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面白かった!
抽象観念を否定する冒頭は、ロックを読んだあとだと、「いやー、ロックの考え方、好きだけどなー」と思ってたけども、
「ある言葉が一般的になるのは、(中略)言葉がいろいろな個別的観念を表示する記号とみなされ、したがってこれらの個別的観念のどれをも精神にたいして無差別に示唆する」p33
これは素晴らしい
それって、たとえば、木、という言葉は、一般的な木、というのを示すのでなく、ありとあらゆる個別的な木が重ね合わされてる状態をいうのかと。
そして、それを脳裏に想像するときには、常になんらかの個別的な形をもつ、と。
これ、量子論やん
確率的に重ね合わされた電子が、観察においてある1箇所に定まるのと同じく、あらゆる木の観念の重ね合わせとして存在している木という言葉があり、それを実際に考えるときには、ひとつの具体的な木が選ばれて脳裏に浮かぶ
量子観念論
脳のことを知るには量子重力理論が必要と考えたペンローズへと思いは広がる
観念論自体はどうにもなっとくしきれず。
量子としての世界があって、それが人間の認識のレベルの都合で世界としてあらわれてる、という、今日の脳科学的な理解であれば理解できるけども。
ただ、最後の精神についてのところで色々と納得できてく。
バークリってものすごくスピノザ的なのでは?バークリとスピノザ、という考察はどこかでされてないのかしら