紙の本
リメンバーバブル期
2018/12/30 19:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブル期は企業も個人も、海外の土地、建物、美術品、ブランド品などあらゆるものを買いあさった。あの頃は日本も経済的に他国より優位にあった。残念ながら今は逆転。買われていくものを買い戻す金もないし、水道「民営化」とか外資に食い物にされるIRとか、国までもが日本売りに加担しているように思えてならない。経済的に優位にないことを国民も肝に銘じて、行動しなければならないと実感。インバウンド需要だって、相対的にアジア諸国の経済水準が上がって、日本に来られるだけの収入が得られるようになった証。変われないためには我々が資産として保有しないと。
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<目次>
まえがき いつの間にかどんどん売られる日本!
第1章 日本人の資産が売られる
第2章 日本人の未来が売られる
第3章 売られたものは取り返せ
あとがき 売らせない日本
<内容>
怖い本である。「規制緩和」の名の下で、アメリカに言いなりになっている日本政府。その下で官僚は、日本の資産を(水・土地・タネ・食野さまざま・森・海)が売られ、仕事・学校・医療・老後・個人情報が売られている。ただ第3章で、それに立ち向かっている国々の話が紹介される。特にイタリアの政党やアメリカの母親の話は、日本でも可能性があるかもしれない…。教育者として、こういう話を生徒に伝え、彼らに頑張ってもらわないと…。
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現政権主導による絶望的な状況が描かれるが、それを踏み越えて未来を拓く可能性を提示してくれている。この著作の肝は「公共」とは何か、を改めて考えさせることにあるんだろうと思う。
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日本が切り売りされても、買い続けるものは兵器のみ。財界への賃金アップや携帯料金の四割引き下げ要求という財布の中身の話で、国民の目を欺いているのが現政権だと思います。将来より明日、明後日だけみていてほしいのでしょう。
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普段、テレビも見ない新聞も読まない、で世の中の事をあんまりにも知らない。恥ずかしくて少し勉強。具体的な政策や問題の依拠を列挙しているので、理解しやすかった。挙げられる法案名を悉く知らないので調べつつ。
かかる民主党政権時に起こった東日本大震災、その当日に、現在現政権下で着々と進められつつある水道民営化法案、その伏線としての第一歩となるPFI法改正案ていうのを閣議決定されていた事をまったく知らなくてびっくりしてしまった!
特定の政党批判とかではなく、具体的な政策や方策をもっと積極的に国民全員が関わっていく事が大事だ、と筆者は言っていて、そのはじめのきっかけが本書となればいい、そこから先はもっと各人で掘り下げて様々な情報にアクセス、政治家へもどんどんみんな突っ込みを入れて行くのがいいと言っている。
理想的にはそうなんだけど、この本はおもしろく読んだものの、読後、何も行動の変化しない私がいる。sns上で情報をシェアしたり、様々な情報ソースに自発的にアクセスしたり、そして検証したり、政治家に物申したり、社会運動に関わったり、そういう事が大半の人が出来ている。というような日が来ない限り、真の民主国家になる日は訪れないのだろうか。
自身の行動力の無さも相俟って、暗い気持ち。
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これから僕たちはどうすればよいのか?
自分で選んでモノを買い。信じられる政治家を探し、軽薄なマスコミを無視しないといけない。
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刺激的なルポルタージュが刊行された。
民営化の失敗から国営化公営化に舵を切っている諸外国を例に挙げ、日本の政策に一石を投じている。
政府はその失敗例を教訓とはせず、世界の趨勢に逆行すらしていると、警告する。
日本の貴重な資産=水、土地、タネ、農地、森等々。
政府はそれらに関連する重要法案を、国民の関心が逸れている間に成立させているそうだ。
「水道民営化法案」は、オウム真理教の死刑報道の最中に。
森友問題の報道に隠れた「主要農作物種子法」の採決。
「森林経営管理法」という日本の資産を売る法改正も、国民の知らないうちに。
森林も農地も、安全保障問題上の水と食料が絡む、日本にとっての貴重な資産だと、著者は言う。
それらの重要法案がいつの間にか成立していることに、背筋の凍る思いがする。
また、予算の度に問題となっている「医療費40兆円」の最大の原因は高齢化ではなく、アメリカから法外な値で売りつけられた医療機器や新薬が、日本の税金で支払われているからだと、喝破する。
今、国会で審議されている外国人労働問題についても論じている。彼らは使い捨ての商品ではなく、我々と同じ人間であり、100年単位で受け止めなければならない存在だ、と。
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ふだん、社会にほとんど何の関心もなく、何があっても他人事みたいな気分でいて、自分でもよくないと思っている。しかし、本当になんとも思えない。「今だけ金だけ自分だけ」と言われたら全くその通りだ。いましろたかしさんが漫画で安倍政権を売国内閣と強く批判しているのがどうにもピンとこなかったのだが、この本を読むと非常に理解できた。特に竹中平蔵がやばいやつだ。
文章のテンポがよくて難しくなくて面白い。先行きが不安になることばかりが書かれていて暗澹たる気持ちになるのだが、最後に希望が輝かしく描かれていて安心した。
たいていちょっと古い本を読んでいるので、リアルタイムなことにハラハラし、そこに価値があるし、本は新しいのもなるべく読むべきであると痛感した。
ずいぶん前に村上龍が『愛と幻想とファシズム』か何かで未来は多国籍企業が世界を支配し、恐ろしい社会になるみたいな事を訴えていた記憶がある。当時はどういうことか全くピンと来なかったけど、まさしく今この感じがそうなのかな。
それにしてもこんな内容の社会を牛耳っている連中に耳が痛い内容を本にして、堤さんは暗殺されないか心配だ。
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新たな帝国主義の時代 「搾取」の仕組みは形を変えて
この方の問題提起は「体制の本質」をつく
現代の帝国主義の武器は「金融」武力を陰にして
金融による収奪は、金利収益とキャピタルゲイン
アービトラージとボラティリティを手段として
問題はキャピタルゲインは周期的にゼロベースへ
金利収益は低金利トレンドそれをボリュームでカバー
これがリーマン・ショックをもたらし
いまトランプ・ショックになろうとしている
あらゆるものがビジネス化され、米国資本の餌食に
経済至上主義はいずれ破綻する
トランプ政権は幕引き係のように思える
ではその次は何か? 中国だとなお厄介
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普通の商品は陳腐化して売っても儲からない、売れるものがないから企業は投資をしないのでインフレも起こらないし、GDPも上がる気配がない・・ 積み上がるのは国家財政の借金ばかり。 もうこうなったら水でも土地でも国民の健康でもたたき売るしかない・・ いつも間にか我々はここまで追い詰められているのでしょうか。
それにしても国民の基本的な財産を何の断りもなしに外国に売り渡す一方でオリンピックだ万博だ,カジノだと大盤振る舞い。運営費用は国民から吸い上げた税金を使い、ボランティアをただ働きさせて少しでも浮いた部分は自分たちの懐に、という状況にいつまでも国民が黙って我慢できるか、隠し通せるか、ですね。
日本のナオミ・クラインってところでしょうか。著者の次作にも期待しています。
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「今だけカネだけ自分だけ」ー著書の中で作者が提起した問題の根底に、この精神が伏流していると思います。
従来は資本の論理では扱ってはいけないもの、常識として認識されていたものが次々と「商品化」され市場に晒されていきました。今回取り上げられている主なものは
・水(水道)
・タネ(種子など)
・食の選択肢(遺伝子組み換え作物への表示)
・農地
・漁業
・労働力
・学校
・医療
読めば読むほど暗澹たる気持ちになります。しかし、今の日本の現状です。しかも、その殆どはマスコミでは報道されないものばかりで、知らない間に法案が通り進められています。アメリカでは公教育が民営化された結果、教育現場の荒廃が進んでしまいました。それが今度日本でも同様なことが起きようとしています。下記の著書はアメリカの現状報告ですが同じことが日本で起きています。
『ルポ 貧困大国アメリカ』
『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』
『(株)貧困大国アメリカ』
(共に堤未果著/岩波新書)
『沈みゆく大国アメリカ』
『沈みゆく大国アメリカ〈逃げきれ!日本の医療〉』
(共に堤未果著/集英社新書)
前半2/3は暗い話ですが、後半は世界各地で市民がもう一度政治に参加して、例えば民営化された水道を公営化に戻した成功事例など紹介されており、少しだけ希望の光が見えます。
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食をコントロールする者が人民を支配し、エネルギーを支配する者が国家を支配し、金融をコントロールする者が世界を支配しする。
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この本を読むと、知らないことの恐ろしさと、なにもできない無力感に打ちのめされます。選挙に行こうとおもわされます。
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この本は友人に勧めています!如何に自分が無知かと思い知って、恥ずかしくなりました。
堤さんの本を他にも読みたくなりました!
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20181210 タイトルがどういう意味か気になったので購入。良く調べてあるようで、読むと既に起きた過去の纏めになっている。この本の内容がちょうど今の国会の水道事業の民営化に被る。審議時間が短い事が話題になっているが議員の方がこの本の該当部分を読む事で変わるのではないか。ぜひやってほしい。麻生さんに朗読してもらえたら効果的だ。