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自分の普通をみんなの普通だと勘違いして、知らない間にひとを傷つけることがあるのはわかっているけど、たまに忘れてしまう。わたしも生まれて自分のこと好意的に思ったことがない、好意的に思ってくれるひともいない。その面では行為はできないけど人間として好いてくれる人がいて幸せなのでは、、、
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タイトルや、セックスがまともにできないことが赤裸々に綴られる内容から、そっち系の興味本位がきっかけで読まれることが多いと思われるが、この本のキモはそこではなく、ふつうの教員夫婦の学校では見せていないに違いない悩みや私生活(性生活の部分だけではなく)を本音で綴ったところだろう。たぶんこの著者たちは、学校で客観的に見ればふつうの熱心な先生なのではないかと思う。そして、先生もふつうの(特別ではない)人間だということをあらためて教えてくれるところにこの本の価値があるのではないか。そんなこと、少し考えれば当然のことなのだが。
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2017年に刊行されて以降、内容がすばらしいと話題を呼び、マンガ化、ドラマ化なども決まっている。直球のタイトル通り、パートナーのちんぽが入らないという事態に直面する「私」が主人公である。セックスができない反面、精神的な結びつきを強くして結婚に至ったものの、その後の夫婦生活にもさまざまな問題が山積し、苦悩の日々は続いていく。
【目の前にはたくさんの本が並んでいるのに、ちんぽの入らない女性へのアドバイスはどこにも見当たらなかった。おそろしいことに、すべてが「入る前提」で書かれている。女として生まれ、ベルトコンベヤーに乗せられた私は、最後の最後の検品で「不可」の箱へ弾かれたような思いがした。】
「しない」と「できない」はきっと違う。
セックスレスといった問題とは若干異なるのは、「できない」はある種の受難だ。主人公の「私」は不器用ながらどうにか解決を図ろうとするが、大仁田厚のように血を流しても、メロンの香りのローションを使っても、何をやってもとにかく入らない。ちんぽが。さらには、夫の不貞に対抗するように見ず知らずの人と逢瀬を重ねたりと、逃避の仕方もまた不器用である。
学級崩壊、病気、不妊治療、夫の諸問題…人生において【偶発するちょっと嫌なこと】が集中しがちであるという「私」は、やや自虐的に、あえて感度を緩めるようにして問題と対峙しているように見える。とぼけた顔で冗談を言うように切実な問題を語り、シリアスになりすぎないよう痛みに対して鈍感になり、必死で耐えようとしている雰囲気はなんとなく現代的だ。もちろん、気付かないふりをしたところで痛みは決して和らぐことはなく、ダメージはきっちりと蓄積してゆく。「私」に降りかかるたくさんの問題は、何ひとつとしてすっきり解決するわけではない。しかし、なんらかの「決意」によって心を少しだけ解放させる描写は、希望のある落としどころになっているように思った。
本書のラストには
【私は目の前の人がさんざん考え、悩み抜いた末に出した決断を、そう生きようとした決意を、それは違うよなんて軽々しく言いたくはないのです。人に見せていない部分の、育ちや背景全部をひっくるめて、その人の現在があるのだから。それがわかっただけでも、私は生きてきた意味があったと思うのです。】
とある。ちんぽが入らなくても、大丈夫だった。そう思って生きることを決意した女性の物語に、勇気づけられた心地がする。
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普通 ってなんだろう
普通でいること他人と比べることで人生難しくなるけど、それをしないことを選択する人生は乗り越えるものが多すぎる気がする
完璧でいたいけどいれない
精神的な結びつきって何?
私がいけないと思い込み
共感するとこもあるけど、共感したくない気もする
ダメなことに向き合って受け入れるのって苦しいね
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読み終わりにとにかく、ずどーーーーんとなった。
自分もレスで、しかも不妊治療中なので、とても感情移入するとこもあり。。。
最後に書いてあることが一番響いた。
『目の前の人がさんざん考え、悩み抜いた末に出した決断を、そう生きようとした決意を、それは違うよなんて軽々しく言いたくはないのです。』
それぞれみんな色んな生き方があるはずなのに、【世の中の一般】という【常識】に囚われてしまう。
でもほんとはそこに当てはまるなんてこと、ほとんど稀なはずなのに。。
この本はそういった【世の中の一般】や【常識】と戦った夫婦の、いや、ひとりの女性の話だ。
旦那さんには旦那さんの考えがあるはずだから、そちらの考えも聞いてみたい。
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ぼくは、好き。
ちんぽが入らないって想像するととんでもないことだって思う。でも兄妹のように信頼しあい支えあえる人が伴侶だというだけで、実はとてつもない幸運なのかもしれない。
そのうえちんぽも入れば言うことなかった、たったそれだけのことなのかもしれない。
悩んで苦しんで、人の生きてきた歴史には数知れない傷が刻まれ、全身から血が噴き出している。
ラストに出てくる保険の営業の人のように、他者の笑顔の下にそのような歴史があるとは想像しない、考えてもみない、己の心の貧困さ故に「当たり前」で押し通そうとする人々にとっては視界に入れるのも嫌な本に違いない。と想像する。
ぼくは本を読み終えて好きな人にラインを送ることにした。
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タイトル見たときは面白おかしい物語なのかと思ったけど全然違った!!
あとがきまで読んで完結する感じですね。
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賛否両論が酷く忘別れる作品ですね。
私は、ちんぽが入る入らないには視点を向けずに読みました。
この、だいぶ変わった夫婦の形と
壊れていく2人の姿に目を向けて読んだので
とても苦しかったです。
1つの夫婦のエッセイとして読むと、とても共感は出来ない部分もあるけれど
上手く言えないけど・・・私には心の問題の部分で
苦しいけど悪くは無かった一冊でした。
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夫婦やカップルのあり方って、本人同士が愛し合って満足していれば、周りにどう思われたって関係ないんだなと思った。頭がおかしくなっても死にたくなっても傷付けても、誰かと人生を寄り添って生きていくとはこういうことなのかもしれない、と少し思った。
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タイトルのインパクトで手に取ったが、ただそれだけではない深い内容だった。
それでいて滑稽。
当たり前、普通、なんてどこにも存在しない。誰にも理解してもらえなくても、本人がココに在る意味を見い出せば景色は変わる。
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一気に読み切れる。
軽い感じです。
題名になっているフレーズが、作中に何度も出てきます。ちょっと、多いかな。
それを除けば、面白かった。
人には色々な悩みがあり、その悩みに抗いながら、時には流されながら、健気に生きていくのだなと感じた。
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映像化も決まった本作、コミカルさすら感じるタイトルと反して、本編はたんたんと落ちてゆくばかりです。
まったく心の準備ができておらずうっかりフライデーナイトに読んでしまったんですが、まあ泣くよね。3回くらい泣くよね。
事象はその通り「夫のちんぽが入らない」んですけど、それをきっかけに、誰にも言えない秘密をかかえる重さや、無責任に他人から押し付けられる幸福像からズレていることのつらさ、そこに愛する人を巻き込んでしまっているという罪悪感の薄氷のうえで踏みとどまってい作者をさらに追い詰める出来事、学級崩壊。
無邪気にぶつけられる悪意、誰にも吐き出せない弱音、内側に積み重なっていく死への衝動、正しさへの諦観。
それでもこの人は、ぜんぶ「自分が弱かった」と振り返る。卒業までみてあげられなくてごめんね。過度のストレスで体をボロボロにしても、人のしあわせばかりを願っている。
逃げ出して自分を正当化して守ることもせず、ただ正面から痛みを受け止めている人。
そしてそんな作者を、誰よりも愛しているだろうことがよく伝わってくる旦那さん。2人でいいよ、このままで完璧だよと繰り返し伝えてくれるけれど、この2人はとてもよく似ている。
2人でいれば完璧だとわかっていたのに、普通じゃない、ということにおびえ、さいなまれ、世間の目にさらされ摩耗していく、純度の高すぎるふたりの生活が生々しく描かれている。
とにかく、この夫婦に幸あれと願う。
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2019.2.12-2.16
「で?」というのが読後の素直な感想。
読み始めたときは、結構良い話じゃん、と思いました。生徒との関係の部分も学級崩壊で感じたことなんかも良かったです。でも、話の統一感がなさ過ぎて、疲れました。「私たちフツーじゃないけど、いいの」と言いつつ「どうしてフツーじゃないんだろう?」って悩んでる。その矛盾が私には受け入れられませんでした。でも、その部分が高く評価されてるんだよね。
ただ、同じようなカップルには「自分たちだけじゃない」という安心感を与えられるという本としての素晴らしい仕事をしたと思いました。
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高校時代授業で人はなぜ結婚するのか?の問いに
「1人だと経済的に厳しいから」
と答えたという。
(好きな人と一緒にいたいからっていうのが正解らしい)
面白いなと思った。
友達がいなかったと書いてあったが私は友達になりたい。
ショッキングな題名だけに、カバーをつけて読みました。
しかし内容はいたって真面目。
小学校の担任時代は読むのが苦しいくらい。
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さらっと読み終われるのに、重く苦しい内容だった。
読んでて辛かったし、読み進めれば救われるんじゃないかと夢中で読みきってしまった。
誰か救ってあげてくれ、寄り添ってあげてくれ、という気持ちでいっぱいだった。
もがいてもがいて、一生懸命に生きている人。彼女は望みや夢が叶うのに、必ず暗い面が付いてきてしまうのがしんどかった。両手ですくった砂が、指の間からさらさらとこぼれてしまうかのように、逃げていってしまう。
本当はいやなのに、本当は苦しいのに
本当はやめてほしいのに、
本当は助けてほしいのに、
自分を責めて、相手を変えようとはせず
その現実を受け止めようと大きく広げたまま、壊れてしまったのかな、と勝手に想像した。
(壊れたなんて失礼だけど。)