが勿体なくて度々本を置くのだけれど、結局一気に読んでしまう。
好きなんだなぁ
やっぱり・・
「羊と鋼の森」や「蜜蜂と遠雷」などの、音楽を扱った名作に共通している魅力・・
その「旋律」や「音の色彩」、「身体をとりまく空気」に包まれる感覚がたまらない。
a striking scene
⚪︎号泣「汐風のマーチ」事件
⚪︎瑛太郎と基のスケルツァンド in チャペル
⚪︎暗闇のソロパート掠奪と玲於奈のビンタ
⚪︎全日本のソリストを賭けた闘いと、玲於奈の号泣。
やはり映画化は必至だわね。
真剣佑?それとも、山崎賢人?
中学三年の吹奏部部員・基は中学生活の全てをかけて目標としていた、全日本吹奏楽コンクール出場の夢に破れ、吹奏楽を辞める決意を固める。
隣に住む二つ上の幼馴染・玲於奈が吹奏楽部部長を務める千間学院高等学校へ進学するが、玲於奈の執拗な勧誘にも決意は翻らない。
ところが、基を吹奏楽へと誘った憧れの男・不破瑛太郎がコーチとして現れると、アッサリ入部を決めてしまう。
吹奏部の抜本的な改革を必要とした瑛太郎は、一年生の基を部長に任命する荒療治に出るが・・
瑛太郎自身も、輝かしい過去と現在を生きる自分との折り合いがつかず、迷路に迷い込み、生きる目標を失った中での就任であった。
⚪︎茶園基・・主人公のサックス奏者
⚪︎茶園里央・・基の姉、広告代理店に勤務
⚪︎鳴神玲於奈・・隣に住む幼馴染。千学吹奏部部 長、オーボエ奏者
⚪︎不破瑛太郎・・全日本を獲った時の千学吹奏部 部長。玲於奈と基の憧れのサックス奏者。
⚪︎水島楓・・瑛太郎の中学時代からの特別な人。自由曲・風を見つめる者の作者
⚪︎堂林慶太・・基の同級生。トランペット奏者で基と共に一年生で副部長に。
⚪︎徳村尚紀・・瑛太郎の同級生で現在フリーライターの同居人。パーカスのリーダーで副部長だった。
⚪︎森崎・・TVディレクター。瑛太郎達の全国制覇を取材した。
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昔TV取材も受けた現フリーターなOB青年がコーチになり、高校では吹奏楽をやめるという思いを一瞬で翻らせられた新入生の基部長。音楽の神様はブラック企業じゃないという切り込みが新鮮。必死さ、休む恐怖、席の奪い合いの苦しいだけでない何か。不意の愛してるにどぎまぎ。応える若さも可愛い。演奏の楽しさに満ちていた。