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鏡を見るたび、ありたい自分とは遠い顔形でがっかりする毎日、美容整形までは考えたことはないけれど、、、、と思いながら手にしました。
美容整形をめぐる意識は、性差が大きい。
この本は、男女を対象にしながら、性差が大きいので、時には女性のみに絞って分析しています。
・・・男性に絞った美容医療(髪とか、、、美容外科でなくとも医師が診察し薬を処方しているような美容医療)についても、実はニーズあるのでは?誰か書かないかな?などと思いました。
先行研究では、「異性へのアピール」や「劣等感克服」が美容整形の主たる動機と考えられてきたが、もっと違う視角で観察できる、というのが本書のキモ。
いろんな分析の末の結論に、個人的な実感としても納得。
加えて美容整形を行う医師の側についてもインタビューを行なっていて、「医療」と「美容」、使う免許・技術は同じでも、使われ方の違いは大きいなーと感じ、興味深く読みました。
一点、些細なことかもしれませんが気になったこと。
メディアに見る社会規範を考察するために、「GROW2016年9月号」に掲載された学者Uさんと芸能人Kさんの対談記事の中の「美魔女」に対する言及を取り上げられています。(P 97)
Kさんは「有名な女性芸能人Kさん」とされている一方で、有名な学者Uさんは、実名。
なんで片方は実名で片方は伏せるんだろう?
どちらも実名、もしくは、どちらも伏せる、のだったら違和感ないのに。
Kさんが誰なのか知りませんが、UさんKさんから想起されるそれぞれのイメージが読者に与える影響を考えて?片方だけ実名にしたのかな?とか、穿って考えてしまいます。