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すごいな。いろんなことが詰まっている。
ユング派というのを知るために、
ユングの本を一回しっかりと読んでみたかった。
本書が「はじめてのユングだ」という読者向けに、本書を読み勧めるための最低限のガイドして、横山さん大塚さんによる「解題」が最後の方にあり、それがまず素晴らしい。
ユングの当時の時代性。
ユングとフロイト、アドラーとの違い。
「逆転移」「弁証法的過程」についての文章はとてもわかりやすかったし、まさに何が起きていたのかずっと探していた答えをもらったような文章だった。
「解題」をまず読んでから読み始めるのもよいと思う。
ユングでさえも観察から始まったことを知る
患者の行為や言葉に込められた意味を理解することの重要性を、ユングはすでに直感的に理解していた。
言葉から言葉を連想するまでの時間に着目し、なんでこの間が必要だったのかに思いを巡らす。
印象に残ったユングの言葉
・誰もが知るとおり、人は強烈な体験が持つ情動的価値が失われるまで、その体験のことを何度も繰り返し語らずにはいられない、というやむにやまれぬ欲求を感じるものである。
箴言にあるとおり、「心を満たすものは、口から出てくる」のだ。
・「患者」がどの世界からやってきているのか、そしてどの世界で適応していかなければならないのか
・いかなる変化も必ずどこかで始まらなければならない。したがってそれを引き受け、やり抜くことになるのも、一人の個人なのである。変化は一人の個人と共に始まらなければならない。それは私たちの中の誰かのことかもしれないのだ
・自分自身の傷つきの分しか、治療者は治すことができない
もう一回読み直すのは大変だけれど、もう一回じっくり読みたい気もする。それぐらい詰まっている。