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いつかは読みたいと思いながらも、タイトル故になかなか手を出せずにいた。
「普通」じゃない事への罪悪感や、誰にも相談出来ない切実な悩みを抱えながら生きてきた事は、とてもとても苦しかったのだろう。
沢山の苦悩の末、誰かに用意されたものではなく、強制されたものでもなく、自ら答えに辿り着き、それらをさらけ出せた事が羨ましくもある。
それぞれの形があって、ありのままを受け入れ合って、そのままで生きていく。
その姿が清々しく素敵だと思えた。
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文庫化してたから、タイトルに騙されたつもりで読んでみたら 結構 筆者の気持ちに感情移入できて面白かった。普通から逸脱したいびつな自分に気を病んでしまうことが多いので、そんな自分を肯定するでもなくのらり くらりと日々が過ぎる感じが、人生だなあと。ちんぽってワードをチョイスしてるセンスもあるし 全体的に文学的な面白い表現多くて すきだった
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【感想】
シュールなタイトルのわりに、内容はかなり陰険でドロっとしたものだった。。。
読んでいて色んな意味で辛かったなぁ。
ノンフィクションという事が、余計に辛さを増すね。
タイトルと冒頭の1ページがこの物語の全てを語っている。
「植物のように生きていくことを選んだ」と書いてあるが、何故そういう選択しかできなかったのか。
色々生じる生活上のトラブルは、何一つ解決せぬまま終わりを迎える。
様々な意見があると思うが、個人的には一切感動しなかったなぁ。
書き方がややポップだったのが、少しだけ救いになった。
中身がないわけではないけど、総合的には奇をてらったタイトルのみの作品でした。
【引用】
冒頭
「いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。」
押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。
ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひっそりと生きていくことを選んだ。
p84
夫が悲しい顔をして帰宅するたびに職場の人間を「クソどもめ」と呪った。
夫をこれ以上かわいそうな目に遭わせるわけにはいかない。
この人は、ちんぽの入らない人を妻にしているのだから。
p180
あの日も今夜も、私には悪いところなんてないと夫は言い切った。
あなたの知らないところで私は悪いことばかりしてきたのです。
間の抜けた事を言ってへらへら笑っているのは私のほんの一部にすぎなくて、残りは言えない事だらけです。
私は大事な事を何も話していない。
布団を被り、夫に気付かれないように涙を拭いた。
せめて夫のためにも子を産みたい。そして一からやり直したいと思った。
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入らないのに結婚という選択肢があることに驚き。でも
他人がとやかく言うことではない。
「私たちは隣り合って根を張る老木のように朽ちていれけば幸せだ」この文章は素敵だと思った。
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泣いた。
小学校の先生をしている息子にも読ませたいが、どこかで自分で見つけて読むことを祈る。
二人ともいい人で、壊れてもなお。
原因がわからないところだけが気になるのだが。
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どれだけ悩み、苦しんだのか。
実話だけあって、著者の言葉が鋭く突き刺さってくる。
辛い中、自分自身とちゃんと向き合い、それをすべて受けとめて、乗り越えようとする夫婦の物語。
僕はこんなに自分自身と向き合っていただろうか?
と思わせてくれる。
正直、多少楽観主義の私には共感しづらい場面もあり、読後の感想が難しい...
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面白かった。思っていたより壮絶だった。
教職やっぱり過酷なんだなあ。
これもディスコミュニケーションの話だと思っている。
しかしこの本の最後のメッセージはとてもわかりやすかった。色んな人に届いて欲しい。
パートナーとちゃんと話し合いたい内容ではあるが、この本をパートナーには読んでもらいたくない気持ちもある。
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思いもよらない、その人だけの現実が必ずあると教えてくれる。私の意見は、私の物差しで測りとられたもの。振りかざしてはいけないと改めて実感。
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フツーの人が一般の世間意識でする質問に傷つく人がいる。「子供いない=悪い、フツーじゃない」はもう古い?
家庭のあり方に多様性が生まれつつある現代の流れを後押しする本だと思います。
子どもが生まれないと社会的、経済的に国が成り立たないことは事実だと思いますが、それもあって子どもは産んだ方が良いっていうイメージはなかなか抜けないのかもしれません。
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アホっぽい題名からは想像もつかないほど色んな事に勇気付けらるはず。「自分は人と違うかもなー」とか「人付き合い苦手っ」て思っている人は読むと気分が楽になりますよ。
そして、後書きも必読です。
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学級崩壊から壊れた自分
職務、理想?から壊れた夫
入らない、でもこれが二人の形
子は持たない、だからこれが二人の形。
周りが、世界が、一般的に無意識に求めている
それがスタンダードだと思われている状況には
合致しない。
思い悩み崩壊する私、風俗での代用、
一見崩れかけている夫婦関係、
パンチの効いたタイトル。
では、なぜ二人でいるのか、そのあたりが
なんとも伝わってこない。兄妹みたいだから?
若干タイトルと境遇が似ているので読んでみた。
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私の世界で私はまともで、強がりや誤りにだって自分なりの理屈がある、と意識することもなく考えている人の集まりが社会なのかもしれない。
宣伝用のカバーには幾人ものコメントがぐるりと書き込まれている。
辛いことも孤独な気持ちも同じ言葉と匂いと温度で他人と共有することはできない。
でも、あなたの存在を肯定している。
読後の感覚とそのコメントたちがやさしく響きあう、とてもいいデザインだと思う。
タイトルも、故に読まない人もいるかもしれないけれど、筆者も書いていたように内容が想像できないことがテーマと合っているし、きっとこれしかないと思う。
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タイトルのせいか何かと話題になっているので、文庫本が出たタイミングで読んでみた。
正直に告白すると、一章目を読み終えた段階では、あまりいい感想を持てなかった。ひたすら、苦しい、辛い、可哀相という感情が漂っている文面に、読んでいる方が辛くなってきて、一章目を読み終えたところで、一度読むのをやめてしまった。そして、もっと言うと、著者の持ち味なのかもしれないが、被害者意識の強さが表れている文章が、鼻についてしまったというのも、読むのを辞めた原因の一つだった。
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どれだけの人が「ふつう」に殺されてきたのだろう。
同質性を好む日本では尚更、だ。
私も、小学校の頃、利き手ではない右手で書道をさせられ、出来上がった不恰好な字を見て泣いてしまったことがある。
ただ、私は被害者なだけではない、加害者でもある。
ここには書けないが、「ふつう、そんなことしないよね」という言葉で、大切な友人を傷つけたことがある。
私たちは、孤独を恐れ、疎外を避けるため、「ふつう」で繋がろうとする。それは同時に「ふつうじゃない」を弾き出すことだ。
相手と話すとき、その人の顔に「ふつう」の仮面を被せずに、「その人」と話すことの大切さに気づけたと思う。
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再読。昨年の9月から、ずっとこだまさんに夢中。
ちんぽだけではなく、家族、職場、子どもたち、夫、女......様々なものに入れない私のこれまでを語ったエッセイ。
私は自己免疫疾患、夫はパニック障害。お互い壮絶な人生を歩んでいるという文章が出てきて、思わずえっ、あっ、そういえばそうだったと思ってましまった。テーマに反して、いい意味で文章に重みがないのもこのエッセイの魅力。
読んでいる途中、「つながり」という言葉が頭に浮かんだ。私と夫の関係はありえないの連続で、普通の夫婦なら破綻していると思う。けれど私はつながることが出来ないからこそ、夫に寄り添って、支える道を選んだ。
すぐにつながることが良いことで当たり前。そしてちょっと依存気味の世の中で、つながれないのが私たちだと語るのも、白と黒が同居した関係を打ち明けるのも勇気のいることだったと思う。
とても私的で重大なことをこだまさんが文章に書いて、本にして下さったことを感謝したいし、常識にでっかい風穴を開けてくれてありがとうと、言いたい。