紙の本
父親もエネルギー使っている
2021/06/06 11:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:象太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
妊娠って男の人がやってくんないかな、とかつて妻に言われたことがある。女ばかり大変で不公平というのだ。しかし、男も大変であり、常に外で激しい競争にさらされているだけでなく、妻や子供に相当なエネルギーを使っている。本書は、それをよくぞ言ってくれた。これを父親投資という。男は休みの日に家でゴロゴロ寝ているばかりではないのですよ。ぜひ女性にも読んでもらいたい本。
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男の健康と老化の鍵はなにか?
進化生物学(と人類学)から、まったく新たなエイジングが見えてくる!
・男の免疫力はなぜ女より弱いのか
・年とともに男のウエストが太めになる進化的メリットとは?
・長生きする男はどこが違う?
・ぽっちゃり男が好かれるのは?
・若くても父親になると男性ホルモンが減るわけ
・高年齢男性はヒトの長寿に貢献した?
・哺乳類、霊長類、ヒト(西洋化社会・狩猟採集民)で、老化はどう異なるか
・・・男と女の健康・老化の違いから、ヒトの進化の核心が明かされる。
★人間の生命の見方を変える洞察にあふれている。男も女も必読だ!
ーーダニエル・E・リーバーマン(『人体600万年史』の著者、ハーバード大学教授)
★『ウォール・ストリート・ジャーナル』『サイコロジー・トゥデイ』
『ニューサイエンティスト』など、多数メディアで絶賛!
詳しくはこちら・・・
http://www.intershift.jp/w_otoko.html
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<目次>
第1章 男の老化と進化
第2章 死者の曲線
第3章 お腹のぜい肉にもメリットあり
第4章 高年齢男性はヒトの長寿に貢献した
第5章 父親投資と「ぽっちゃり父さん」仮説
第6章 男らしさはあなたを病気にする
第7章 人類進化の未来に向けて
<内容>
思った内容の本ではなかった。男の老化、特にやや肥満になることは、人類にとって生存や長生きに貢献していることを解いた本。しかし、今一つ心に響かなかった。
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人間は生殖と寿命のトレードオフをいかに選択してきたのか?という命題を軸に、中年男性の老化について考察された一冊。ユニークなタイトルとは裏腹に、多くの仮説が散りばめられ、壮大なテーマにふさわしく大局観に富んだ良書。
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「老化」を、進化論の面から考察した本。
男女の違いについても、進化論の視点から切り込んでいます。
通常、男性ホルモンであるテストステロンは、20代を過ぎると、加齢とともに減少しますが、中には減少幅が少ない人もいて、つまりは、年齢の割にテストステロンが多い人もいて、そういう人は、病気になりやすいそうです。
若い頃は、男性らしさを支えていたホルモンが、歳をとると、悪さをし始めるのは、なかなか興味深い現象だと思います。
そもそも、文明が発達する前は、現代と比較して、人生の早い段階で亡くなる人が多かった、たとえば、70歳を越えて生きるような人間の数は少なかったわけで(70歳は古希ですし)、長生きした結果として現れる、体調面での様々な不調は、大して問題にならなかったはずです。
それが、平均寿命が80歳を越える現代では、老化によって現れる体調面の不調がどんどん明らかになるとともに、実はそれらが、遺伝子的なレベルで起こる不調、すなわち、進化論的に獲得してきた形質であることがわかってきた、ということだと思います。
「進化論は万能」とする考えは危険かもしれませんが、いろんな生命現象を、一旦、進化論の視点から考えてみることは、有益だと思います。
そういう意味では、進化論の視点は、思考の大きな武器といえると思います。
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女性と比較した男性の寿命が短さ、感染症のかかりやすさ、事故の多さなどを男女の比較で「何とトレードオフした結果か」という視点で明確にしてあるので、同様の内容の他書と比較して読んでいておもしろいし理解が深まる。また「老化とは何か」といった点も男女の違いを明確にして書かれていて理解しやすい。
生物学的な性の違いを前提としていない「男女平等の社会」なんて幻想だよな。
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男たちよ、ウエストが気になり始めたら、進化論に訊け!
~男の健康と老化は、女とどう違うのか~
リチャード・ブリビエスカス著
寺町朋子訳
2018年10月1日発行
インターシフト
とにかく悪文。イェール大教授の著者が、ユーモアを盛り込んだ講義をしようと下手なシャレや無駄な比喩を入れまくっている、そんな姿でそのまま本を書いた感じ。230ページ余りだけど、中身は50ページ以下という感じ。おまけに訳が学生時代に読んだ学術論文にありがちな、直訳風で分かりにくさいっぱい。
男が年を取るとウエストが太くなるのはなぜか?それを進化論で見るとこうなる、という本。
それは、主要男性ホルモンのテストステロンが減り、筋肉が減って脂肪が増えることが原因。では、なぜそうなる必要があるのか?若い頃は雌に持てたいので狩猟をするためテストステロンが高いが、相手を見つけ、子供が出来てからは、テストステロンを高めるより、子育てにエネルギーを向けた方が子供の生存率が高まるなど、次世代を残せる。逆にテストステロンが高いままだと、前立腺がんなどのリスクが高まる。では、なぜテストステロンが高いままだと前立腺がんなどになるのかという進化論的な必然性の説明がこの本にはない。
また、狩猟で一番成果を上げられるのは、テストステロン値が高い若者ではなく、ピークを過ぎ、ある程度年を取った男である。上記の説明と矛盾が出るが、これについても説明がない。
女が閉経して、生殖能力がなくなったあとも生きているのはなぜか?ほとんどの哺乳類では死んでいくのに。理由は、子育ての技術を自分の子供に伝えることにより、自分の娘が多く子供を産めたり育てたり、また孫の生存率が上がったりする。これはよく言われる説明であり、この本のオリジナルでもない。
逆に、男はもう生殖の必要がない年になっても、なぜまだ生殖能力を持ち続けるのか?その必要性についての説明もない。
全般に中途半端な本だが、最後の結論はとてもよい。高年齢男性こそが一番危険な存在。戦争や破壊を行って若者の死亡率を高めるのも彼ら。世界中で、高年齢男性の指は、核のボタンの付近をうろうろしている。
以下、メモ(10番目の・以外は面白くない)
・小型哺乳類の方が大型哺乳類に比べて老化が急速で寿命が短い。ゾウのゆったりとした生涯を考えれば分かる。小型は体表面積に比例する熱損失を防ぐために高い代謝率を保つ必要があり、基本的に早く燃え尽きてしまう
・子供の多い女性の方が、少ない女性より酸化ストレスの値が有意に高い。子供を持つことは女性の老化を助長する。
・多くの研究から、若い女性が往々にして、なんらかの危険な行為に携わる男性を好むことが示されている。
・日本の健康な男性を調査したところ、テストステロン濃度は20代でピーク、緩やかに減少するが、40才を過ぎると止まって以後はあまり変わらない(他の国と違う)。著者は、社会的絆や家族との絆の強さがそうしているかもと仮説。
・テストステロンはアロマターゼ(芳香化酵素)により、エストラジオールというエストロゲン(女性ホルモン)の主要な種類に変換される。
・男女2人ともが40才を超えると体外受精の失敗率は20代男女より5倍高いが、男性のみが50代で女性が20代の場合は失敗リスクは少し高いだけだった。
・父親になった男性は、そうでない男性に比べてわずかだが有意にBMIが高い。子供と一緒に住んでいる父親のBMIが最も高かった。
・子供がいない男性より、いる男性の方が長生きする。娘がいる男性ではさらに大きかった。娘が父親の食事などの世話をするため(進化論とどんな関係や?)。
・男性の免疫的機能は女性ほど強くないことが多い。テストスレロンは重要な的で免疫機能を抑制する。一方、女性の方が遙かに濃度の高いエストラジオールという性ホルモンは免疫機能を強化する。女性に多い自己目音機疾患に関係する。全身性エリテマトーデスや関節リウマチ。
・発がん物質と疑われる食料中の性ホルモン。ステロイドなどの性ホルモンは、牛乳の生産量を上げるため乳牛に、また、筋肉の成長を早めるために肉牛によく投与される。家畜にステロイドを投与すると、感染リスクが増し、抗生物質を予防的に投与する必要があるので病原体の毒性増強や抗生物質への耐性増加が起こる。投与されたステロイドが、人の食べるものから体にたくさん入りこむことはない。
・勢力維持を求めるなら、大量のニンニクとカゼインの組み合わせを検討するといいかもしれない。
・同性愛が進化生物学的現象とは対極にあると主張する人へ。ほとんどのセックスが生殖目的としたものではないことを思い出してほしい。
・2014年のギャラップ社の世論調査では、アメリカ人の42パーセントが、進化は人類の誕生に関与しなかったと信じている。
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今一つおデブになるメリットは解決できなかったけど、おデブになるのは結局、男らしさがなくなり寿命が延びたってことだね。
テストステロンが増えると筋肉が増えるが、免疫力が下がる。
加齢と老化の違い。加齢は単なる時間の経過。老化は時間の経過と共に起こる生理学的機能の低下。
老化のストーリーには体のサイズや代謝率以外のことが絡んでいる。
小さい生物の方が大きい生物より代謝率が高く寿命が短いと言われているが、女性より男性の方が全般に寿命が短い。
長寿のメリットは家族や友人とより長い時間が過ごせる。ゆっくり成長出来るから、成長に伴うコストを分散できる。
女性が自らの生殖寿命を支配できれば…。避妊技術。なんせ、卵子は母親がまだその母親の子宮にいた時から卵巣の中で生化学的な休眠状態にある。
女性は子供の数が多いほど寿命が短い。
男性は子供がそばにいると寿命が長い。
男性が老化や上司の面で不利益を被っても生殖への投資を促進したり増やしたりする要因としては、すぐにセックスできる可能性以外に何があるか?もし自分が危険な環境にいるとわかったら若いうちに急いで生殖に投資するのは賢明だろう。死亡リスクが高く人生が早々と終わってしまう恐れがあるから。次世代に託すことができると言うこと。生殖には死亡率の上昇や老化が進むといった深刻な代償がある。
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意外と男性に特化した健康?の話は、ない。
世の中、女性のことは、多いのにね。
進化論は、未だ解明できないことが多々ある。種として生き残るために、色んな進化をしたんだろうけど、こういう見方があるとは、知らなかった。勉強になった。