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そして誰もが名のない物のことを思い出した。
犬たちは別だ。犬たちが忘れたことはなかったからだ。」
スペインのアレンテージョのほど近くに、誰も知らないような村、ガルヴェイアスは実在する。
宇宙から巨大な"名のない物"(ひどい臭いがする)が落ちてきた年の出来事なのに、人間たちは、日々の生活、色恋沙汰や喧嘩、死のことばかりだ。
でも、たしかに、名のない物はガルヴェイアスを目指して、落ちてきたのだ。
別の本に出てくる、「ここはアレンテージョなのよ(なにが起こってもおかしくないの)」という少女のことを思い出した。
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家の外にある便所でローザがビニール袋に自分の大便を落とす。ローザは袋の口を閉じて廊下の冷凍庫にそれをしまう。スカトロジー? いや違う。これには訳がある。ローザの夫は従弟の妻ジョアナと浮気をしているという噂がある。ローザは溜めておいた自分の大便を缶に集めて水で溶き、それを籠に入れるとジョアナが店を広げているところに行き、籠の缶に手を突っこむとその顔にどろどろの大便をぶっかける。驚いている顔にもう一度。その後はつかみ合いの喧嘩。二人とも留置場に入れられる。糞便で汚れたまま、壁の両端に離れて。
こんなすごい復讐劇、初めて読んだ。文字通り「糞喰らえ」ってやつだ。しかし、陰惨さがかけらもない。村の産婆に呪いをかける方法を教えてもらうが、呪いをかけられるのは夫の陽物だ。死人も出ない。二人とも髪は引きちぎられたが、それだけだ。見物客も臭かっただろうが、堪能したに違いない。しかも後日談がある。二人の女はその後、夫が仕事に出たすきを見つけて脚をからめあう仲になったというのだから、畏れ入るではないか。
こんなエピソードが次から次へと繰り出される、不思議な小説である。マジック・リアリズムめいてはいるが、雨は何年も降り続かない。せいぜい一週間だ。人が空を飛ぶが、オートバイ事故だ。一九八四年というから、さほど昔の話ではない。ロス五輪が開催された年である。それなのに、ここポルトガルの寒村では、電気の引かれていない家があり、欲しいものは、と聞かれた娘は「テレビ」と答えている。
ガルヴェイアスに「名のない物」が空から降ってくる。落ちた場所には、直径十二メートルの穴が開き、「名のない物」からは強い硫黄臭がする。それから七日七晩、強い雨が降り続くと、犬たちをのぞいて人々はそのことを忘れてしまう。しかし、その日から、村には硫黄臭が絶えず漂い続け、小麦の味を変え、パンを不味くしてしまう。ガルヴェイアスのあるアレンテージョ地方は穀倉地帯で、ポルトガルでは「パンのバスケット」と呼ばれている。呪いがかかったようなものだ。
主人公という特権的な立場に立つ者はいない。章がかわるたびに、一つの家なり、人なりに照明が当たり、その秘密や隠し事、他の家との確執、兄弟間の裏切り、復讐、喧嘩、和解といった出来事が語られる。面白いのは、あるエピソードにちょっと顔を出すだけの人や物が、別のエピソードの中では重要な役割を果たすという仕掛けを使っていることだ。
たとえば、ウサギ。冒頭で紹介したローザの息子が銃で撃ってきたウサギを五羽持ち帰る。ローザはそれを他所への届け物に使うのだが、亭主は四軒の届け先には納得がいくが、残りの一軒になぜウサギをやるのかが分からない。実はそのアデリナ・タマンコが、亭主の一物に呪いをかけるやり方を伝授してくれたのだ。話が進んだところで、ああ、あれはそういうことだったか、と納得する仕組み。つまりは伏線の回収なのだが、これが実に巧みでうならされる。
ウサギだけではない。オートバイ、銃、金の鎖といった小道具が、人の因果を操る呪物のように重要な役割を要所要所で果たす。それは人と人とをつなぐとともに、災いのたね��もなる。たとえばウサギ狩りにも使われているオートバイは、村の若者が町に出かけるための必須アイテムだ。カタリノは路上レースで負けを知らず、ついには彼女をものにする。しかし、そのカタリノが兄とも慕うオートバイ修理工は、新婚の身で事故に遭ってしまう。
小さな村のことで、人々は互いをよく知っている。それでいながら、隠すべきことはしっかり隠している。そしてまた隠していても誰かには見られてもいる。「名のない物」が落ちたのを契機にして、箍が外れたようにそれが露わになる。中でも多いのは性に関わることだ。ブラジルから来たイザベラはパンを焼くのが本業だが、店は風俗店も兼ねている。若い妻を家に置き去りにしてカタリノはイザベラの店に通う。
イザベラがポルトガルに来たのはファティマかあさんの最後の頼みを聞いてやったからだ。ポルトガル生まれの老売春婦は、生まれ故郷に埋葬してほしいとイザベラに頼んで死んだ。棺桶と一緒に船に乗ってイザベラはガルヴェイアスにやってきた。そしてかあさんの家を継ぐことになった。そんなある晩、イザベラは村の医者マタ・フィゲイロの息子ペドロと車で夜のドライブに出た。
セニョール・ジョゼ・コルダトは、親子ほども年の離れた使用人のジュリアに焦がれ、自分の横で眠ってくれと懇願する。ジュリアには二十五にもなって遊び歩いているフネストという息子がいる。ジュリアのためを思ってセニョール・コルダトは懇意にしているマタ・フィゲイロ先生に仕事を紹介してもらう。収穫したコルク樹皮の見張り番だ。フネストは夜中にやってきた車に向かって威嚇射撃を行うが、朝になって警察に捕まる。撃たれたのはイザベラだった。
よかれと思ってしたことが、人を不幸にしもするが、逆に殺そうとまで恨んだ思いが和解を育むこともある。小さな村の錯綜した人間模様が複雑に絡みあい、一九八四年のガルヴェイアスに襲いかかる。「名のない物」の落下に始まる黙示録的な啓示は、どう果たされるのか。詩人で紀行文も書くという作家はシンプルで読みやすい文章で、ガルヴェイアスの住人の素朴な魂を紡ぎ出す。作家の故郷でもあるガルヴェイアスに行ってみたくなった。
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とりあえず重版することがあれば、登場人物一覧を挟み込みで入れていただきたい。いや、オイラもう買っちゃったから今さら入れられても関係ないけど。登場人物一覧書きながら読んだのって「百年の孤独」(水色と白のツートンのカバー版)以来やわ。
で、中身。久々にラテン系小説でした。文章の雰囲気はマジックリアリズムっぽいんやけど、別に超自然的なことは起こらず。空からなんかデッカくて臭いのが落ちてきたけど、それはそれとして日々は過ぎる、今までと変わらず息苦しいほど暑苦しい日々が。この辺の暑苦しさ、汗臭いと言ってもスポーツや労働ではなく、暑さ蒸し暑さからくる汗臭さ、この辺がラテン系と感じるんですよ、別に底抜けに明るい訳やなくて。
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現代ポルトガル文学を知りたいと思って読んでみたが、重層的な場面転換が続くモザイク的なストーリー展開をなじみのないポルトガル名の登場人物で追うのは辛かった。
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巨大な何かが落ちてくるという非日常とその村の人たちの日常の群像劇。
ポルトガルの小さな村は、消失するわけにはいかない。誰もが自分の故郷には、未来があると信じたい。
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鴻巣友季子の2018年のベスト。
1984年のある真夜中、宇宙から未知の物体が「ガルヴェイアス」の村に落ちてきて……。
村人たちはこの物体のことを次第に忘れていく。しかし犬たちは忘れなかった……!
一章ごとに一人の村人にフォーカスを当て、その貧しく素朴な暮らしをみっしりと、執拗なまでに詳述する。
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外国の本を読むのは久しぶりで
慣れるまでは苦労しました。
ガルヴェイアスという村に
空から「名のない物」が降ってくる。
街を覆う硫黄臭、異常気象、、、
その中でガルヴェイアスの人は
(それを忘れながら)ただ自分の物語を生きていく。
小さな街なので、それぞれの物語が
巧みに重なり合う。
え、この人があの時の、、、?
みたいなことが山ほどある。
最終的には人物相関図書きながら読みました。
それぞれの物語は
楽しいとか面白いとは程遠いのに
最終的には人々の不思議な力を感じたなぁ
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ガルヴェイアスというポルトガルの片田舎の村(作者の故郷である実在の村らしい)に轟音とともに隕石が落ちてきた。いつまでも硫黄臭が充満する。それが引き金になって時空に歪みが生じたのか、あるいはそれとは関係なしに、村人たちの生活に少しずつおかしなことが起こっていく。章番号も何もないのだが、村人のそれぞれが主人公の短編集のようになっており、かつ、ある話の登場人物が別の話の主人公になっている重層的な構造になっている。途中で何度も「あれ、この名前は?」と前にさかのぼって元のエピソードを探した。
ポルトガルの作家の小説は初めて読んだが、さすが元宗主国とでも言おうか、南米の作家の小説にテイストが近い。
追伸:祝 第五回日本翻訳大賞受賞!!
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突如宇宙から名も無き物体が落ちてきて、硫黄の匂いが染みつき干からび始めた村。魔術的な言葉で語られる人々の愚かな過ち。石灰の味がするパン。はびこる犬。そして一片の希望。
最後は田舎特有の閉塞感が一気に開放されて、宇宙の秩序が見えた気がした。表裏一体と原点回帰。
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隕石が落ちてこなくても、硫黄臭くならなくても、きっとこの村はこんな感じで、もっといえば人間ってこんなものなのかな。
誰が誰やら行きつ戻りつ、まるで噂に惑わされるように。
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ガルヴェイアスという田舎町の、様々な人々の生のあり様を綴織のように描いていく。読んでいて、マルケスの『百年の孤独』をちょっと思い出したが、そこまでのスケール感はなく、ラストはうまく収めたなとは思いつつも、やや既視感がある。
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「ほかにいくらでも場所はあったはずだが、行く先は定まっていた。」(P7)
ポルトガルの田舎町カルヴェイアスに向かって宇宙からまっすぐ落ちてきた名もない物は、轟音を響かせ原っぱに大きな穴を開けその底に留まった。
カルヴェイアスに隕石が落ちてきたこの夜から、カルヴェイアスは硫黄の匂いで満たされる。日々の生活に追われる人々は徐々に忘れてゆく。しかし犬たちは覚えていた。
…という場面で幕を開ける、作者ペイショットの故郷でもあるカルヴェイアスを舞台にした人間模様。
カルヴェイアスには老人が多く貧しい。男たちは暴力沙汰を起こし目をつけた女を押し倒す。女たちは日々の生活を精一杯生き、揉め事や噂話が繰り返される。
全体を通したストーリーがあるのではなく、章ごとに中心となる人物の人生が語られる。カルヴェイアスの1,000人ほどの住民は互いに関わりあっているので、それぞれの話が混じり合い、連作短篇の様相。
ジュスティノ老人は50年間仲違いした兄がいた。兄のジョゼ・コルダトは、親から土地とネックレスを引き継いだ。だが先祖から引き継がれてきたその土地を売り、自分は管理人になったのだ。さらにネックレスを自分の孫娘に渡した時に、それらを屈辱と受け取ったのだった。
ある朝ジュスティノ老人はこの思いに決着をつけることにした。兄を殺すのだ。
ローザ・カベッサは一週間かけて自分の大便を溜め込んでいる。
カベッサ一家は子沢山で夫はその堅い手で子供たちを殴ったり、近所の人と争ったり、妻のローザの身体を弄ったりする。家は散らかり子供たちの学校生活も問題がある。
だからローザは夫の浮気相手と言われている女に大便を投げつけてやることを目下の目標としてきたのだった。
くりかえし呼んだあなたの名が、静寂に優しく溶けてゆくさまを見守ろう。ゆっくりとあなたを呼吸する。
ジョゼ・コルダト老人は家政婦の中年シングルマザーのジュリアと共に暮らしたいと思っていた。だからジュリアの悩みである息子フネストの問題を解決したいと思った。
ジョゼ・コルダト老人は名家のマタ・フィゲイラ先生を尋ねフネストに仕事を頼む。ジョゼ・コルダト老人は先生に土地を売りかつてそこの管理人だった。次の当主であるペドロぼっちゃんは立派に成人して家庭も持っていたが坊っちゃんでいることに満足して働いてもいない。名門の家に家族以上に親しく経緯を持って迎えられているジョゼ・コルダト老人との関係は町の人々が驚くほどだった。だがやはり身分と環境の違いは乗り越えられないらしい。
ぼくの恐れはあなたの意のままに。
カルヴェイアスに着任してきた若い女性のマリア・テレザ先生は、教育に、女性の地位向上に熱心だった。だが歯に布着せずに物を言う彼女の態度を気に入らないという町の人々はたくさんいたらしい。ある朝町人の悪意はひどい暴力の結果をマリア・テレザの前に示す。
マヌエル・カミロ老人には目をつけている少女がいた。妻のゼファは耳が聞こえなくなった。だから家に妻がいても、下宿人の女性のトイレを覗き見したり、少女を押し倒してことに及ぶことだってできるのだ。
郵便配達夫のジョアキン・ジャネイロはカルヴェイアスの人々の情報に通じていた。だが彼にも秘密はあった。ジョアキン・ジャネイロは兵役に出ていた時に人生を知った。そして毎年9月上旬にギニアに行くのだ。
カルヴェイアスで昼やパン屋、夜は風俗店を営むイザベルは、ブラジルにいたころに働いていた娼館の女将の死体を故郷のカルヴェイアスに運び、結局そこに留まることになったのだ。
故郷を想う。家族を想う。彼とのことが、公にできない彼との関係がなければすぐにでもブラジルに帰るのに。
ダニエル神父は酒を絶とうと思ったことはあったが、結局は酔っ払ってミサに立つことになる。災害、死、暴力、性。一番堪えるのは子供が死ぬことだった。それはカルヴェイアスに着任してから心に刺さって区切りのようになっている。
老人の多いカルヴェイアスで若者たちはバイクを乗り回し、性風俗の店に出入りする。
メカニック技術を競うカタリノ、ジョアン・パウロ、精神薄弱のミャウ、アナ・ラケル、フネスト。
それは恋や嫉妬や事故へと発展してゆく。
そして道には飼い犬や野良犬たちがいる。郵便配達夫に吠え立てたり、毒入の餌を食べてしまったり、暴力のはけ口にされたりしている犬たちが。犬の鳴き声を辿っていったらカルヴェイアスの地図がかけそうだ。人々が硫黄の匂いを日常としても、犬たちは忘れていなかった。そして人々も自分に染み付いた硫黄の匂いを思い出し耐えられなくなる。
こうして人々は容赦のない世界を生きてゆく。
「運命には良心なんてものはない。ただ非常なだけだ。」(P147)
「カルヴェイアスでの日々を振り返り、自らの人生を振り返ると、子供たちの死は蜃気楼の合間に立つ石柱だった。この苦痛を前にして、神の道は計り知れないなどと誰に対しても言えなかった。この苦痛を前にすると、世界は意味を失った。子供の死は、神の容赦のなさの印だった。」(P262)
だがこの沈着したような町でも少しずつ人々の心は動く。
兄を殺しに行ったジュスティノは、その兄を見た時にわだかまりが消えて子供に返った。
ローザ・カベッサは大便だらけの喧嘩をしたジョアナ・バレッタと思いがけない関係を結ぶ。
郵便配達夫のジョアキン・ジャネイロは今年も秘密の愛する妻と子供たちに会ってきた。
毒で死んだ犬が心の支えだったシングルマザーの前にその犬が姿をみせる。
カルヴェイアスは死ぬわけには行かない。
この町で過ごしたすべての人たちのために。
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翻訳の賞をとったとかで。本自体には惹かれながらも、話題の本を手に取るもんか、という意地の中、油断していて手に取った。やっばりよく訳されている。仕事としてこなしてるんでなく、一歩踏み込んだ、血の通った、的確に採掘したような印象。話はポルトガルの僻地で育った作者の子供の頃の時代をイメージした、地名だけ実在の話。私も僻地出身だが、起こるイベントは葬式だけ。外から人が入ってこないので、空気が吹き溜まり、人は澱む。植物だけが生き生き。そんな村に硫黄臭い隕石落ちてきたぞ、ワッショイ。
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登場人物が多く、名前もとっつきにくいし似通ってるしでまったく覚えられず、相関図も出来ず。
場面転換も唐突で、時間軸も行ったり来たり。
読みにくい。
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ポルトガルの小さな村。
いつも通りのある晩、村中の犬が吠え始め、空からある物体が爆音と共に落ちてきた。
それは強烈な硫黄臭を放ち、村で育つ麦や、それで作られたパンまで硫黄のにおいがする。
いつしか村人たちは、その硫黄の臭いに慣れて、落ちてきた物体のことなど忘れてしまう。だけど、犬たちは覚えていた。
そんな感じで始まる話なのだが、ある物体について解き明かすものではなく、ガルヴェイアスという村で暮らす人々の話。
彼らに関するエピソードはどれも悲劇的であるし、たくさんの人物が出てくるので、相関図を頭に描くだけでも一苦労だ。
小さな村だから、醜聞もすぐに知れ渡り、誰それが何をしただのあれをしただの、そういう話がいっぱい。
はっきり言って、そこから何を得たか、とかはない。
ただ、私はそこで生活する人々の日常が、とても好きなのだ。まるで犬の目線で見ているかのよう。
そういうものを想像するだけで、私はとても満たされた気持ちになるのだ。